事業内容
株式会社富山第一銀行は1944年創業、1989年に普通銀行へ転換した富山県を主要地盤とする地域金融機関。本店ほか65店舗で預金・貸出・為替・有価証券売買等の銀行業務を展開するほか、リース業(富山ファースト・リース)、クレジット・保証業務(富山ファースト・ディーシー)、貸付業務(富山ファイナンス)、投資事業組合運営(ファーストバンク・キャピタルパートナーズ)の連結子会社5社を擁する総合金融グループ。
2016年東証一部上場、2022年プライム市場移行。主要顧客は北陸地区の事業者および個人。
ビジネスモデル
預金(期末残高1,437,719百万円)を主要調達源とし、貸出金(連結1,033,018百万円)と有価証券(556,039百万円)で運用する伝統的な預貸・預証モデルが収益の根幹。資金運用利回り1.79%・資金調達利回り0.26%の利鞘で資金利益を確保しつつ、投資信託販売手数料(880百万円)等の役務収益で非金利収益を補完。
グループ各社との連携でリース・保証・投資事業組合収益も積み上げる。
企業の強み
単体コア業務純益は2026年3月期に11,867百万円と4年連続で過去最高を更新。コアOHR(経費率)は51.65%と前年度比4.27ポイント低下し、長期ビジョン「VISION10」の1st STAGE目標60%未満を大幅に達成。
賃上げによる人件費増を物件費削減で吸収し、収益性と効率性を同時に改善している。
バーゼルⅢ最終化によりリスクアセットが大幅増加した局面でも、積極的な自己資本積み上げにより単体自己資本比率は前年度末比0.25ポイント上昇し11.96%を確保。連結自己資本比率は12.30%。不良債権保全率は86.20%(前年度比0.94ポイント上昇)と高水準を維持し、資産健全性も良好。
単体投資信託残高は73,651百万円と前年度末比15,799百万円増加。役務取引等収益のうち投資信託業務収益は880百万円(前年度811百万円)と拡大。
新NISAを活用した金融セミナー開催やアフターフォロー一貫サポートの取り組みが残高増加として数値に表れており、非金利収益基盤の着実な構築が確認できる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
経常収益は2022年3月期28,351百万円から2026年3月期53,147百万円へ5期で87%増加し、2026年3月期は前期比9.6%増と成長が継続した。親会社株主帰属純利益は15,055百万円(前期比+12.7%)と過去最高を更新。
外部要因として日銀の段階的な政策金利引き上げが貸出金利息(12,362百万円、前期比+2,090百万円)と有価証券利息配当金(14,490百万円、同+1,600百万円)を押し上げた。一方、預金利息は3,578百万円(同+2,408百万円)と急増し資金調達費用全体は3,763百万円(同+2,505百万円)に拡大。
2027年3月期は経常利益18,000百万円・純利益13,000百万円と減益転換を予想しており、成長の踊り場局面に入る可能性がある。
成長戦略
金利上昇・資産形成需要を取り込みつつ、人的資本・DX投資で次期成長基盤を構築
事業者向け融資拡大と住宅ローン増加により単体貸出金残高は1,059,728百万円(前年比+35,747百万円)に拡大。政策金利引き上げに伴う利回り上昇(1.23%)とボリューム拡大の両面から貸出金利息の増加を見込む。2027年3月期も残高増加方針を継続。
債券・株式・為替市場の動向を踏まえたポートフォリオ見直しを継続し、利息配当金の増加と含み益の実現益計上を両立。単体有価証券残高は533,091百万円(前年比+65,300百万円)に拡大。2027年3月期も積極的な実現益計上方針を維持。
新NISAの活用を含む個人資産形成支援により単体投資信託残高は73,651百万円(前年比+15,799百万円)に拡大。役務取引等収益は2,848百万円(前期比+206百万円)と増加基調。専門人材の投入によりコンサルティング収益の一段の強化を図る。
賃上げによる人件費増加(単体6,069百万円、前年比+180百万円)に加え、将来の基幹系システム更新に向けた検討・準備費用と生成AI活用を成長投資と位置付けて積極的に推進。2027年3月期の費用増加要因として織り込み済み。
配当性向35%以上の方針に基づき2026年3月期年間84円(前期比+50円)の大幅増配を実施。2027年3月期は75円を予定。最大55億円の自己株取得(上限2,000,000株)と1,309,700株の消却を2026年5月に決議し、資本効率向上と企業価値向上を図る。
最終更新: 2026年7月19日

