事業内容
株式会社TBKは、ブレーキ(ドラムブレーキ・ディスクブレーキ)、エンジン用ウォーターポンプ・オイルポンプ、リターダ等の自動車部品を製造・販売する専業メーカーである。1949年創業(いすゞ部品工業として設立)の歴史を持ち、国内商用車メーカー全社にドラムブレーキを採用されるなど、トラック・バス向け重要保安部品で高い存在感を持つ。
日本・アジア(タイ・インド)・中国の3地域に生産拠点を展開し、いすゞ自動車、三菱ふそうトラック・バス、日野自動車、小松製作所等を主要顧客とする。2026年3月期の連結売上高は54,756百万円。
ビジネスモデル
TBKは自社工場での一貫製造(鋳造・加工・組立)を基盤に、国内外の商用車OEMへ直接納入する製造販売モデルを採る。日本セグメントが売上の約59%を占め、アジアセグメント(約36%)が第二の収益柱。
グループ内では日本親会社がタイ・インド子会社へ部品・技術を供給し、ロイヤリティを受領する構造も持つ。原材料・エネルギーコストの販売価格転嫁と内製化・自動化による原価低減が収益改善の主軸となっている。
企業の強み
当社ドラムブレーキは国内商用車メーカー全社に採用されており、いすゞ自動車向け売上高12,003百万円(全体の21.9%)、三菱ふそうトラック・バス向け4,197百万円(7.7%)など主要OEMとの取引実績が厚い。研究開発費1,325百万円(研究スタッフ90名)を継続投入し、次世代軽量・低コストモデルの展開拡大を進めている。
日本(神奈川・福島)、タイ、インド、中国(広東・長春)に生産拠点を持ち、地域需要に対応した製造体制を構築。北米不採算拠点(TBK America, Inc.)を2025年11月に清算完了し、主力製品をインド子会社へ移管することで生産効率を高めた。
2026年3月期の設備投資は3,260百万円(日本1,717百万円、アジア1,412百万円)と積極投資を継続している。
2025年11月にインド大手ブレーキメーカーBrakes India Private Limitedと資本業務提携を締結(第三者割当増資による資本金・資本剰余金各568百万円増加)。ブレーキ製品ラインアップ拡充、電動化製品分野での協業、アジア市場での競争力強化を目的とし、自己資本比率は55.5%に改善。
外部パートナーとの技術・資本連携により単独では困難な開発スピードを確保する体制を整えた。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期の56,659百万円をピークに2期連続で減収となり、2026年3月期は54,756百万円(前期比0.6%増)とほぼ横ばい。国内は普通トラック登録台数の回復(76,187台、前年度比2.2%増)と価格転嫁推進により日本セグメントが前期比8.9%増収。
一方、外部要因としてタイ市場の低迷(家計債務増加による自動車ローン審査厳格化)がアジアセグメントの成長を抑制。営業利益は1,496百万円と前期比59.0%増で改善基調が継続し、売上原価率も87.5%(前期89.4%)に改善。
ただし特別損失1,042百万円(減損損失712百万円・事業再編損297百万円等)と法人税等調整額502百万円の費用計上により、当期純損失131百万円と純利益ベースでは赤字が続く。2027年3月期は売上高53,000百万円・営業利益1,100百万円・純利益600百万円を予想。
成長戦略
第16次中計でコア技術強化・アジア収益拡大・新領域挑戦の3本柱により営業利益率3〜5%を目指す
ドラムブレーキ等の重要保安部品における技術優位性を維持・強化しつつ、原材料・エネルギー価格高騰分の販売価格への転嫁を継続推進。2026年3月期の日本セグメント利益は534百万円(前期比245.2%増)と大幅改善し、設備投資も1,717百万円(前期比75.2%増)と積極化。
TBK America清算完了に伴い北米主力製品の生産をインド子会社へ移管済み。エネルギー調達コスト改善・価格改定によりアジアセグメント利益は1,232百万円(前期比30.2%増)に拡大。タイ市場の本格回復を待ちつつ、インドの堅調な商用車需要を取り込む体制を整備。
2024年9月に北米生産を終了し、2025年11月25日にTBK America, Inc.の清算を完了。不採算拠点の整理により構造損失が一巡し、経営資源をアジア・日本に集中。
中国セグメントでは自動化等の原価改善を継続推進中だが、セグメント損失107百万円が2期連続で継続しており抜本的な収益改善が課題。
第16次中期経営計画において「新領域への挑戦」を基本方針の一つに掲げ、電動化進展等の自動車産業構造変化への対応を模索。配当は安定配当を基本方針とし、配当性向40%以上を継続的に実施。2027年3月期も1株当たり年間8円(中間4円・期末4円)の配当を予定。
最終更新: 2026年7月19日

