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株式会社九州フィナンシャルグループ

7180東証プライム銀行業

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株式会社九州フィナンシャルグループ7180

事業内容

株式会社九州フィナンシャルグループは、2015年10月に肥後銀行と鹿児島銀行の共同株式移転により設立された銀行持株会社。熊本県・鹿児島県・宮崎県を主要営業エリアとし、連結子会社25社を擁する。

銀行業(預金・貸出・有価証券投資・信託等)を中核に、リース業(法人向け設備リース・貸付)、証券業(九州FG証券)、クレジットカード・信用保証・DXソリューション・ECモール事業等を展開。TSMC熊本進出を契機とした半導体関連産業の集積が進む中・南九州において、地域価値共創グループとして金融・非金融の両面から地域経済を支える総合的な事業基盤を有する。

ビジネスモデル

主収益源は肥後銀行・鹿児島銀行の資金運用収支(2026年3月期:113,345百万円)と役務取引等収支(同:17,925百万円)。日銀利上げを背景に貸出金利回りが上昇し、預貸金利鞘が拡大。

銀行・証券・信託の「銀・証・信」連携によるコンサルティング営業でNISA・相続・資産承継ニーズを取り込み、役務収益を積み上げる。リース・証券・ECモール等の子会社がグループ内クロスセルを補完し、収益の多様化を図る構造。

企業の強み

肥後銀行の「電子デバイス関連産業プロジェクトチーム」を中心に、2022年4月から2026年3月までの半導体関連産業向け融資累計は約3,788億円に達し、サプライチェーン参入支援企業数は29社。製造業向け貸出金残高は524,903百万円(前期末比+66,030百万円)と急増しており、地域密着の営業網と専門チーム体制が競合他社との差別化要因となっている。

九州FG証券の預り資産残高は484,103百万円(前期比+100,369百万円増)と急拡大。信託業務契約件数は2025年度に2,833件(前年度比+845件)と全国地銀トップクラス。

肥後銀行・鹿児島銀行と証券・信託が連携したワンストップ体制が顧客の資産形成・承継ニーズを取り込み、役務収益の安定的な積み上げに貢献している。

総預金等(譲渡性預金含む)は10,811,025百万円(前期末比+231,613百万円)と安定的に拡大。貸出金残高は9,244,296百万円(前期末比+201,835百万円)。

中・南九州3県にまたがる広域営業網と長年の地域密着営業が厚い顧客基盤を形成しており、資金調達コストの低位安定(預金利回り0.20%)を支えている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の資金利益は113,345百万円(前期比+9,627百万円)と大幅増加し、貸出金利息は連結で106,462百万円(前期比+20,794百万円)と急伸した。外部要因として日銀の利上げ(政策金利0.75%程度)が追い風となっているが、同時に預金利息も21,115百万円(前期比+14,828百万円)と急増しており、調達コスト上昇が利鞘を圧縮するリスクがある。

2行合算の総資金利鞘は0.25%(前期比+0.04%)と改善しているが、今後の日銀追加利上げ局面での利鞘動向と営業経費(連結84,899百万円、前期比+5,315百万円)の増加ペースの綱引きが収益の持続性を左右する。

鹿児島銀行単体の金融再生法開示債権比率は2.02%(2026年3月末)と肥後銀行の1.24%を大きく上回り、要管理債権は47,016百万円(前期末比+5,891百万円)と増加傾向にある。貸出条件緩和債権が47,016百万円と要管理債権のほぼ全額を占める構造は、景気悪化局面での信用コスト増加リスクを内包する。

2026年3月期の連結貸倒引当金繰入額は4,396百万円(前期比+2,809百万円)と増加しており、与信費用の動向は今後の利益水準を左右する重要な監視指標である。

2027年3月期の連結業績予想は経常利益65,000百万円(前期比+20.8%)、親会社株主帰属純利益45,000百万円(前期比+19.4%)と高い成長率を見込む。年間配当は38円(前期比+9円)と増配を予定し、配当性向は36.3%に上昇する見通し。

2026年3月期には10,000百万円の自己株式取得を実施し、自己資本当期純利益率は5.1%(前期4.2%)に改善した。ただし1株当たり純資産1,796円60銭に対してPBRが依然1倍を下回る水準にあるとみられ、資本効率の継続的な改善と株主還元の強化が市場評価向上の鍵となる。

成長戦略

半導体関連融資・資産運用・非金融DX・資本効率改善の4軸で地域価値共創グループへ進化

熊本県を中心とするTSMC進出に伴う半導体関連産業の設備投資需要を取り込み、肥後銀行の製造業向け貸出金残高は2026年3月期末に336,547百万円(前期末比+55,574百万円)と大幅拡大。法人向け貸出金全体でも2行合算で43,128億円(前期末比+1,934億円)に増加し、地域経済の成長を融資で支える戦略が着実に進捗している。

九州FG証券の預り資産残高は484,103百万円(前期比+100,369百万円)と急拡大。2行合算の預り資産(個人)も1,396,409百万円(前期比+49,575百万円)に増加し、個人年金保険等の販売累計額は1,203,341百万円に達した。

役務取引等収益は連結で30,004百万円(前期比+1,609百万円)と着実に拡大しており、フィービジネスの多様化が進んでいる。

ECモール「よかもーる」やスマートフォンアプリ「Hugmeg」等の非金融プラットフォーム事業を展開。連結子会社数は前期比3社増の25社に拡大し、事業基盤の多様化を推進。

「その他」セグメントの経常収益は14,932百万円(前期比+1,762百万円増)、セグメント利益は1,961百万円(前期比+544百万円増)と成長しているが、グループ全体収益への貢献は依然限定的であり、収益化の加速が課題。

2026年3月期に10,000百万円の自己株式取得を実施し、自己資本当期純利益率は5.1%(前期4.2%)に改善。年間配当は29円(前期21円)に増配し、配当性向33.1%。

2027年3月期は年間配当38円(うち普通配当38円)を予定し、配当性向36.3%を見込む。創立10周年記念配当(各1円)を含む増配を通じて株主還元を強化しており、PBR1倍超回復に向けた資本政策の継続が課題。

最終更新: 2026年7月19日