事業内容
株式会社エフ・シー・シーは1939年創業の輸送機器向け機能部品メーカーで、二輪車・四輪車用クラッチおよびEV/CASE領域製品の製造販売を主力とする。当社、子会社22社、関連会社1社で構成され、インド・インドネシア・タイ・ベトナム・フィリピン・中国・台湾・米国・メキシコ・ブラジルに生産・販売拠点を展開する。
主要顧客はFord Motor Company(売上収益の20.1%)、General Motors Company(同9.2%)、本田技研工業(同3.8%)など大手完成車メーカーであり、インド二輪市場ではマーケットシェア70%以上を誇る。近年は環境・エネルギー分野の非モビリティ事業も育成中。
ビジネスモデル
コア技術である湿式・乾式摩擦材の研究開発から生産・販売まで一貫して手掛け、現地生産体制により各市場の完成車メーカーへ直接納入するBtoBモデル。二輪事業(売上収益124,691百万円)と四輪事業(同135,975百万円)が収益の柱であり、研究開発費8,513百万円・設備投資16,451百万円を継続投下して技術・生産能力を維持・拡充する。
非モビリティ事業は現状投資フェーズで将来の収益多様化を担う。
企業の強み
FCC CLUTCH INDIA PRIVATE LIMITEDを通じインド市場でマーケットシェア70%以上を維持。2026年3月期の二輪事業売上収益は124,691百万円(前期比3.6%増)で、インドの需要拡大を着実に取り込んでいる。
インドでの積層モータコア量産開始によりEV領域でも先行投資を実施済み。
米国・メキシコ・インド・インドネシア・タイ・ベトナム・フィリピン・中国・台湾・ブラジルに製造拠点を持ち、特定地域リスクを分散。2026年3月期の設備投資16,451百万円のうち、インド・ベトナム・インドネシアへの能力拡充投資を継続しており、グローバルサウスの需要増に即応できる生産基盤を構築している。
2026年3月期末の資本は206,299百万円、現金及び現金同等物は71,360百万円。営業活動によるキャッシュ・フローは22,779百万円を確保し、設備投資16,451百万円・配当8,131百万円を賄いながら手元資金を積み増した。健全なバランスシートが成長投資と株主還元の両立を支えている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は2026年3月期に260,836百万円(前期比1.6%増)と増収を維持したが、成長率は前期の6.8%から鈍化。外部要因として円高(米ドル150.78円、前期152.58円)やベトナムのガソリン二輪車規制による買い控えが逆風となった一方、インド・ブラジルの二輪車用クラッチ販売増加と北米四輪車用クラッチ販売増加が下支えした。
営業利益は18,927百万円(前期比9.2%増)と増益が続き、営業利益率は7.3%(前期6.8%)へ改善。販売費及び一般管理費の削減(前期31,588百万円→当期29,639百万円)が利益改善に大きく貢献した。
製品保証引当金は期末残高9,099百万円(前期7,358百万円)へ増加しており、品質関連費用の動向は引き続き注視が必要。
成長戦略
基幹クラッチ収益を原資にEV/CASE・非モビリティへ事業ポートフォリオを転換
インドでの市場シェア70%超を維持しながら高付加価値技術を投入し収益最大化を図る。ブラジルでは2026年3月期に前期比16.3%増の売上収益を達成しており、新興国市場での成長が継続している。
二輪・四輪事業においてEV/CASE領域の新事業開発を推進。積層モータコアのインド・インドネシアでの量産開始やベトナムDAT BIKE社との資本業務提携によるe-Axle受注獲得を目指す。2027年3月期の研究開発費は9,600百万円(前期比1,354百万円増)と積極投資を継続する計画。
半導体業界向けセラミックセッターの量産開始とLiB用導電助剤の量産準備を進める。2026年3月期の設備投資額は4,167百万円、2027年3月期は21,500百万円(全社)と大幅増加を計画しており、先行投資フェーズが継続する。営業損失は△2,459百万円と縮小傾向にあるが、収益化の時期は未定。
2026年5月13日の取締役会で自己株式の公開買付け(1,100,000株・1株3,083円)と消却を決議。資本効率の向上と機動的な資本政策の遂行を目的とし、2027年3月期の1株当たり当期利益予想(315.05円)に当該取得・消却の影響を織り込み済み。
最終更新: 2026年7月19日

