人材確保・育成リスク
保育所の新規開設には保育士・栄養士・看護師等の有資格者確保が不可欠だが、施設拡大ペースに人材確保が追いつかないリスクがある。加えて、必要人材の人件費が上昇した場合に補助金等で十分に手当てされない場合、業績に悪影響を及ぼす可能性がある。年間を通じた全国規模の採用活動や研修制度の充実により対応しているが、保育士不足は業界全体の構造的課題である。
国・自治体の政策変更リスク
当社グループの収益は国・自治体の待機児童解消政策に基づく補助金に大きく依存しており、政策方針の改訂により補助金削減や株式会社による保育所開設が認められなくなる場合、業績に重大な影響を及ぼす可能性がある。児童福祉法・子ども・子育て支援法等の関係法令の制定・改廃や行政解釈の変更も同様のリスクとなる。監督官庁は厚生労働省・都道府県・市区町村と多岐にわたり、政策変更の影響範囲は広い。
少子化・待機児童減少リスク
主要事業である子ども・子育て支援事業の業績は児童数の動向に直結しており、少子化の急速な進行や待機児童の解消による市場縮小が業績に影響を及ぼす可能性がある。保育需要は人口動態に規定されるため、長期的な市場縮小リスクは構造的かつ不可逆的な性質を持つ。当社グループは新規事業への取り組みも進めているが、現状は子ども・子育て支援事業への依存度が高い。
認可取消し・許認可リスク
運営する保育施設はすべて児童福祉法に基づく許認可を受けており、関係法令違反や給付費請求の不正、改善命令への不服従等が取消事由となる。許認可が取り消された場合、当該施設の運営継続が不可能となり業績に重大な影響を及ぼす可能性がある。本書提出日現在において取消事由は発生していないが、コンプライアンス体制の維持が継続的な課題となる。
資金調達・財務制限条項リスク
保育所の新規開設設備資金を金融機関借入等で調達しており、有利子負債比率は前連結会計年度34.7%、当連結会計年度29.2%と高水準で推移している。金利の急激な変動や金融情勢の変化により計画どおりの資金調達ができない場合、新規開設計画に支障をきたす可能性がある。また、一部金融機関との契約に財務制限条項が付されており、抵触した場合には一括返済が必要となり財政状態・業績に重大な影響を及ぼす可能性がある。
新規開設に伴う収益性低下リスク
新規保育所は開設当初に3歳〜5歳児等が定員に満たず、児童年齢の持ち上がりとともに満定員に近づく傾向があるため、開設初年度から数年間は収益性が低く営業損益の悪化要因となる。また、剰余金処分方式による補助金会計処理を採用しているため、開設後数年間は減価償却費の計上を通じて営業損益がさらに悪化する傾向がある。積極的な新規開設方針を継続する限り、この影響は当面大きくなることが想定される。
保育所における事故発生リスク
保育所運営において食材・衛生管理や児童の安全確保に努めているが、食の安全問題やその他事故が発生した場合、自治体からの事業停止命令や訴訟提起、風評被害による利用者減少を通じて業績に影響を及ぼす可能性がある。保育施設は多数の児童を預かる性質上、一件の事故が社会的信用の大幅な毀損につながるリスクがある。厳正な管理体制を整備しているが、完全な事故防止は困難である。
共同創業者への依存リスク
代表取締役社長西尾義隆と取締役副社長中山隆志は保育業界・不動産業界の知見を持つ共同創業者であり、経営方針・戦略立案において重要な役割を担っている。両名はそれぞれ資産管理会社を含め発行済株式総数の各24.6%を保有しており、いずれかまたは双方が業務執行を継続できなくなった場合、業績に影響を及ぼす可能性がある。また、両名による保有株式の市場売却が行われた場合や売却可能性が生じた場合には、株価に影響を及ぼす可能性がある。
認可保育所の開設用不動産確保リスク
認可保育所の開設には不動産所有者からの賃借と自治体の許認可取得が必要であり、不動産関連事業者との関係に障害が生じた場合や最適物件の情報を適時取得できない場合、新規開設数が減少し業績に影響を及ぼす可能性がある。また、近隣住民等からの反対運動が起きた場合には開園遅延や開園断念により新規開設数が減少するリスクもある。不動産関連事業者との関係構築や地域説明会の開催等で対応しているが、外部要因による影響を完全には排除できない。
自然災害・感染症リスク
首都圏を中心に保育所等を運営しており、地震・火災等の発生により施設・利用者・従業員が被害を受けた場合、施設運営が困難となり財政状態・業績に影響を及ぼす可能性がある。新型コロナウイルスや新型インフルエンザ、ノロウイルス等の感染症が流行した場合、保育士・スタッフの多数欠勤により施設運営が困難となるリスクもある。定期的な消毒実施等の感染症対策を講じているが、大規模な自然災害や感染症流行への対応には限界がある。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月28日

