事業内容
東京都・神奈川県北東部を主要営業エリアとする持株会社型金融グループ。中核のきらぼし銀行(旧東京都民銀行・八千代銀行・新銀行東京の合併行)と、2022年1月開業のデジタルバンクUI銀行の2銀行体制を軸に、リース・証券・コンサルティング・フィンテック等を手掛ける連結子会社20社・関連会社3社で構成される。
主要顧客は首都圏の中小企業と個人(特にシニア・富裕層)であり、「金融にも強い総合サービス業」を将来像に掲げ、グループ総合力による課題解決型ビジネスモデルへの転換を推進している。
ビジネスモデル
資金利益(貸出金利息・有価証券利息)が収益の大宗を占め、2026年3月期の資金運用収益は113,347百万円に達する。これに加え、役務取引等収益28,826百万円(前期比45億円超増)、信託報酬、証券手数料、ファンド収益等のフィービジネスを拡大中。
きらぼし銀行がコーディネーターとなり、グループ各社の機能(証券・キャピタル・コンサル等)を組み合わせた総合ソリューションを提供することで、アセットを増やさず手数料収益を積み上げる「アセット回転型」モデルへの移行を進めている。
企業の強み
東京都・神奈川県北東部を地盤に、きらぼし銀行の支店網と全13支社体制(2025年8月完成)を有する。貸出金残高は5,277,513百万円(前期末比297,300百万円増)、預金残高は6,185,446百万円と首都圏地銀トップクラスの規模を誇り、長年の取引で蓄積した中小企業・個人顧客との深いリレーションが競合他社が短期間で模倣困難な固有資産となっている。
2022年1月開業のUI銀行はローン残高2,686億円、預金残高805,988百万円まで急拡大し、2026年3月期に黒字化を達成。関西電力との「CQ BANK」、在留外国人向け「KYODAI Bank」等BaaS基盤を活用した外部連携サービスを相次ぎ展開し、既存銀行では取り込めない顧客層・収益源を開拓している。
2025年7月には法人預金取扱も開始し、資金調達基盤の多様化が進む。
きらぼしライフデザイン証券の預かり資産残高は475,494百万円(前期比185,424百万円増)、信託財産残高は179,201百万円(前期比33,684百万円増)と急拡大。きらぼしキャピタルのファンドEXIT等によるファンド収益拡大、KCPエクイティアシスト1号等の連結化も進み、融資・出資・証券・信託・コンサルを組み合わせた複合ソリューション提供体制が他の地域金融機関との差別化要因となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の連結経常収益は199,262百万円(前期比+23.8%)、経常利益は60,478百万円(同+45.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益は42,357百万円(同+35.0%)と、いずれも過去最高を更新した。外部要因として政策金利引き上げが貸出金利回りを押し上げ(1.47%→1.70%)、貸出金利息は86,061百万円(前期比+14,572百万円)と大幅増。
一方で預金利息も21,670百万円(前期比+14,926百万円)と急増した。株式等関係損益26,144百万円(前期比+16,141百万円)も大きく寄与した。
包括利益は57,552百万円(前期比+398.6%)と急拡大し、純資産は423,440百万円(前期末比+52,124百万円)に増加した。2027年3月期は経常利益58,600百万円(前期比△3.1%)、純利益40,000百万円(同△5.5%)と減益予想であり、株式等関係損益の剥落や調達コスト上昇が主因とみられる。
成長戦略
収益力強化・効率化・自己資本充実の3本柱で中期経営計画を推進、資本政策の刷新も実施
中小企業向けメイン化取引の深耕とリレーション強化により、きらぼし銀行の貸出金残高は5,014,524百万円(前期末比+61,507百万円)に拡大。貸出金利回りも1.70%(前期比+0.22%pt)に上昇し、顧客向けサービス業務利益は270億円(前期比+10億円)を達成した。
UI銀行は2026年3月期に経常利益133百万円と黒字転換を達成。住宅ローン・投資用不動産ローンの取扱開始によりローン残高は2,686億円に拡大し、法人預金取扱開始(2025年7月)で預金基盤も多様化。
ローン実行増加によるフィー獲得・貸出金利息積み上げ・粘着性の高い普通預金獲得による収支改善を継続する。
グループ会社利益(きらぼし銀行除く)は34.2億円(前期比+19.5億円)と年度計画30億円を超過達成。デジタル事業が黒字化し、きらぼしライフデザイン証券の預かり資産残高は475,494百万円(前期比+185,424百万円)に急拡大。
各社連携による複合ソリューション提供でグループシナジーの更なる発揮を目指す。
第1回第一種優先株式(三井住友信託銀行保有)の普通株式への転換(5,498,532株)および第二種優先株式の金銭対価取得・消却を2026年5月8日取締役会で決議。普通株式1株につき8株の株式分割も実施予定。
優先株式払込額55,000百万円の資本構造を解消し、普通株主への利益還元強化と株式流動性向上を図る。
2025年度はヘッジオペレーション損益・株式売却益を活用し10年超債券の売却を実施、同年限の残高をゼロとした。円債デュレーションは2.1年(前期3.4年)に短縮し、金利感応度(10bp上昇時)は円債△5億円・外債△3億円に抑制。
2026年度も短期債中心のポートフォリオ運営を継続しつつ、金利上昇終了局面での長期債投資余力を確保する方針。
最終更新: 2026年7月19日

