事業内容
ヤマハ発動機は1955年にヤマハ株式会社から分離独立し、静岡県磐田市を本拠とする東証プライム上場の総合モビリティメーカーである。国内外170社(子会社148社・関連会社22社)を擁し、ランドモビリティ(二輪車・電動アシスト自転車)、マリン(船外機・ウォータービークル)、アウトドアランドビークル(四輪バギー・ゴルフカー)、ロボティクス(半導体後工程装置・サーフェスマウンター)、金融サービス、その他(モビリティサービス等)の6セグメントで事業を展開する。
主要顧客はアジア新興国の二輪車ユーザーから北米のレジャー・マリン愛好者、半導体製造装置メーカーまで多岐にわたり、2025年12月期の売上収益は2,534,203百万円に達する。
ビジネスモデル
コア事業(MC・マリン)での製品販売を主軸に、グループ内金融子会社(Yamaha Motor Finance Corporation等)が販売金融・リースを提供することで製品販売後も継続的な収益を確保する。2025年末の販売金融債権残高は799,253百万円に達し、製品販売の成長が金融収益の拡大に直結する構造を持つ。
アジア新興国での量販とプレミアム戦略を組み合わせ、地域・製品の分散によりリスクを低減している。
企業の強み
2025年12月期の二輪車販売台数は約499万台(前期比+0.8%)で、うちアジアが390万台超を占める。インドネシア・フィリピン・タイでは販売台数が増加し、新興国売上収益は1,191,600百万円(前期比+1.7%)を達成。長年の現地生産・販売ネットワークが参入障壁を形成している。
マリン事業の2025年12月期営業利益率は10.2%と全セグメント中最高水準。船外機生産台数は前期比+20.0%の271,174台に増加し、欧米市場での堅調な販売を維持。ヘルムマスターEXワイヤレスステーション等の統合ボートシステムで高付加価値化を推進している。
金融サービスセグメントの2025年12月期営業利益は21,056百万円(営業利益率18.5%)。販売金融債権残高は799,253百万円(前期比約59,000百万円増)と継続拡大しており、製品販売の変動を補完する安定収益源として機能している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は2021期1,812,496百万円から2024期2,576,179百万円まで拡大後、2025期は2,534,203百万円と微減。営業利益・当期利益は2023期をピークに3期連続で悪化し、2025期の当期利益は16,109百万円と急減した。
しかし2026年12月期第1四半期(2026年1月〜3月)は売上収益730,121百万円(前年同期比16.6%増)、営業利益62,635百万円(同43.8%増)と明確な回復を示した。外部要因として円安(米ドル157円、ユーロ184円)が追い風となったほか、ランドモビリティ事業でのアジア新興国販売台数増加が主要ドライバー。
一方、米国関税の影響がマリン・OLV事業の収益を圧迫しており、通期予想(営業利益180,000百万円、前期比42.4%増)の達成には下半期の動向が鍵となる。
成長戦略
コア事業の競争力再強化と戦略事業の収益化によるポートフォリオ経営の実現
ベトナムの生産・出荷停止からの正常化に加え、タイ・インド・フィリピンを中心とした新興国での販売台数増加を推進。2026年12月期第1四半期のランドモビリティ売上収益は479,944百万円(前年同期比23.7%増)、営業利益48,976百万円(同76.3%増)と大幅増益を達成し、戦略が着実に成果を上げている。
大型船外機のラインアップ拡充と統合ボートシステムによる高付加価値化を推進。北米・欧州に加えアジア・中南米の新興国でも需要が伸長し、2026年12月期第1四半期の売上収益は148,597百万円(前年同期比6.0%増)と増収を確保。ただし米国関税の影響で営業利益は減益となっており、コスト対応が課題。
北米を主要市場とするRV・ゴルフカー事業の収益基盤再構築を推進。2026年12月期第1四半期の営業損失は7,787百万円(前年同期:営業損失4,229百万円)と損失が拡大しており、米国関税の影響が直撃。コスト管理と資源配分の適正化による収益改善が急務。
ヤマハロボティクス株式会社設立による新川・アピックヤマダ・PFAの統合を推進。生成AI・先端パッケージ向け半導体製造後工程装置の需要拡大を取込み、2026年12月期第1四半期の営業利益は710百万円(前年同期:営業損失703百万円)と黒字転換を達成。中国でのサーフェスマウンター販売も好調。
2026年1月に台湾山葉機車工業股份有限公司(YMT)の非支配株主持分49%を38,868百万円で取得し完全子会社化。連結の範囲の変更を伴わない資本取引として処理され、台湾二輪車事業の意思決定の迅速化と収益の完全取込みが可能となった。
最終更新: 2026年7月17日

