事業内容
NOK株式会社は1939年創業のシール製品・電子部品メーカーで、99社(子会社83社・関連会社15社)からなるグループを形成する。主力のシール事業ではオイルシール・Oリング・防振ゴム等を自動車・産業機械向けに国内外で製造・販売し、電子部品事業ではメクテック㈱を中心にフレキシブルサーキット等を電子・精密機器向けに供給する。
需要先は国内外の自動車、一般産業機械、電子・精密機器等多岐にわたり、アジアを中心に広範なグローバル生産・販売ネットワークを有する。2026年10月にはイーグル工業㈱との共同持株会社「NOK Group株式会社」設立による経営統合を予定している。
ビジネスモデル
NOKグループは、積み重ねた基礎研究に基づく製品開発と高品質での大量・安定生産を強みとして、顧客の生産計画内示に基づく見込み生産方式を採用する。シール事業(売上高367,397百万円)と電子部品事業(売上高345,109百万円)の二本柱で収益を確保し、価格転嫁交渉・原価低減・生産体制最適化を通じて利益率の向上を図る。
株主還元は累進配当と自己株式取得を組み合わせ、前中期経営計画期間(2023〜2025年度)に総額830億円の還元を実施した。
企業の強み
1960年の資本提携を起点に、ドイツのフロイデンベルグ社とオイルシール・Oリング等の共同開発契約(2017年更新)および米国合弁「フロイデンベルグNOKジェネラルパートナーシップ」(1989年設立)を維持する。60年超の提携実績が技術力・グローバル販売網の基盤となっている。
国内28社・海外30社超の生産拠点を持ち、タイ・中国・ベトナム・台湾等アジア全域をカバーする。2026年4月には国内生産子会社18社を再編し5社の地域子会社を新設するなど、生産体制の効率化を継続的に推進している。
2026年3月期の研究開発費は10,349百万円。シール事業ではEV・FCV・水素関連シール・低フリクション技術、電子部品事業では車載バッテリー向けFPC・高周波FPC・ヒューマノイドロボット向け製品など、既存領域を超えた新市場向け技術開発を継続している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2025年3月期766,859百万円から2026年3月期738,434百万円へ3.7%減収。電子部品事業の為替影響・実販売減少(前期比7.0%減)とその他事業のロール製品事業譲渡(前期比21.8%減)が主因。
営業利益も37,264百万円から32,990百万円へ11.5%減益となり、営業利益率は4.9%→4.5%に低下。一方、外部要因として為替差益4,072百万円の発生・持分法投資利益9,482百万円の増加により経常利益は3.7%増の49,835百万円を確保。
特別利益として投資有価証券売却益36,169百万円を計上した結果、親会社株主帰属当期純利益は46,338百万円(前期比52.8%増)と大幅増益。2027年3月期は売上高756,600百万円(前期比2.5%増)・営業利益35,000百万円(前期比6.1%増)を予想しており、シール事業の拡大と電子部品事業の為替押し上げ効果が牽引役となる見込み。
成長戦略
EV・非日系顧客・データセンター向け拡販とイーグル工業との経営統合で次の成長軸を構築
中国における非日系(EV・新エネルギー車)顧客向け拡販を推進。2026年3月期のシール事業は日系自動車の国内生産台数減少を非日系向け販売増加で補い増収増益を達成。2027年3月期も継続的な拡販を見込む。
スマートフォン・HDD向け需要増加を取り込みつつ、歩留まり改善・原価低減による変動費良化で収益性を回復させる方針。2026年3月期は大幅減益となり、2027年3月期も減益予想と回復は道半ば。
2026年1月にシンジーテック㈱ほか7社の全株式を譲渡し、ロール製品事業から撤退完了。投資有価証券売却益36,169百万円を計上し、シール・電子部品の2本柱への集中体制を確立した。
持分法適用会社であるイーグル工業㈱と2026年10月1日付で株式移転による共同持株会社を設立予定。シール製品領域での製品ラインアップ拡充・顧客基盤の相互活用・グローバル展開加速を目指す。持株会社の業績予想は改めて発表予定。
原材料費・人件費等のコスト上昇を売価転嫁で吸収する価格改定活動を継続推進。2026年3月期のシール事業では変動費良化と価格改定の組み合わせで営業利益率7.6%を維持。2027年3月期も賃上げによる固定費増加を価格改定で対応する方針。
最終更新: 2026年7月19日

