事業内容
スズキ株式会社は1909年創業、当社・子会社121社・関連会社37社で構成されるグローバルモビリティグループである。四輪車(軽自動車・小型車・SUV等)、二輪車・バギー、船外機、電動車いすを主力製品とし、国内では軽自動車市場のリーディングカンパニーとして、海外ではインドを最重要市場に据えてMaruti Suzuki India Ltd.を通じた現地生産・販売体制を構築する。
インド・パキスタン・インドネシア等の新興国から欧州・北米まで幅広い地域に販売網を持ち、2026年3月期の連結売上収益は6,292,967百万円に達する。
ビジネスモデル
スズキは「小・少・軽・短・美」の理念に基づく小型・低燃費車の開発・製造を強みとし、インドではMaruti Suzuki India Ltd.を通じた現地生産で高いコスト競争力を実現する。四輪事業が売上収益の約91%を占め、インド市場での圧倒的シェアが収益基盤を支える。
二輪・マリン事業は高い営業利益率(それぞれ9.8%・22.3%)で補完的収益を創出し、グループ全体の収益安定性を高めている。
企業の強み
Maruti Suzuki India Ltd.を通じてインド四輪市場でリーディングカンパニーの地位を確立。2026年3月期の四輪生産台数は3,533千台(前年比+7.2%)に達し、NEXA・ARENA二チャネル体制と全国販売網を活用した販売力を持つ。
インド子会社は約1兆円規模の投資信託運用資産を保有し、自己資金で生産能力増強投資を実施できる財務基盤を有する。
船外機専業のマリン事業は2026年3月期に営業利益率22.3%(売上収益119,456百万円、営業利益26,605百万円)を達成。世界初の量産船外機エンジン部品向けアルマイト処理技術「Suzuki Edge eCoat」を実用化し、製造時CO2排出量を約50%削減しながら製品信頼性を向上。
マイクロプラスチック回収装置の特許34件を無償開放するなど技術的優位性とブランド価値を両立している。
「小・少・軽・短・美」「エネルギー極少化」の技術理念のもと、アルトを100kg軽量化する「Sライトプロジェクト」で80kgの目処付けを完了。1.5GPa級超々ハイテン成形技術の量産化、BEV世界戦略車「e VITARA」の開発・販売開始、スズキ・ダイハツ・トヨタ3社共同開発の軽商用BEV「e エブリイ」投入など、コスト競争力と電動化を両立する技術基盤を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は2022年3月期3,568,380百万円から2026年3月期6,292,967百万円へ5期間で約1.76倍に拡大し増収基調は継続。しかし営業利益は2025年3月期642,851百万円をピークに2026年3月期622,909百万円(△3.1%)へ減少。
外部要因として原材料価格上昇が継続する中、人財・技術への投資拡大が利益を圧迫。営業利益率は11.0%(2025年3月期)から9.9%(2026年3月期)に低下。
親会社帰属当期利益は439,267百万円(+5.6%)と増益を確保したが、これは為替差益等の金融収益改善(金融費用が43,440百万円から29,288百万円に減少)によるもの。2027年3月期会社予想は親会社帰属当期利益380,000百万円(△13.5%)と大幅減益見通しで、収益性の低下局面入りが懸念される。
成長戦略
2030年度売上収益8兆円・営業利益率10%を目指し、インド拡大・電動化・資本効率向上の三本柱で成長
Maruti Suzuki India Ltd.を通じたインドでの生産能力増強投資を継続。GST改定を背景とした市場活性化に対応し、2026年3月期四輪事業売上収益は5,706,420百万円(前期比7.6%増)を達成。
SUV・MPVセグメントの商品力強化とエントリーモデル開発によるシェア維持・拡大を推進。
持続的成長に向けた人財・技術への投資を拡大。エネルギー極少化に向けた技術開発を中心とした成長投資を積極的に実施。2026年3月期は投資拡大が営業利益を圧迫したが、長期的な競争力維持に向けた必要投資と位置づけている。有形固定資産取得支出は377,403百万円。
一般的なROIC経営を参考にスズキの実態に合わせた個々のプロジェクトの投資収益管理と運転資本の適正管理を推進。累進配当の指標としてDOEを新たに採用しDOE水準を3.0%に設定。
2026年3月期ROEは13.8%(中期目標13.0%を超過達成)。2027年3月期年間配当予想51円(DOE3.0%)。
日本で培った成果や知見を成長が続くインド事業にとどまらず、中東・アフリカ・中南米等の新興市場へグローバルに展開。二輪事業ではインド・コロンビアで販売が伸び、2026年3月期二輪事業売上収益454,488百万円(前期比14.2%増)・営業利益44,770百万円(前期比9.7%増)を達成。
最終更新: 2026年7月19日

