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カヤバ株式会社

7242東証プライム輸送用機器

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カヤバ株式会社7242

事業内容

カヤバ株式会社(KYB)は1935年創立の油圧機器専業メーカーで、当社及び子会社40社・関連会社7社で構成されるグローバルグループです。主力のAC(オートモーティブコンポーネンツ)事業では四輪・二輪車用油圧緩衝器・電動パワーステアリング機器を、HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業では建設機械向け産業用油圧機器を製造・販売します。

航空機器事業では航空機用離着陸装置・操舵装置等を手掛け、特装車両事業ではコンクリートミキサ車等を展開します。主要顧客はトヨタ自動車をはじめとする国内外の自動車・建設機械メーカーで、欧米・アジアに広範な生産・販売拠点を有します。

2026年3月期の連結売上高は481,529百万円に達しています。

ビジネスモデル

主力のAC・HC両事業は自動車・建設機械メーカーへの見込み生産によるOEM供給が収益の根幹です。AC事業では欧米・アジアの現地生産拠点でOEM製品を製造し、KYB Europe GmbH等の販売子会社を通じて市販・アフターマーケット向けにも展開します。

HC事業は建設機械メーカー向けポンプ・バルブ・シリンダ等を国内外で製造・販売します。知多鋼業の完全子会社化によるサプライチェーン内製化でコスト競争力を強化しつつ、高付加価値の電子制御製品や計測ソリューション等の「コト売り」で収益構造の高度化を進めています。

企業の強み

欧米・アジアに複数の生産拠点(チェコ・スペイン・米国・タイ・中国・ベトナム・インドネシア等)を有し、トヨタ自動車グループ向け販売実績50,427百万円(売上高比10.5%)を筆頭に、国内外の主要自動車・建設機械メーカーへの安定的な供給体制を構築しています。1959年の東証上場以来、60年超にわたり蓄積した顧客関係が参入障壁を形成しています。

創業以来培った油圧技術・振動制御技術・パワー制御技術に電子制御技術を融合したコア技術を保有します。2026年3月期の研究開発費は8,087百万円で、比例ソレノイドバルブ内蔵の減衰力調整式ショックアブソーバの量産開始、電子制御サスペンションシステム「ActRide®」の量産開始、電動オイルポンプの2027年量産予定など、具体的な製品化実績が技術力を裏付けています。

2025年5月に知多鋼業株式会社を完全子会社化し、部品・素材の内製化によるサプライチェーン強靭化と原価低減を実現しました。同取得に伴う負ののれん発生益の計上が2026年3月期の営業利益を押し上げ、連結売上高への寄与とともにAC事業の生産実績は前期比15.6%増の353,124百万円に拡大しています。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は営業利益34,932百万円と2023年3月期の32,547百万円を上回る過去最高水準を記録したが、2027年3月期予想は売上高489,000百万円・営業利益24,000百万円(前期比△31.3%)と大幅な減益見通しを示している。外部要因として円高進行や通商リスク(関税)が業績の逆風となる可能性があり、2026年3月期の好業績が持続するかどうかは不透明感が強い。

AC事業が全社業績を牽引する一方、HC事業は建設機械市場の需要変動の影響を受けやすく、収益性の安定性に課題が残る。欧米向け建設機械輸出の堅調推移は外部要因として追い風となっているが、電動化・自動化対応製品の早期市場投入と生産体制最適化による自社固有の収益改善が、全社利益率の持続的向上に不可欠と判断される。

KYB India Private Limitedの設立や知多鋼業の完全子会社化など、中長期の成長に向けた構造的施策は着実に進展している。ただし、2027年3月期の業績予想(売上高489,000百万円・親会社帰属当期利益16,000百万円)は2026年3月期実績から大幅に落ち込む見通しであり、これらの施策が短期業績に貢献するまでの時間軸と、為替・関税等の外部環境変化への耐性が投資判断上の重要な確認事項となる。

成長戦略

インド・電動化・HC事業再構築の三本柱で収益性回復と持続成長を目指す

KYB India Private Limitedを設立し、インド市場でのショックアブソーバ生産・販売体制を構築。OEM供給と市販ビジネスの双方で成長を狙い、アジア新興市場での収益基盤を確立する。

知多鋼業株式会社の完全子会社化により、原材料調達の内製化・原価低減・市販市場強化を同時に実現。サプライチェーンの垂直統合による競争力強化と収益性改善を図る。

電動パワーステアリングの中国・グローバル市場拡販、HC事業における電動化・自動化対応新製品の早期市場投入を推進。建設機械の無人化・省エネ化トレンドへの対応で中長期の成長機会を取り込む。

コスト競争力のある拠点への生産移管とポンプ・バルブの製品ラインナップ拡充により、HC事業の収益性を改善する。欧米向け建設機械輸出の堅調推移を取り込みながら、構造的な利益率向上を目指す。

最終更新: 2026年7月19日