事業内容
エイケン工業株式会社は1969年創業、静岡県御前崎市に本社を置く自動車用補修フィルターの製造・販売を中核事業とする上場メーカー(東証スタンダード市場)。事業はフィルター部門(売上高の約96%)と燃焼機器部門(約4%)の2本柱で構成される。
フィルター部門では自社ブランド「VIC」を冠した補修用オイルフィルター・エアフィルター等を国内外に販売し、燃焼機器部門ではバーナ部品・熱交換器を厨房機器・ボイラ向けに供給する。国内一貫生産体制を維持しつつ、アジアを中心とした輸出市場にも展開。
関連会社フジパック株式会社が荷造包装資材を製造・販売し、グループ全体で2社体制を形成している。
ビジネスモデル
当社は見込生産方式を採用し、自社工場(静岡県御前崎市)で自動車用補修フィルターを一貫製造する。国内では商社・同業者向けに幅広い販路を持ち、最大顧客ユニオンモーター株式会社向けが売上高の45.1%を占める。
輸出では「VIC」ブランドを活用してアジア・中近東等の日本車向け補修市場に販売。生産量増加による固定費吸収効果が利益率改善に直結する構造を持つ。
企業の強み
長年にわたり海外の日本車向け補修市場に「VIC」ブランドで販売を継続。第57期においてアジア向け輸出が増加し、フィルター部門の輸出売上拡大に貢献した。ブランド力を活かした企画立案型営業活動を展開し、主要輸出先以外の新規国開拓にも取り組んでいる。
静岡県御前崎市の本社工場で自動車用フィルターを一貫生産し、多品種小ロット生産に対応できる体制を構築。第57期の設備投資総額は311百万円で、うちフィルター部門に299百万円を投じ、作業効率化・品質向上のための機械設備更新・金型製作を実施した。
第57期末の純資産は6,055百万円、総資産7,782百万円に対する自己資本比率は約77.8%と高水準。資金調達は自己資金充当を基本方針とし、第57期の営業キャッシュ・フローは762百万円を確保。無借金経営に近い財務構造が安定した設備投資・配当の継続を支えている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は2023期6,797百万円を底に2025期8,100百万円まで回復し、営業利益も2023期116百万円から2025期411百万円へ改善した。しかし2026年10月期中間期(2025年11月〜2026年4月)は、中東情勢に起因するホルムズ海峡封鎖による石油化学製品の調達遅延が生産数を計画比で下回らせ、売上高3,889百万円(前年同期比4.4%減)、営業利益102百万円(同58.9%減)と急激に悪化。
生産量減少に伴う固定費負担増で売上原価率が上昇したことが主因。通期予想は売上高8,351百万円(前期比3.1%増)、営業利益408百万円(同0.7%減)と据え置かれているが、後半での大幅な挽回が前提となっており達成の確実性は低下している。
成長戦略
輸出回復・国内高付加価値品シフト・燃焼機器育成・新規事業開拓の4軸戦略
「VIC」ブランドを活かし主要輸出先への新製品提案と主要輸出先以外への販路拡大を推進。2026年10月期中間期はアジア向け輸出が減少し輸出売上高1,838百万円(前年同期比13.9%減)と苦戦しており、石油化学製品の調達正常化が回復の前提条件となる。
大型車用フィルターや既存品と差別化した高性能オイルフィルター、プレス部品の拡販に注力。2026年10月期中間期は国内売上が増加し同業者向け・商社向けが拡大しており、高付加価値品シフトの方向性は一定の成果を示している。
コインランドリー向けバーナの需要増加を取り込みつつ、取引先依頼による新規バーナ開発・熱交換器拡販・新規取引先開拓を推進。2026年10月期中間期は売上166百万円(前年同期比7.7%増)、営業利益14百万円(同35.4%増)と増収増益を達成し、着実に成長している。
ガレージサウナ・灰皿等の新規カテゴリー販売を試行。2026年10月期中間期売上高は1,091千円(前年同期比14.8%増)と微増だが規模は極小。研究開発費削減により営業損失は△1,958千円(前年同期△2,980千円)に縮小しており、コスト管理を優先しながら慎重に育成中。
最終更新: 2026年7月17日

