自動車電動化による需要変動
連結売上収益の86.8%を占める自動車用伝導装置事業のうち、特に自動変速装置関連事業(AT)は電動化進展により縮小する蓋然性が高い。主要顧客である自動車メーカーの生産・販売動向に業績が大きく左右されるため、電動化対応の遅れは売上高の減少に直結するリスクがある。同社は戦略事業本部のビジネス開発部にて新規ビジネスの企画を行い、開発本部の再編を通じて脱炭素社会向け商品開発を推進している。
為替変動リスク
全世界で生産・販売を行う当社グループは、現地通貨建て収益・費用・資産を円換算する際に為替変動の影響を受ける。特に日本から輸出する事業においては円高が製品の価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性がある。2026年3月期の売上収益は日本121,345百万円、米州46,899百万円、アジア・オセアニア123,505百万円と海外比率が高く、為替感応度は大きい。
新製品開発・電動化対応遅延
自動車業界の電動化の流れに対応した新製品開発が遅れた場合、顧客・市場ニーズとの乖離が生じ業績・財務状況に悪影響を与えるリスクがある。タイムリーな市場投入ができない場合も同様の影響が生じる。対応策として、戦略事業本部によるオープンイノベーションの推進や開発本部の再編を実施している。
新規事業投資・M&Aリスク
電動化進展に伴う既存事業縮小を見据え、M&Aやスタートアップへの出資を伴う共同開発など積極的な新規事業投資を行っているが、投資先の事業活動が想定通りに推移しない場合や想定外の問題が発覚した場合、減損損失の発生等により業績に悪影響が及ぶ可能性がある。リスク軽減策としてステージゲート法による投資継続可否の検証を実施し、取締役会・経営会議・サステナビリティ会議でKPIモニタリングを行っている。
固定資産の減損リスク
電動化の急激な進展等による経営環境の著しい悪化で収益性が低下した場合、保有固定資産に対して減損損失を計上するリスクがある。減損損失の発生は連結財務諸表に重大な影響を与える可能性がある。同社は事業環境の変化を継続的にモニタリングしているが、想定を超えた電動化加速シナリオでは顕在化リスクが高まる。
価格競争による収益悪化
連結売上収益の大部分を占める自動車部品事業において価格競争は大変厳しく、将来的に価格競争力や優位性を維持できない場合、顧客離れや製品価格の低下を通じて業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。同社はクラッチ及びトルクコンバータ製品で世界トップレベルのシェアを有し、「最高品質なものづくり」・「技術開発力」・「顧客ネットワーク」の3つの強みで対抗しているが、競争環境の変化には継続的な対応が必要である。
製品品質不具合・リコールリスク
大規模なリコールや製造物責任賠償につながる製品欠陥が発生した場合、多額の対応コストが発生するとともに品質管理評価の低下による取引減少が業績・財務状況に悪影響を与えるリスクがある。世界中の工場で品質管理を実施しているが、全製品について欠陥がなく将来にリコールが発生しないという保証はない。
原材料・部品の調達リスク
原材料の大部分と一部部品をグループ外部から調達しており、価格高騰・需給逼迫・調達先の不慮の事故等により原材料・部品不足が生じた場合、業績に悪影響を与えるリスクがある。安定的な取引関係の維持に努めているが、グローバルなサプライチェーン混乱時には対応が困難になる可能性がある。
情報セキュリティリスク
サイバー攻撃等の脅威が増大する中、想定を大幅に超えるサイバー攻撃を受けた場合、情報システム障害・機密情報や個人情報の外部流出・サプライチェーンを含む事業活動の一時中断が生じる可能性がある。事業活動の停滞やレピュテーション低下により財政状態・経営成績に悪影響を及ぼすリスクがある。情報セキュリティ方針・規程の整備・展開および定期的な社員教育を実施している。
環境規制強化リスク
事業展開国・地域における製品安全性・燃費・排ガス規制・汚染物質排出制限等の環境規制は今後さらに厳格化することが想定され、規制適合のための開発費用や設備投資の増加が見込まれる。規制を遵守できない場合には当該市場での製品販売が不可能となるリスクもある。同社は脱炭素社会づくりを長期ビジョンに掲げ、カーボンニュートラル実現に向けた生産体制構築を推進している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

