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株式会社 安 永

7271東証スタンダード輸送用機器

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株式会社 安 永7271

事業内容

株式会社安永は1949年創業の三重県伊賀市を本拠とする製造業グループ。コネクティングロッド・カムシャフト等の自動車向けエンジン部品を中核事業(売上高の約76%)とし、工作機械・ワイヤソー・検査装置を手掛ける機械装置事業、浄化槽用エアーポンプ・ディスポーザシステムを展開する環境機器事業を加えた3本柱で構成される。

国内製造拠点に加え、インドネシア・タイ・メキシコ・米国・中国に海外子会社を持ち、トヨタ自動車グループを主要顧客とするグローバルな製造販売体制を構築している。東京証券取引所スタンダード市場上場。

ビジネスモデル

エンジン部品事業では自動車メーカーからの継続的な受注を基盤に、国内外の自社製造拠点で部品を生産・納入する受注製造型モデルを採用。機械装置事業では自社エンジン部品製造で培った工作機械技術を外販し、改造・メンテナンスサービスによるストック収益も確保する。

環境機器事業は安永エアポンプ㈱・安永クリーンテック㈱を通じ、国内外の民需向けに製品を販売する。研究開発費549百万円を投じ、微細形状加工技術「微匠」やベイパーチャンバー用ウィックシートなど新規収益源の育成も進める。

企業の強み

インドネシア・タイ・メキシコ・米国に製造・販売子会社を展開し、日系・米系自動車メーカーの現地調達需要に対応できる多拠点体制を保有。2026年3月期のエンジン部品売上高は25,721百万円(前期比12.4%増)、営業利益は1,877百万円(前期比269.0%増)と大幅改善を実現した。

自動車部品製造で蓄積した微細金型形成技術を「微匠」と命名し、二次電池・熱マネージメント市場向けに展開。2025年8月にはスマートフォン向けベイパーチャンバー用ウィックシートの量産を開始し、エンジン部品以外の新規収益源として具体化している。

セグメント横断の技術本部が要素技術開発を担う体制を整備している。

安永エアポンプ㈱・安永クリーンテック㈱が担う環境機器事業は2026年3月期売上高5,173百万円(前期比12.6%増)、営業利益499百万円(前期比134.8%増)を達成。浄化槽用・医療健康機器用・燃料電池用エアーポンプ、新築マンション向けディスポーザと顧客層が分散しており、自動車業界変動の影響を緩和するポートフォリオ機能を果たしている。

エンヴァリスの着眼点

2027年3月期連結業績予想は売上高37,000百万円(前期比9.0%増)の一方、営業利益2,000百万円(同9.7%減)、経常利益1,800百万円(同17.0%減)、当期純利益1,300百万円(同30.5%減)と減益見通し。営業利益減少は生産設備投資の一過性回収消滅、当期純利益減少は繰延税金資産追加計上(2026年3月期に法人税等調整額△445百万円計上)の剥落が主因。

2026年3月期の高利益水準がどこまで構造的なものかを見極める必要がある。

主力のエンジン部品事業は自動車のEV化進展により中長期的な需要消失リスクを抱える。外部要因として、各国の電動化規制・政策動向が事業環境を左右する。

一方、2026年3月期の有形固定資産取得支出は4,626百万円(前期3,823百万円)と拡大し、短期借入金も8,500百万円(前期6,900百万円)に増加。自己資本比率は34.8%と改善したものの、設備投資継続に伴う借入増加と財務レバレッジの動向を注視する必要がある。

2026年3月期よりスマートフォン向けベイパーチャンバー用ウィックシートの本格量産が開始され、自動車依存からの収益多様化が具体化しつつある。外部要因として、スマートフォン・データセンター向け熱管理部品の需要拡大という市場環境の追い風が存在する。

ただし現時点では売上規模・利益貢献の詳細開示が限定的であり、当該新規事業が中長期の企業価値向上にどの程度寄与するかは今後の開示情報を継続的に確認する必要がある。

成長戦略

グローバルニッチNo.1製品の拡大と微細形状技術による新規事業創造

エンジン部品事業における国内新規ラインの本格稼働により、2026年3月期の同事業売上高は25,721百万円(前期比12.4%増)、営業利益1,877百万円(前期比269.0%増)を達成。建設仮勘定も4,705百万円(前期2,036百万円)に急増しており、次期以降の生産能力拡大投資が継続中。

精密加工技術を活用した非自動車向け新製品として、スマートフォン向けベイパーチャンバー用ウィックシートの本格量産を2026年3月期に開始。自動車依存からの収益多様化を具体化する戦略的新規事業であり、エンジン部品事業の増収・増益に貢献。今後の売上規模拡大が注目される。

インドネシア・タイ・メキシコ等の海外製造子会社での販売増加が2026年3月期業績を牽引。2027年3月期予想においても海外子会社の新規ライン稼働が売上増加(37,000百万円、前期比9.0%増)の主要ドライバーとして明示されており、グローバル生産体制の深化が継続的成長を支える。

工作機械の本機販売増加に加え、改造・メンテナンスサービスの強化により2026年3月期に機械装置事業が黒字転換(営業利益102百万円)。2027年3月期は自動車メーカーの増産に伴う工作機需要増加が見込まれており、サービス収益との組み合わせで採算性の持続的改善を目指す。

最終更新: 2026年7月19日