事業内容
株式会社ムロコーポレーションは1958年創業の自動車部品専業メーカーで、金属関連部品事業(売上高の約88%)を主軸に、樹脂関連部品事業、その他事業(連続ねじ締め機・柑橘類皮むき機等)の3セグメントを展開する。主要製品は電動化部品・パワートレイン部品・操舵制御部品等の精密プレス加工品で、トヨタ自動車をはじめとする複数の日系自動車メーカーに供給する。
国内は栃木・三重の生産拠点を中心に、海外は米国・ベトナム・インドネシア・中国の4拠点を有し、東京証券取引所スタンダード市場に上場している。2026年3月期の連結売上高は23,143百万円。
ビジネスモデル
当社の収益モデルは、精密プレス加工・冷間鍛造等の高難度製造技術を核に、複数の自動車メーカーへ継続的に部品を供給することで安定的な売上を確保する構造である。得意先の生産計画に基づく見込生産方式を採用し、週・旬・月単位の内示情報に対応する。
材料費・労務費・エネルギーコストの価格転嫁を進めながら、自動化・合理化投資によるコスト低減で利益を確保する。海外4拠点を活用したグローバル生産・供給体制が差別化要因となっている。
企業の強み
当社は精密せん断・冷間鍛造等の高難度プレス加工技術を核とし、製品の具現化力と量産化力の高さを競争力の源泉と位置付ける。簡易に量産できる汎用品ではなく、高難度・高付加価値部品に特化することで価格競争を回避し、2026年3月期の金属関連部品事業セグメント利益は2,193百万円を確保した。
1998年の米国オハイオ拠点設立を皮切りに、ベトナム(2005年)、インドネシア(2012年)、中国湖北省(2019年)と段階的に海外生産拠点を構築。国内外合計12子会社・1関連会社体制で、顧客の生産地域に応じた柔軟な供給が可能。
IATF16949等の国際品質認証を各拠点で取得済みであり、グローバル調達要件への対応力を有する。
トヨタ自動車向け売上は3,115百万円(売上高比13.5%)にとどまり、特定顧客への過度な依存を避けた多客先分散戦略を採る。有報では「個社事情による業績変動を和らげる強み」と明記されており、認証不正問題の影響が収束した2026年3月期には売上高が前期比2.5%増の23,143百万円に回復した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2027年3月期1Qの売上高は5,808百万円(前年同期比1.2%増)と小幅増収にとどまり、2026年3月期通期の増収率2.5%からやや鈍化。営業利益は原材料価格上昇・新規品立上げコスト増により143百万円(同50.8%減)と悪化した一方、経常利益・純利益は前年に計上された米国子会社の補助金返還損168百万円の反動剥落により、それぞれ253百万円(同155.4%増)、139百万円(同785.2%増)と大幅増益となった。
総資産は30,028百万円(前期末比261百万円減)、自己資本比率は76.1%と財務基盤は引き続き堅固。通期業績予想(売上24,139百万円、営業利益1,660百万円)は据え置かれているが、1Q時点の進捗は低く下期の巻き返しが焦点となる。
成長戦略
EV対応・樹脂複合部品拡大・コスト競争力強化・海外拠点活用の4軸で事業変革を推進
新規品の流動開始等を通じてEV・電動化関連の新規受注を獲得し、金属関連部品事業の売上を下支え。2027年3月期1Qは同事業売上5,106百万円(前年同期比1.2%増)を確保した。
樹脂関連部品事業で金型売上や新規客先向け樹脂成形品売上が増加し、2027年3月期1Q売上は406百万円(前年同期比5.7%増)と伸長。ただしセグメント利益は△12百万円の損失が継続。
生産体制の見直しと原価低減、海外拠点を含むグループ全体での収益改善に取り組むが、2027年3月期1Qは原材料価格上昇と新規品立上げ工数増加が先行し営業利益は前年同期比50.8%減と、施策効果はまだ十分に顕在化していない。
米国・ベトナム・インドネシア・中国の海外拠点を活用し地域分散型の供給体制を維持する一方、2027年3月期1Qは米国での追加関税影響によりその他事業の海外売上が減少するなど、地政学・通商リスクへの対応が課題として残る。
最終更新: 2026年8月7日

