事業内容
内海造船は1944年創業の中堅造船メーカーで、広島県の瀬戸田工場・因島工場の2拠点体制を持つ。新造船事業では一般貨物船・自動車運搬船などの外航船に加え、フェリー・RORO船・輸送艦など内航・官公庁向けまで多彩な船種を手掛ける。
修繕船事業も一体運営し、売上高の約99%を船舶事業が占める。連結子会社の内海エンジニアリングが土木建設・ホテル・施設管理等の非船舶事業を担う。
主要顧客は防衛装備庁、商船三井、フジトランスコーポレーション等の国内大手船主・官公庁に加え、外航船主にも販売実績を持つ。
ビジネスモデル
造船業界の商慣習に従い、建造工程の進捗に応じた分割払いで代金を受領する工事進行基準を採用。営業から設計・調達・現業までを一貫管理することでコスト競争力を高め、2工場での同型船連続建造により生産効率を最大化する。
修繕船事業を組み合わせることで工場稼働の平準化を図り、受注残高を積み上げることで中期的な売上基盤を確保する構造となっている。
企業の強み
2026年3月期末の船舶事業受注残高は134,345百万円(前期比33.7%増)、新造船25隻分に相当する。当期受注高も80,345百万円(前期比67.4%増)と大幅増加しており、複数年にわたる売上基盤が既に確保されている。造船業界の3年以上先納期という商慣習のもと、収益の視認性は相対的に高い。
瀬戸田工場・因島工場の2拠点を活用し、同型船の連続建造による習熟効果と段取り削減を実現している。2026年3月期は新造船17隻を引き渡し(前期比4隻増)、LNG燃料フェリーや輸送艦など新分野を含む9隻を完工。
設備投資1,151百万円を両工場の生産性向上設備に充当し、建造能力の継続的拡大を図っている。
中小型フェリー・RORO船・外航貨物船・自動車運搬船・輸送艦と幅広い船種の建造実績を有し、防衛装備庁・大手内航船主・外航船主と顧客層が分散している。2026年3月期の上位顧客合計は総販売高の60〜70%を占め、大口顧客との継続的な取引関係が確認できる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期33,035百万円から2024年3月期46,383百万円まで急拡大後、2025年3月期に44,648百万円へ一時減少したが、2026年3月期は47,016百万円と過去最高水準を更新した。営業利益は2025年3月期に1,415百万円まで落ち込んだ後、2026年3月期は3,075百万円と前期比117.3%増のV字回復を達成。
外部要因として円安傾向が採算改善に寄与した一方、自社要因として改造船完工・生産性向上・工事損失引当金の大幅減少(1,237百万円→0百万円)が利益押し上げに貢献した。2027年3月期は会社予想で営業利益1,600百万円と再び減益を見込んでおり、高採算案件の剥落と資機材コスト上昇が逆風となる見通し。
成長戦略
高付加価値船建造・設備投資・2工場体制強化で持続的成長と受注競争力の維持を目指す
中長期的に政府補助金を活用した設備投資を実施し、建造能力の拡大を図る方針を明示。当期の固定資産取得支出は1,235百万円(前期1,210百万円)と継続的に投資を実施しており、建設仮勘定も83百万円から248百万円に増加している。
環境規制強化を背景に、LNG燃料フェリー・輸送船等の新分野船種の建造実績を積み上げる戦略。当期はLNG燃料船を含む9隻を引き渡し、新分野への対応実績を確立。受注においてもRORO船・輸送艦を中心に80,345百万円(前期比67.4%増)を受注した。
瀬戸田・因島2工場での同型船連続建造による効率的生産と、全社的な資機材費削減・諸経費削減を継続推進。当期は生産性向上と諸経費削減が増益に直接貢献し、営業利益率を3.2%から6.5%へ改善させた。短期的な収益確保の主軸施策として機能している。
最終更新: 2026年7月19日

