事業内容
本田技研工業は1948年設立の総合モビリティカンパニーで、二輪車・四輪車・パワープロダクツの製造販売と金融サービスを世界規模で展開する。連結子会社282社・持分法適用会社64社を含む346社のグループを擁し、売上収益21,796,610百万円(2026年3月期)を誇る。
二輪事業ではアジアを中心にグローバルで年間2,210万台超(Hondaグループ販売台数)を販売し世界トップクラスのシェアを持つ。四輪事業では北米を主力市場にSUV・ミニバン等ライトトラックを中心に展開。
金融サービス事業は販売金融・リースを通じて製品販売を支援し、安定的な収益源を形成している。
ビジネスモデル
製品製造・販売による売上収益に加え、金融子会社群(アメリカンホンダファイナンス等)が小売金融・卸売金融・オペレーティングリースを提供することで製品販売を促進しつつ利息・リース収益を獲得する複合モデルを採用。金融サービス事業の債権残高は9,893,496百万円(前期比約9.5%増)に達し、オペレーティングリース資産も6,433,793百万円と拡大しており、製品事業の変動を補完する安定収益源として機能している。
企業の強み
2026年3月期の二輪事業売上収益は4,018,837百万円(前期比+10.8%)、営業利益731,926百万円(営業利益率約18.2%)を達成。Hondaグループ販売台数は22,101千台と前期比7.2%増加し、インド・ブラジル・フィリピン等の成長市場で販売を拡大。
高い利益率と販売規模を兼ね備えた中核事業として全社収益を支えている。
四輪事業の外部顧客売上収益13,863,362百万円のうち北米が9,213,428百万円と約66%を占める。小売販売台数ベースでライトトラック(SUV・ミニバン等)が57%を構成し、ライトトラックの貢献利益は全カテゴリ平均比約15%高い。
CR-V・PILOT・OD YSSEYなど主力モデルを軸とした北米販売網は競合が短期間で模倣困難な資産である。
金融サービス事業の売上収益は3,529,484百万円、営業利益275,532百万円を計上。金融サービスに係る債権残高(流動・非流動合計)は9,893,496百万円と前期末比約9.5%増加し、オペレーティングリース資産も前期末5,748,187百万円から6,433,793百万円へ拡大。
製品事業の変動局面においても安定的な収益・キャッシュを創出する構造的強みとなっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は21,796,610百万円と前期比+0.5%の微増にとどまり、四輪事業の減少を二輪事業の増加(+10.8%)が一部補った。一方、営業利益は前期1,213,486百万円から△414,346百万円へ急転落。
EV市場環境変化(米国補助金見直し・化石燃料規制緩和・中国競争激化)を背景とした四輪電動化戦略の大規模見直しにより、EV関連損失合計約1.6兆円超を一括計上したことが主因。親会社帰属当期損失は△423,941百万円。
営業CFは1,135,261百万円と前期292,152百万円から大幅改善し、現金及び現金同等物期末残高は5,118,477百万円に増加した。
成長戦略
HEV強化・EV戦略再構築・二輪安定成長・知能化の四本柱で収益回復を目指す
米国・中国でのEV市場環境変化を受け、北米生産予定EVモデルの上市・開発中止を決定。2026年3月期にEV関連損失を大規模に一括処理し、2027年3月期以降の損失剥落による収益回復を図る。後発事象として取引先への追加支出リスクが残存し、金額は現在調査中。
EV戦略見直し後、次世代ハイブリッドシステム「e:HEV」を中心とした商品群強化によりHEV販売を拡大。北米ライトトラック市場での強固な顧客基盤を活用し、収益性の高いHEV販売比率を高めることで四輪事業の利益率改善を目指す。2027年3月期の販売影響+2,667億円がその成果として期待される。
インド・ベトナム・フィリピン等アジア主要市場での販売台数・売価改善を継続。2026年3月期は外部顧客向け売上収益4,018,837百万円・営業利益731,926百万円と高収益を維持。電動二輪車の市場投入本格化により2030年目標(年間400万台・30機種)に向けた取り組みを推進。
金融サービスに係る債権残高(流動・非流動合計)9,893,496百万円、オペレーティングリース資産6,433,793百万円と資産規模を拡大。Honda製品販売と連動した販売金融・リース事業により、製品事業の損益変動を補完する安定収益源として機能させる。
最終更新: 2026年7月19日

