株式会社クラシコム logo

株式会社クラシコム

7110東証グロース小売業

株式会社クラシコム logo
株式会社クラシコム7110

事業内容

株式会社クラシコムは「フィットする暮らし、つくろう」をミッションに掲げ、「北欧、暮らしの道具店」を主軸とするライフカルチャープラットフォーム事業を展開する。2007年に北欧ヴィンテージ食器のECサイトとして創業し、現在はアパレル・キッチン・インテリア雑貨等を扱うD2Cドメインと、ナショナルブランド向けブランディング支援を行うブランドソリューションドメインの二軸で収益を得る。

連結子会社foufouはファッションD2Cブランドを展開。主要顧客は暮らしを自分らしく豊かにしたいと考える全年代の消費者であり、エイジレスな卒業のないブランドを標榜する。

2022年8月に東京証券取引所グロース市場に上場。

ビジネスモデル

記事・動画・ラジオ等の多様なコンテンツを毎日発信するコンテンツパブリッシャーとしての活動がユーザーのエンゲージメントを醸成し、SNS・アプリ・メルマガ等のOwnedチャネルを通じて購買へ転換する。D2Cドメインでは自社ECサイトのみで販売し、定価消化率約98%・商品回転率7.9回の高効率オペレーションを実現。

ブランドソリューションドメインでは蓄積したブランド力と企画制作能力を活用し、BRAND NOTE等のコンテンツ型広告メニューをナショナルブランドに提供する。広告宣伝費は主にアプリダウンロード訴求広告に集中投下し、短期での投資回収を確認している。

企業の強み

初購入から3年LTVが1年LTVの約2倍に達する長期伸長型の収益構造を持つ。コンテンツによるリテンションが再購入を促すため、広告宣伝費や販売促進費を抑制しながら顧客基盤を拡大できる。2025年7月期の売上総利益率は44.9%を達成した。

2025年7月末時点のエンゲージメントアカウント数は996万人(前期比26.8%増)、累積会員数78万人(前期比15.0%増)、年間購入者数24万人(前期比19.1%増)。アプリ累計ダウンロード数は約497万件に達し、アプリ経由の注文数は全体の約73%を占める。

2025年7月期末の自己資本比率は84.4%、現金及び現金同等物は4,728百万円。商品回転率7.9回・定価消化率約98%を実現し、無借入経営に近い財務構造を維持。設備投資額は11百万円と極めて軽量なアセットライト経営を実践している。

エンヴァリスの着眼点

2026年7月期第3四半期累計(9か月)の売上高7,958百万円は通期予想10,200百万円の78.0%進捗、営業利益1,340百万円は通期予想1,453百万円の92.2%進捗。会社側も「計画どおり順調」と表明し通期予想を据え置いた。

第4四半期(5月〜7月)は例年夏物需要期にあたり、残余進捗率から見ても通期達成の蓋然性は高い。増配(48円→55円)も業績自信の表れと解釈できる。

前期(2025年7月期)は売上高22.7%増に対し営業利益が0.6%増にとどまり利益率が圧迫されたが、当期3Q累計では売上高22.7%増に対し営業利益53.9%増、EBITDAは50.5%増と利益成長が売上成長を大幅に上回る。売上総利益率も前年同期の44.8%から45.3%へ改善。

広告インハウス化による費用効率化が利益レバレッジとして顕在化しており、収益構造の質的改善が確認できる。外部環境として実質賃金の改善基調は追い風だが、実質消費支出の前年比減少が続く点は注視が必要。

foufouの3Q累計売上高は292百万円(前年同期比66.8%増)、EBITDAは12百万円と前年同期の△8百万円から黒字転換。ただしセグメント利益は△4百万円と依然赤字であり、のれん残高156百万円(2026年4月末)の償却負担が続く。

旗艦店(千駄ヶ谷)の固定費負担も加わる中、グループ全体の利益貢献には至っていない。「北欧、暮らしの道具店」セグメントへの収益依存度が高い構造は変わらず、foufouの本格的な利益貢献時期の見極めが投資判断上の重要ポイントとなる。

成長戦略

マーケティング投資とインハウス化・新カテゴリ開発・foufou育成で連結売上高100億円規模を目指す

外部代理店依存から自社スタッフによる広告素材制作・運用へ移行。代理店手数料の圧縮分を広告投資に再配分し、世界観一貫性の高い広告配信で精度向上を図る。アプリダウンロード数が2四半期連続で四半期過去最高を更新しており、効果が数値に表れている。

コスメカテゴリは「北欧、暮らしの道具店」商品売上の約5%を占め、スキンケアシリーズへのオリジナル保湿クリーム追加等で継続的に売上伸長中。著名ブランドとのコラボ(ARABIA Pomona復刻等)も既存カテゴリの規模拡大と新規顧客獲得に寄与。

オリジナルドラマ『ひとりごとエプロン』が国内FOD・Prime Video・U-NEXTでの見放題配信を開始し、韓国でもテレビ放送・デジタル配信が始動。動画配信サービスを新たなエンゲージメントチャネルとして活用し、ユーザーとの接点拡大と中長期的な顧客基盤強化を図る。

2025年11月の千駄ヶ谷旗艦店オープンによりリアルチャネルが本格稼働。需要予測に基づく攻めの在庫準備体制整備とInstagramフォロワー伸長でオンラインも強化。3Q累計でEBITDA黒字転換を達成したが、セグメント利益はまだ赤字であり、グループ利益貢献に向けた継続的な収益改善が課題。

最終更新: 2026年7月17日