事業内容
SBIインシュアランスグループは、SBIホールディングス(出資比率59.7%)傘下の保険持株会社として2017年に営業開始し、2018年に東証マザーズ(現グロース市場)に上場した。損害保険(SBI損害保険)、生命保険(SBI生命保険)、少額短期保険(7社)の3セグメントを擁し、インターネット・非対面チャネルを主軸とした低廉な保険料の商品を個人・法人・金融機関向けに提供する。
2026年3月末時点の連結保有契約件数は損保1,397千件、生保725千件、少額短期1,054千件に達し、グループ全体で多様な保険ニーズに対応する総合保険グループを形成している。
ビジネスモデル
インターネット等の非対面チャネルを活用した効率的な顧客獲得と低い事業費率(損保正味事業費率16.4%)を競争力の源泉とし、保有契約件数の継続的な積み上げによって保険料収入を拡大する。SBIグループの顧客基盤・地域金融機関ネットワークを販路として活用し、AI・ビッグデータ等のテクノロジーで業務効率化と顧客利便性向上を両立させることで、収益性を高める構造を持つ。
企業の強み
インターネット中心の非対面チャネルを活用したローコスト・オペレーションにより、損害保険事業の正味事業費率は16.4%(前年度比1.5ポイント低下)を実現。コンバインド・レシオも89.7%と改善が続いており、大手代理店型損保に対して構造的なコスト優位を持つ。
SBIホールディングスが保有するインターネットリテラシーの高い顧客基盤、SBI新生銀行をはじめとするグループ金融機関、全国の地域金融機関ネットワークを活用し、低コストで顧客接点を拡大。団体信用生命保険の保有契約件数は前年度末比15.6%増の725千件に達するなど、グループシナジーが具体的な契約増加に結実している。
損害保険・生命保険・少額短期保険の3事業を傘下に持ち、自動車保険・定期保険・ペット保険・地震補償保険・賃貸住宅保険など多様な商品ラインナップを展開。単一セグメントへの依存を回避しつつ、グループ内クロスセリングによる顧客基盤の相互活用が可能な事業構造を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
経常収益は2022年3月期88,365百万円から2026年3月期140,362百万円へ5期で約59%拡大。2026年3月期の前期比増収率18.5%は前期の8.3%から加速しており、生命保険事業(前期比30.0%増)が牽引した。
経常利益は13,164百万円(前期比39.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,880百万円(同44.8%増)と大幅増益。業務効率化による費用率改善が増収効果に加わり、経常収益経常利益率は8.0%から9.4%へ向上した。
なお、前期は損害保険で繰延税金資産の一時計上があり税金費用が低く抑えられていたが、当期はその影響がなくなったため法人税等合計が65百万円から1,415百万円へ増加した。包括利益は6,110百万円(前期比103.9%増)と大幅増加し、その他有価証券評価差額金が3,216百万円改善したことも寄与した。
成長戦略
シナジー・テクノロジー・ニッチの3戦略で2028年3月期経常収益目標達成を目指す
SBI新生銀行等グループ各社・提携金融機関との連携強化により、生命保険(団体信用生命保険)の保有契約件数を前年度末比15.6%増の725千件に拡大。地域金融機関との連携によるがん保険・海外旅行保険の取扱い拡大も進展しており、グループシナジーによる低コスト顧客獲得が継続的に機能している。
生成AI・音声認識技術を活用した事故受付・カスタマーサポート体制の高度化、コールセンターへの対話型AIオペレーター導入、雹災害発生予測モデルを活用した降雹アラート配信など、最新テクノロジーの活用を継続。損保正味事業費率は16.4%(前期比1.5ポイント低下)、少短コンバインド・レシオは12.4ポイント改善と成果が数値に表れている。
「ハルメク」読者との共同開発商品(医療共済・生命共済)投入によるシニア女性層への新市場開拓、e-bike保険の外部企業提携拡大(国産ブランド「XENIS」への提供開始)など、ニッチ市場への特化商品展開を推進。セグメント利益は前期比184.3%増の656百万円と大幅改善し、収益化が加速している。
国際財務報告基準(IFRS)の適用を検討中。IFRS第17号「保険契約」に対応するシステム構築に相応の時間を要することから、2030年3月期の適用を目指して会計方針の検討およびIFRS対応システム構築に向けた要件把握のための情報収集等を進めている。
最終更新: 2026年7月19日

