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曙ブレーキ工業株式会社

7238東証プライム輸送用機器

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曙ブレーキ工業株式会社7238

事業内容

曙ブレーキ工業は1929年創業のブレーキ専業メーカーで、ディスクブレーキ・ドラムブレーキ・摩擦材を中心に、産業機械・鉄道車両用ブレーキも手掛ける。国内4製造子会社を擁する日本セグメントを中核に、北米(米国・メキシコ)、欧州(スロバキア)、中国(蘇州・広州)、タイ、インドネシア(ベトナム含む)の6極グローバル体制を構築。

主要顧客は日系・欧米・中国系完成車メーカーで、補修品・鉄道車両用製品も展開。2026年3月期の連結売上高は160,109百万円。

コア技術として「摩擦と振動の制御・解析」を掲げ、EV対応・環境規制対応製品の開発も推進している。

ビジネスモデル

完成車メーカーから車種ごとに受注を獲得し、各地域の製造拠点で生産・納入する受注製造型モデルが基本。原材料価格・エネルギーコストの上昇分は販売価格への転嫁交渉で収益を確保する。

補修品・鉄道車両用製品は完成車メーカー依存度を下げる収益源として機能。研究開発費は年間1,661百万円(改良関連費用4,832百万円を別途計上)を投じ、次世代製品の競争力を維持している。

企業の強み

日本・北米・欧州・中国・タイ・インドネシアの6地域に製造拠点を持ち、各地域で現地完結型の開発・生産を展開。スロバキア工場での欧州完成車メーカー向け供給、メキシコ工場での北米新型車受注立ち上げなど、顧客の生産地に密着した供給体制が受注獲得の基盤となっている。

「摩擦と振動の制御・解析」をコア技術として、銅フリー摩擦材・ブレーキ摩耗粉塵抑制・電動パーキングブレーキ・アルミ合金製対向型キャリパーなど環境・EV対応製品を開発。2016年・2024年に日本機械学会賞(技術)を受賞しており、技術力の外部評価実績がある。

自動車用補修品および鉄道車両用ブレーキ製品は、完成車メーカーの生産量変動に左右されにくい需要特性を持つ。2026年3月期において日本セグメントの受注増加に貢献し、中期経営計画でも「即効性のある拡販」の主軸として位置付けられている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は中期経営計画1年目の目標(営業利益40,000百万円、FCF9,000百万円)を大幅に上回り、営業利益5,567百万円・FCF24,000百万円を達成した。ただし北米は営業損失3,182百万円が継続し、欧州は売上高が前期比28.0%減の8,611百万円まで縮小。

2027年3月期予想では北米の営業損益ゼロを目標とするが、米国1工場化に伴う売上減少(前期比18%減)を伴う構造転換であり、実現可否が全社収益改善の鍵を握る。

2027年3月期の連結業績予想は売上高140,900百万円(前期比12.0%減)、営業利益7,000百万円(同25.7%増)と、売上減少下での利益拡大を見込む。北米1工場化・中国広州工場の持分比率変更による売上減少を、人員適正化・固定費削減・資材調達改善で吸収する計画。

前提為替レートは1ドル=155円・1ユーロ=175円であり、外部環境として円安が利益押し上げ要因(為替換算影響+30,000百万円)となっている。地政学リスク(中東情勢・関税)は業績予想に未織り込みであり、下振れリスクとして留意が必要。

東証プライム市場の流通株式比率上場維持基準(35%以上)に現時点で不適合であり、東証より2030年3月末までの特例適用が認められている。JISファンドが大株主として残存する間は基準適合が困難な構造であり、企業価値向上・IR強化による株価上昇と流通株式比率改善が求められる。

また個別貸借対照表では繰越利益剰余金が△8,036百万円と依然として債務超過に近い水準にあり、財務健全化の道のりは長い。

成長戦略

中計「基盤再構築」3年間で全地域黒字化・営業利益80,000百万円を目指す

米国エリザベスタウン工場閉鎖による1工場体制確立で人員適正化・固定費削減を実施。2027年3月期に営業損益ゼロを目標とし、2026年3月期の営業損失3,182百万円からの脱却を図る。メキシコ拠点での新型車向け受注増加も収益改善に寄与する見込み。

原材料価格・エネルギーコストの販売価格への転嫁、資材調達改善、生産性向上を推進。2026年3月期の日本セグメント営業利益は4,510百万円(前期比68.3%増)と大幅改善し、中計1年目目標を超過達成。2027年3月期も継続して取り組む。

鉄道車両用製品および自動車用補修品の受注増加を推進。2026年3月期の日本セグメントで補修品・鉄道車両用製品の受注増加が売上・利益に貢献。2027年3月期予想でも産業機械・鉄道車両用製品の増加を見込む一方、既存製品の欧州生産移管と一部車種生産終了による受注減少が課題。

2029年3月期〜2031年3月期を「再成長」期間と位置づけ、過去最高益(2007年度営業利益152,000百万円水準)の再達成を目指す。高収益事業を中心とした事業拡大に加え、新技術・新商品・新市場への挑戦に向けた準備を現中計期間中に実施する。

最終更新: 2026年7月19日