不動産小口化商品の税制改正リスク
令和8年度税制改正大綱(2025年12月19日公表)により、2027年1月1日より不動産小口化商品の相続税・贈与税評価が実際の取引価格ベースに改正される可能性があり、従来の税務メリットが大幅に減少または消滅する恐れがある。2025年9月期の国内不動産ファンド事業の売上高95,988百万円・売上総利益10,076百万円の大部分を不動産小口化商品が占めており、投資家需要が大きく減少した場合の業績影響は甚大である。当社は税制改正の内容を慎重に見極めつつ販売を継続するとともに、投資運用商品としての価値向上に向けた取組方針を柔軟に検討するとしている。
オペレーティング・リース事業収支悪化リスク
為替変動(円高)、賃借人(海運・航空・リース会社)によるリース料不払い、リース期間終了時のリース物件売却価額の下落という3つの要因により、投資家に帰属するオペレーティング・リース事業の損益が当初想定より悪化し、投資家の投資意欲減退・出資金販売額減少を通じて当社の手数料収益が減少する可能性がある。当社は信用力の高い大手海運・航空・リース会社を賃借人として選定し、残価保証会社による残価保証の活用やリマーケティング能力の向上により対応している。
商品出資金・信託受益権の評価損リスク
当社グループは案件組成時に匿名組合出資持分(商品出資金)や金銭の信託(組成用航空機)、海外不動産向け任意組合出資持分を一時的に貸借対照表上に計上するが、投資家への譲渡完了前にリース物件価値の下落・賃借人信用悪化・円高進行等が生じた場合、これらの資産価値が低下し評価損を計上する可能性がある。特に急激な円高局面では、組成時為替レートを基礎に決定した円建て譲渡価格が割高となり、販売計画の遅延や最終的に投資家が見つからないリスクも存在する。当社は短期間での投資家への譲渡が可能な案件組成に努めることで保有期間の短縮を図っている。
組成用不動産の評価損・譲渡遅延リスク
国内不動産ファンド事業において、不動産小口化商品組成のために取得した不動産・不動産信託受益権(組成用不動産)は、経済環境の急変・自然災害・テナント退去等により当初想定どおりに譲渡できない場合、評価損計上等を通じて業績に影響を与える可能性がある。同様に海外不動産ファンド事業においても、任意組合出資持分の立替取得分(商品出資金)が為替変動や不動産市況悪化により評価損リスクにさらされる。当社は優良物件の厳選と取得後短期間での譲渡を方針として対応している。
資金調達・財務制限条項リスク
当社グループは案件組成資金・運転資金を金融機関借入・社債・コマーシャル・ペーパーで調達しており、コミットメントライン契約・当座貸越契約(大半が契約期間概ね1年)を活用しているが、世界経済悪化等により個別借入やコミットメントライン更新が困難になった場合、適時の資金調達ができなくなる可能性がある。また、財務制限条項に抵触した場合には期限の利益を喪失し一括返済を求められる可能性があり、事業運営に重大な影響が生じうる。当社は資金調達方法の多様化と流動性管理により対応している。
航空・海運業界への集中リスク
リースファンド事業のリース物件は航空機・海上輸送用コンテナ・船舶に限定されており、航空業界・海運業界の設備投資動向や業績が案件組成動向に直接影響する。両業界の業績悪化は賃借人への信頼度低下やリース物件売却価額の下落を招き、投資家の投資意欲減退・出資金販売額減少を通じて当社収益が減少する可能性がある。当社は信用力の高い大手企業を賃借人として選定することでリスク軽減を図っているが、業種集中リスクは構造的に残存する。
金融商品取引業等の登録・免許取消リスク
当社グループは第二種金融商品取引業・第一種金融商品取引業・投資運用業・宅地建物取引業・不動産特定共同事業・信託業・航空運送事業等の多数の登録・許可・免許を取得して事業を遂行しており、何らかの事由により業務停止命令や登録・許可・免許の取消等の行政処分を受けた場合、事業継続に重大な影響が生じる。また、連結子会社FPG証券は自己資本規制比率120%以上の維持が義務付けられており、これを下回った場合にも業務停止等の処分を受けるリスクがある。当社は役職員へのコンプライアンス教育の定期実施等により法令遵守を徹底している。
情報システム・サイバーセキュリティリスク
当社グループが保有する個人情報・機密情報が外部に漏洩した場合、行政処分・損害賠償・信用力低下等により業績に影響を与える可能性がある。また、災害・サイバー攻撃等の外的要因や人為的要因による情報システム障害が発生した場合、重要業務・サービスの停止や機密情報の盗取・漏洩を引き起こし、事業継続に支障をきたす可能性がある。当社は不正アクセス・ウイルス感染防御、バックアップシステム確保等の対策を講じているが、完全な防止は保証されない。
代表取締役社長への依存リスク
創業者である代表取締役社長・谷村尚永氏は事業推進の中心的役割を担うとともに、資産管理会社HTホールディングス株式会社と合わせて発行済株式総数の31.62%を保有する大株主でもある。同氏に不測の事態が発生した場合、円滑な事業推進に支障が生じる可能性がある。当社は取締役会・社内会議での情報共有強化や経営組織の強化を通じ、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めている。
連結範囲変更に伴う会計リスク
当社はオペレーティング・リース事業のSPC(匿名組合営業者)、任意組合、海外不動産投資ビークルを連結範囲から除外しているが、新たな会計基準・実務指針の設定や当社グループの関与状況の変化により、連結範囲の決定方針に大きな変更が生じる可能性がある。連結範囲に含めることとなった場合、リース事業の損益・資産・負債が個別財務諸表にも計上される可能性があり、財務諸表の内容が大きく変動しうる。当社は会計基準等に照らし関与状況を継続的に検討することで対応している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月28日

