北米市場集中リスク
売上収益の約8割を北米が占め、自動車事業が9割以上を構成するため、北米の景気後退・需要減少・価格競争激化の影響を受けやすい。主要生産拠点も群馬製作所とSIA(米国インディアナ)の2拠点に集中しており、北米の政策・通商動向の変化が業績に直結する。需給動向の継続的モニタリングと生産・販売計画の機動的見直しにより収益性の維持を図っている。
米国関税政策リスク
米国の関税政策変更により、日本から米国販売子会社へ輸出する完成車および米国生産拠点が海外から調達する一部部品に追加関税が課されており、前事業年度において既に収益への影響が生じた。関税政策の長期化や為替・金融市場の大きな変動・需要減少が重なった場合、経営成績および財政状態に大きく影響を及ぼす可能性がある。売上構成の改善・販売奨励金の抑制・原価低減・費用圧縮にグループ一丸で取り組むとともに、日米関係部門が密に連携して対応策を検討している。
為替変動リスク
北米売上収益が約8割を占め、米ドルを中心とした現地通貨建て項目が多いため、円高局面では売上収益・財務状況にマイナスの影響が生じる。通期業績見通しの想定為替レートと実際の決算換算レートの乖離が業績に直接影響する構造となっている。日米両市場での生産による自然ヘッジのほか、状況に応じた為替予約等のヘッジを実施している。
電動化・市場変化への対応
電動化シフト・モビリティサービス普及・自動運転・シェアリングなど非連続かつ急速な事業環境変化に対し、顧客ニーズを的確に捉えられず新型車・新商品の販売が計画未達となった場合、経営成績や財政状態に大きく影響する。電動化は市場予測が困難であり、過大な開発投資による損失や、一気に市場浸透が進んだ際に適切な技術・商品を備えていないリスクも存在する。2025年11月公表の「SUBARU 2025方針」で次世代技術を核とした商品開発と商品ラインアップの大幅拡充を推進している。
気候変動リスク
各国の燃費・排出ガス規制強化や炭素税等のカーボンプライシング制度の対象化により、研究開発費用の増加や商品販売機会の制限が生じる移行リスクがある。物理リスクとして集中豪雨等の異常気象による調達・生産・物流活動の停滞や工場浸水による操業リスクも存在する。各専門部門による情報収集・将来予測のほか、BCPの一環としてリスクマネジメント・コンプライアンス室が緊急時の統括管理体制を整備している。
サイバーセキュリティリスク
標的型攻撃・ランサムウェア・サプライチェーン経由の攻撃等が高度化・増加しており、情報漏洩・システム障害・製品の安全性への影響・ブランド価値低下のリスクがある。生成AI活用の拡大に伴い、機密情報の外部流出・知的財産権侵害・誤出力の業務利用等の新たなリスクも顕在化している。CISOを委員長とするサイバーセキュリティ委員会の設置、SIRT体制の整備、複数拠点でのデータバックアップ体制構築等により対応している。
原材料・調達コスト変動
地政学リスク・需給逼迫・環境規制等に起因する原材料価格・物流費・エネルギー価格の高騰や人件費上昇に加え、米国関税政策による部品調達コスト増加が重なり、原価改善や製品価格転嫁で吸収しきれない場合に経営成績・財政状態に悪影響を及ぼす。特定の原材料・取引先への依存が需給変動リスクを高めている。複数調達先の確保・サプライチェーンの可視化・代替技術開発・長期的取引関係の構築等により安定調達体制の構築に努めている。
サプライチェーン分断リスク
地政学リスク・通商政策変更・自然災害・感染症・サイバー攻撃等によりサプライチェーンが分断された場合、安定したコスト・納期・品質での調達維持や商品出荷が困難となり、生産活動・経営成績・財政状態に影響を及ぼす。重要部品の供給制約やドライバー不足による物流制約など不確実性が一層高まっている。2025年4月にCLO・物流本部を設置し統合的な管理体制を構築するとともに、調達先分散・代替調達検討・適正在庫確保を推進している。
品質・リコールリスク
大規模なリコール等が発生した場合、多額の品質関連費用が発生するとともにブランドイメージの毀損により経営成績・財政状態に大きく影響する。電動化等の新技術対応を含む開発最上流から生産・物流・アフターサービスに至る各段階での品質確保が課題となっている。2018年以降の「品質改革」を継続・加速させ、厳格な完成検査体制の維持と不具合発生時の迅速対応を最優先とした業務プロセス改革に取り組んでいる。
人財確保・育成リスク
労働市場のひっ迫・異業種を含む人財獲得競争の激化・労務問題により、電動化・先進安全技術・IT分野等の専門人財の確保が困難となった場合、事業活動や経営に影響を及ぼす可能性がある。人財育成の不十分さや多様性を尊重した職場環境の未整備も事業活動に影響する。渋谷区「SUBARU Lab」の機能拡張によるソフトウェア開発人財の積極採用、CHRO設置、多様性を尊重した人財登用・職場環境整備を推進している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

