事業内容
日本車輌製造は1896年創業の総合インフラ製造企業で、東海旅客鉄道を親会社に持つ。鉄道車両(新幹線・通勤電車等)、建設機械(杭打機・全回転チュービング装置等)、輸送用機器・鉄構(タンクローリ・橋梁等)、エンジニアリング(鉄道用機械設備・営農プラント等)の4事業を展開する。
主要顧客はJR東海・JR西日本・東京都交通局・名古屋鉄道等の鉄道事業者のほか、建設・製鉄・農業・製紙業界に及ぶ。売上高99,971百万円のうち鉄道車両事業が約49%を占め、受注残高199,387百万円を背景に中長期的な売上基盤を確保している。
ビジネスモデル
鉄道車両・建設機械・橋梁等の受注生産品を主力とし、顧客仕様に応じた設計・製造・納入を通じて収益を得る。受注から納入まで長期間を要する案件が多く、受注残高が将来売上の可視性を高める構造。
親会社JR東海グループのCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を活用した資金調達体制を整備し、財務安定性を確保している。
企業の強み
2026年3月期の鉄道車両事業受注高は前期比77.4%増の88,383百万円、受注残高は前期比38.7%増の142,618百万円に達し、全社受注残高199,387百万円の71.5%を占める。N700S新幹線・315系電車等の実績を持つ幅広い車種対応力が大型受注獲得を支えている。
建設機械事業のセグメント利益率は17.9%(売上高22,040百万円、セグメント利益3,947百万円)と全セグメント中最高水準。杭打機・全回転チュービング装置等の製造・開発ノウハウを長年蓄積しており、国内都市再開発需要を背景に安定した高収益を維持している。
東海旅客鉄道向け売上高は30,160百万円(全社売上高の30.2%)と安定的な取引関係を維持。2008年の資本業務提携以降、親会社グループのCMSへの参画による資金調達の機動性確保や工場資産の賃貸借契約による事業継続性も担保されている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期の88,058百万円を底に2期連続増収となり、2026年3月期は99,971百万円(前期比3.8%増)を達成した。利益面では営業利益が6,935百万円(2025年3月期)から11,615百万円(2026年3月期)へと67.5%増加し、営業利益率は7.2%から11.6%へと大幅改善した。
売上原価の減少(81,648百万円→80,392百万円)と売上増加の組み合わせにより売上総利益が14,691百万円から19,579百万円へと拡大したことが主因。鉄道車両事業・輸送用機器鉄構事業・エンジニアリング事業の利益増加が寄与した。
自己資本当期純利益率は10.1%から15.9%へと上昇し、収益性の改善が鮮明となった。2027年3月期は中東情勢の不透明感を踏まえ営業利益8,800百万円(前期比24.2%減)と保守的な予想を開示している。
成長戦略
「日車変革2030」のもと収益力強化・事業基盤改革・ビジネスモデル変革の3本柱を推進
JR東海向けN700S・315系に加え、公営・民営鉄道向け車両の受注を積み上げ、受注残高142,618百万円(前期比38.7%増)を確保。セグメント利益は4,589百万円(前期2,734百万円)へと大幅改善し、中核事業の収益力強化が進んでいる。
鉄道事業者向け機械設備の売上増加(前期比13.8%増の7,452百万円)を主因に、セグメント利益が前期△831百万円から1,105百万円へと黒字転換を達成。受注高7,836百万円(前期6,622百万円)の積み上げにより次期以降の売上基盤も強化されている。
長期借入金の返済を継続し自己資本比率を53.9%(前期49.3%)へ改善。2026年3月期の年間配当は45円(前期35円から10円増配)とし、2027年3月期は50円を予定。業績好調を踏まえた期末配当の5円増額(予想比)も実施しており、株主還元姿勢が強化されている。
最終更新: 2026年7月19日

