米国関税・地政学リスク
米国の関税政策や中東情勢に起因するエネルギー価格の激しい変動・世界的なサプライチェーンの混乱が事業環境を大きく変化させている。製造・物流コストの大幅な上昇や需要変動が業績に直結するリスクがある。当社グループは可能な限り正確な予測と必要な対策を行っているが、先行きを見通すことが非常に困難な状況にある。
自動車市場の構造変革リスク
CASE・SDV・AIの技術革新によりカーシェアリング・ライドシェアリング・ロボタクシーが普及し、従来の「ハードウェアとしてのクルマを製造・販売する」ビジネスモデルが大きく変革する可能性がある。自動車の付加価値の中心がハードウェア性能からソフトウェアによるサービス・体験提供へ移行することで、当社の従来の強みであるハードウェア開発・量産ノウハウの付加価値が低下する可能性がある。また新技術開発競争の激化により開発費負担・車両コストが増大し、業績・財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
為替レート変動リスク
当社グループは世界13市場で生産・約160市場で販売を行っており、連結財務諸表を円建てで表示するため、円高は業績に悪影響を及ぼす。生産現地化や外貨建て購入等の対策を講じているが、為替リスクを完全に排除することは不可能であり、想定を超えた変動が生じた場合には業績・財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
流動性・格付引き下げリスク
国内外の格付機関によって当社の長期信用無担保格付が既に引き下げられており、さらなる格付引き下げによりリクイディティ・リスクが増加する可能性がある。当社グループはコミットメントライン・手元資金の維持や金融債権の流動化等で対応しているが、市場環境に予期せぬ大規模な変化が発生した場合や追加的な格付引き下げにより、当初計画どおりの資金調達に支障をきたす可能性がある。
主要サプライヤー破綻リスク
主要サプライヤーであるマレリホールディングス株式会社は2022年6月に民事再生手続を申し立て、2025年6月には米国デラウェア州連邦破産裁判所にて連邦破産法第11条の手続きを開始した。同社からの供給停止・遅延・不足が生じた場合、当社グループの操業停止・生産遅延・減少、財務的負担の増加やコスト上昇が生じる可能性があり、業績・財務状況に大きな負の影響を及ぼす可能性がある。
電動化・気候変動規制リスク
各国での温室ガス排出規制強化・カーボンニュートラルへの移行が加速しており、対応が遅れた場合には業績・財務状況に影響を及ぼす可能性がある。当社グループは2050年カーボンニュートラル実現を宣言し「ニッサン・グリーンプログラム2030(NGP2030)」を策定、2030年までに主要地域の新車1台当たりCO2排出量を2018年比50%削減する目標を掲げている。しかし社会全体の気候変動対策が想定を超えて進展・後退した場合、移行リスク・物理的リスクへの対応コスト増と販売台数減少が財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
製品品質・リコールリスク
新技術採用により後に製造物責任・製品リコールなど予期せぬ品質問題が発生する可能性があり、自動運転技術の普及に伴い製造者側の責任がより問われるようになることも想定される。大規模リコールが発生した場合には多額のコストが発生するだけでなく、ブランドイメージの低下を招き業績・財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。製造物責任については一定限度額まで保険に加入しているが、全ての損害が保険でカバーされるとは限らない。
コンプライアンス・ガバナンスリスク
2017年の完成検査不適切取扱い、2018〜2019年の元代表取締役による不正行為、2024年3月の公正取引委員会からの下請代金支払遅延等防止法に基づく勧告など、過去に重大なコンプライアンス問題が発生している。再発防止策を継続実施しているが、全従業員・役員のあらゆる行動にかかわるため案件の完全防止は困難であり、重大なコンプライアンス違反が再発した場合には社会的信用・ブランド・製品への信頼が失われ、業績に極めて大きな影響を与える可能性がある。
サイバー攻撃・情報システムリスク
当社グループのほぼ全業務が情報システムに依存しており、巧妙化するサイバー攻撃・コンピュータウイルス感染等の人為的脅威が急激に高まっている。想定を超えるサイバー攻撃が発生した場合、システムダウンによる業務停止・重要データの消失・機密情報や個人情報の漏えい・サプライチェーンへの影響が生じる可能性がある。当社グループはBCP策定・システム老朽化更新・サイバーセキュリティ対策強化等を実施しているが、リスクを完全に排除することは困難である。
半導体・希少金属調達リスク
電動化の拡大・新技術導入に伴いリチウム・コバルト・ニッケル等の希少金属の使用が増加しており、産出量の少なさや特定国・地域への産出集中、突然の輸出規制等により需給バランスの急激な変動・価格高騰・供給ひっ迫のリスクにさらされている。世界的な半導体供給ひっ迫も生産計画に大きな影響を与えうる。当社グループはBCPレベル向上・代替サプライヤー検討・サプライチェーン全体での在庫確保・半導体サプライヤーとの長期供給契約等に取り組んでいるが、予期せぬ市況変化により安定調達が困難となる可能性がある。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

