事業内容
愛三工業は1938年創業の自動車部品専業メーカーで、燃料ポンプモジュール・スロットルボデー・キャニスタ・EGRバルブ等のパワートレイン関連部品を主力とする。日本・アジア(韓国・中国・インドネシア・タイ・インド)・米州(米国・メキシコ)・欧州(チェコ・ベルギー)の4極体制で連結子会社25社を擁し、2026年3月期の売上高は330,834百万円。
主要顧客はトヨタ自動車(売上高の約48.9%)と現代自動車グループ(同約10.4%)で、グローバルな自動車メーカーに部品を供給する。自動車部品以外に自動車運送・土木建設・ITサービスも手掛けるが、売上構成比は3%程度にとどまる。
ビジネスモデル
トヨタ自動車等の完成車メーカーから四半期ごとに生産計画の提示を受け、これに基づき各地域の製造拠点で部品を生産・納入する受注生産型ビジネスモデル。グローバル4極の生産・販売ネットワークを活かし、顧客の現地生産に対応することで安定的な売上を確保する。
収益改善活動(MMK活動)によるコスト低減と、燃料ポンプモジュール事業の自社生産化・種類統合による収益力向上が利益率改善の主な手段となっている。
企業の強み
2026年3月期においてトヨタ自動車向け売上高は161,847百万円(売上高比48.9%)、現代自動車グループ向けは34,518百万円(同10.4%)と、上位2社で約6割を占める安定した顧客基盤を有する。四半期ごとの生産計画提示に基づく継続的な受注構造が売上の安定性を支えている。
日本・アジア・米州・欧州の4極に連結子会社25社を展開し、顧客の現地生産ニーズに対応できる製造ネットワークを構築。2026年3月期の設備投資はグローバルで総額25,020百万円(うち日本17,458百万円、海外7,561百万円)に達し、生産能力の継続的な強化を実施している。
2022年9月にデンソーから燃料ポンプモジュール事業を譲受し、グローバルな販売チャネルと製品ラインナップを獲得。2024年度より生産委託から自社生産への切り替えを順次進め、一部地域では自前化が完了。当社製品との種類統合も進め、収益力向上に取り組んでいる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期193,751百万円から2025年3月期337,259百万円まで4期連続増収を達成したが、2026年3月期は330,834百万円(前期比1.9%減)と初の減収に転じた。営業利益も18,287百万円(同0.3%減)と微減。
外部要因として、中国市場での日系各社の販売低迷(アジアセグメント売上高5.8%減)、米国輸入関税増加による米州セグメント営業利益38.5%減が響いた。一方、日本セグメントは販売数量増加と収益改善により営業利益36.3%増、アジアセグメントも収益改善で営業利益20.0%増と健闘した。
2027年3月期予想は売上高335,000百万円(前期比1.3%増)・営業利益18,000百万円(同1.6%減)・当期純利益12,000百万円(同8.2%減)と低成長が続く見通し。前提為替レートは1USドル150円。
成長戦略
パワートレイン競争力強化・電動化製品拡大・M&Aで2027年度売上高3,350億円を目指す
車載用モータ向けカーボン部品世界No.1メーカーのトライス株式会社を2026年4月1日付で完全子会社化(取得原価7,500百万円)。電刷子等のカーボン部品技術を取り込み、パワートレイン事業の商品力強化と市場シェア拡大を図る。2027年3月期業績予想には新規連結効果が織り込まれている。
北米市場でのハイブリッド車販売増加(外部要因として市場環境が追い風)を背景に、HV向けバスバーエンド・FCV向け高電圧分岐BOX等の電動化製品の受注拡大を推進。電動化の進展が想定より緩やかとなる中、内燃機関領域との両輪で収益基盤を強化する方針。
2026年3月期の設備投資額は25,073百万円(前期12,651百万円から約2倍)に拡大。日本セグメントで17,511百万円(前期7,292百万円)と大幅増投資を実施し、生産能力・品質競争力の向上を図る。2027年3月期の設備投資予想は24,000百万円と高水準を維持する計画。
2025年度から2027年度の中期経営計画期間において連結配当性向35%以上を目標とし、2026年3月期は35.1%を達成。自己株式取得(9,405百万円)と増配(年間80円)を組み合わせた機動的な株主還元を実施。資本効率向上を目的とした自己株式取得も継続的に検討する方針。
最終更新: 2026年7月19日

