事業内容
株式会社カネミツは1947年創業、1961年に独自開発の回転成形法による鋼板製プーリの一体成形に成功して以来、技術開発型経営を貫く自動車部品専業メーカーである。主力製品の鋼板製プーリはエンジンのウォーターポンプ・クランクシャフト・オルタネータ等に装着され、国内自動車会社および主要部品会社(アイシン等)へ供給する。
プーリで培った塑性加工技術をトランスミッション部品・xEV部品・EPS部品・ロボット部品へ応用展開し、日本・東南アジア(タイ・インドネシア)・中国の3極体制でアジア全域に供給する。連結売上高は11,039百万円(2026年3月期)。
ビジネスモデル
回転成形法・プレス特殊工法による鋼板立体造形技術を核に、軽量・高精度・低コストな部品を設計から製造まで一貫して手掛ける。国内3工場(三木・加西・長崎)と海外3子会社(タイ・インドネシア・中国)の6拠点体制で製造し、自動車メーカーおよびTier1部品メーカーへ直接販売する。
運転資金・設備投資は主として自己資金で賄い、有利子負債残高は364百万円と財務規律を維持しながら継続的な設備投資と研究開発(2026年3月期研究開発費219百万円)を実施する。
企業の強み
1961年に独自開発した回転成形法で鋼板製プーリの一体成形に成功し、以来60年超にわたり技術を深耕。加西・長崎・タイの三極研究開発体制(テクニカルセンター・リサーチセンター・タイランドテクニカルセンター)を整備し、2026年3月期の研究開発費は219百万円を投じている。
この技術蓄積は競合が短期間で模倣困難な固有の参入障壁を形成している。
2026年3月期末の自己資本比率は77.2%、有利子負債(借入金・リース債務含む)残高は364百万円と極めて低水準。純資産は12,723百万円に達し、営業キャッシュフローは2,116百万円を創出。
設備投資・研究開発を自己資金で賄いながら現金及び現金同等物3,651百万円を保有する財務健全性は、事業環境の変動に対する高い耐性を示している。
最大顧客の株式会社アイシンへの販売実績は2026年3月期に2,119百万円(総販売実績の19.2%)と前期比増加。国内受注残高661百万円(前期比98.9%)を維持しており、主要自動車部品メーカーとの継続的な取引関係が安定した売上基盤を形成している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期8,762百万円→2024期11,091百万円と急拡大後、2025期11,117百万円・2026期11,039百万円と横ばい圏で推移。一方、営業利益は2022期201百万円→2026期879百万円と5期で4.4倍に拡大し、営業利益率は2.3%→8.0%へ大幅改善。
2026年3月期はタイ国内自動車・中国日系自動車の販売低迷という外部逆風があったものの、中国でのプーリ外製品受注伸長・国内トランスミッション部品拡大・生産性改善による売上原価率低下(77.5%→75.7%)が寄与。親会社株主帰属純利益は742百万円(前期比+37.4%)と大幅増益。
前期に計上した損害賠償損失引当金繰入額140百万円の消滅も純利益押し上げに寄与した。
成長戦略
プーリ・トランスミッション・xEV・モーターコアの4本柱で電動化時代に対応
国内セグメントの主力製品として2026年3月期売上高3,189百万円(前期3,152百万円、+1.2%増)と堅調に拡大。国内セグメント営業利益665百万円(前期比+12.0%)の主要貢献源となっており、既存顧客への深耕と新規受注獲得を継続している。
電動化対応の中核施策として、独自塑性加工技術を応用したxEV向け部品の開発・拡販を推進。2026年3月期は国内でのxEV部品需要拡大による受注増加が売上に貢献したと経営陣が言及。自動車市場の電動車市場拡大という外部環境を追い風に、次世代収益源として育成中。
4本柱の一つとして位置づけるモーターコア事業は、電動化加速という市場環境を背景に育成段階にある。塑性加工技術の応用領域として開発を継続しているが、現時点でセグメント情報上の独立した数値開示はなく、その他製品カテゴリー(2026年3月期3,085百万円)に含まれる。
中国セグメントは日系自動車の販売低迷という外部逆風の中、プーリ外製品(その他カテゴリー)の受注伸長により売上822百万円(前期比△5.0%)にとどめ、営業利益54百万円(前期比+315.8%)と大幅増益を達成。収益ミックス改善と生産性向上の組み合わせで収益性が急回復した。
最終更新: 2026年7月19日

