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7013・東証プライム・機械

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株式会社IHI7013

資源・エネルギー・環境

IHIの中核事業。原動機・カーボンソリューション・原子力を軸に安定キャッシュを創出

期間今期前期増減率
売上収益(セグメント計、四半期)88,208百万円(2027年3月期第1四半期)70,202百万円(2026年3月期第1四半期)↑
セグメント利益(四半期)2,834百万円(2027年3月期第1四半期)△3,368百万円(2026年3月期第1四半期)↑
受注高(四半期)79,900百万円(2027年3月期第1四半期)143,100百万円(2026年3月期第1四半期)↓

事業詳細

陸用原動機プラント・舶用原動機を中心とした原動機事業、ボイラ・貯蔵設備等のカーボンソリューション事業、原子力機器事業の3本柱で構成される。国内外の発電・エネルギーインフラ向けに製造・販売・EPC・ライフサイクルサービスを提供。エネルギー安全保障の高まりと脱炭素化の潮流を背景に、アンモニアバリューチェーン構築など次世代エネルギー分野への展開も進める。IHIグループの「中核事業」と位置付けられ、安定的なキャッシュ創出源として機能する。

直近の概況

受注高は44.2%減も売上増・営業損益は黒字転換

2027年3月期第1四半期の受注高は799億円(前年同期比44.2%減)と減少した一方、売上収益は882億円(同25.2%増)に伸長。セグメント利益は28億円となり、前年同期の34億円の損失から黒字転換した。国内カーボンソリューション・原動機事業等のライフサイクルビジネス拡大が採算改善に寄与した。

主要プロダクト

product
原動機(陸用原動機プラント・舶用原動機)

国内外の発電所や船舶向けに原動機プラントを製造・販売。ライフサイクルビジネス拡大を通じて安定的な収益を確保している。

product
カーボンソリューション(ボイラ・貯蔵設備)

ボイラや貯蔵設備の製造・販売に加え、国内カーボンソリューション事業のライフサイクルビジネス拡大が当四半期の増益に寄与した。

product
原子力機器

原子力エネルギーへの需要再燃を背景に、再稼働・保守関連の需要拡大を見込む分野。

service
アジア拠点EPCサービス

新興国での大型発電所プロジェクトの受注・進捗を担う海外拠点サービス。

成長ドライバー

  • エネルギー安全保障意識の高まりによる原動機・発電設備需要の拡大
  • 東南アジアを中心とした新興国での大型発電所プロジェクトの受注・進捗
  • カーボンソリューションのライフサイクルビジネス(LCB)の中長期的拡大
  • アンモニアガスタービン等の脱炭素技術の実用化に向けた開発進展
  • 原子力エネルギーへの注目再燃による原子力機器需要の回復期待

リスク

  • カーボンソリューションLCB案件の端境期による一時的な減収リスク
  • 海外連結子会社(カーボンソリューション海外子会社等)の採算悪化リスク
  • 原動機事業のエンジン試運転記録に係る不適切行為に関連した品質事案対応コスト・信頼回復リスク
  • 地政学的リスクや米国政策変更に伴うエネルギー市場の不確実性
  • 資材価格・人件費高騰による工事採算悪化リスク
  • 受注高の四半期変動性(当第1四半期は前年同期比44.2%減)

社会基盤

橋梁・水門等を主力とする国内インフラ整備の中核事業セグメント。

期間今期前期増減率
受注高(四半期累計)16,100百万円22,400百万円↓
売上収益(外部顧客・四半期累計)20,377百万円28,375百万円↓
セグメント利益又は損失(四半期累計)△1,807百万円△1,797百万円↓

事業詳細

橋梁・水門、交通システム、シールドシステム、コンクリート建材等を手掛ける事業セグメント。都市開発は報告セグメントを社会基盤からその他へ変更済み。国土強靭化計画や老朽インフラの維持・修繕需要を主な市場とし、国内公共インフラ向けを中心に事業を展開。主な関係会社はIHIインフラシステム、IHIインフラ建設、Terratec Limitedなど国内外に展開。安定収益事業として位置づけられ、ライフサイクルビジネス拡大による効率的かつ安定的なキャッシュ創出が求められている。

直近の概況

受注・売上ともに前年同期比大幅減、損失も継続。

2027年3月期第1四半期の受注高は161億円(前年同期比28.1%減)、売上収益は204億円(前年同期比30.0%減)となった。セグメント損益は18億円の損失で、前年同期の17億円の損失からやや悪化した。会社全体としては安定収益事業として資源・エネルギー・環境、産業システム・汎用機械とともにライフサイクルビジネス拡大による効率的・安定的なキャッシュ創出への取り組みが継続されているが、社会基盤単独では受注・売上の縮小と損失計上が続いている状況。

主要プロダクト

product
橋梁・水門

国土強靭化計画や老朽インフラの維持・修繕需要を主な市場とし、橋梁・水門の新設・更新・保守を国内公共インフラ向けに提供。

product
交通システム

除雪装置を含む交通システム事業。過去に不適切行為が確認され、対応コストと信頼回復が課題となっている。

product
シールドシステム

都市部インフラ整備等で使用されるシールドシステムの製造・提供を行う。

product
コンクリート建材

橋梁・水門等の関連インフラ整備に付随するコンクリート建材の提供を行う。

成長ドライバー

  • 国土強靭化計画の継続推進による橋梁・水門の維持・修繕・更新需要の拡大
  • 予防保全型インフラメンテナンスへの転換加速によるライフサイクルビジネスの拡大機会
  • IHIインフラシステムとIHIインフラ建設の統合による競争力強化とグローバル展開
  • 省人化・自動化・DX推進による生産性向上と受注競争力の改善

リスク

  • 建設分野の深刻な人手不足と時間外労働上限規制による工期・採算への影響
  • コンクリート建材・交通システム等の事業譲渡・移管に伴う売上収益の構造的な減少
  • 交通システム事業(除雪装置)における不適切行為対応コストと信頼回復の遅れリスク
  • 資材価格・人件費の高騰常態化による工事採算の悪化
  • 橋梁・水門等の大型案件における工事進捗の端境期による売上・利益の変動リスク
  • 受注・売上の前年同期比大幅減少とセグメント損失の継続によるキャッシュ創出力低下リスク

産業システム・汎用機械

車両過給機・回転機械・物流システム等を展開するキャッシュ創出セグメント。

期間今期前期増減率
売上収益(四半期、2027年3月期第1四半期)99,687百万円101,732百万円↓
セグメント利益(四半期、2027年3月期第1四半期)5,577百万円305百万円↑
セグメント利益率(四半期)5.6%0.3%↑
受注高(四半期、2027年3月期第1四半期)118,100百万円112,700百万円↑

事業詳細

車両過給機、パーキング、回転機械(圧縮機・分離装置・舶用過給機)、熱・表面処理、物流・産業システム(物流システム・産業機械)等の製造・販売・サービスを提供する。国内外の産業顧客を対象に多様な製品群を持ち、IHIグループの安定収益事業として効率的かつ安定的なキャッシュ創出を担う位置づけ。カーボンニュートラルへの対応や省人化ニーズを背景に、中長期的な市場成長が見込まれる事業への経営資源集中を進めている。2026年5月には物流・産業システム事業を担う子会社ILMの株式譲渡契約を豊田自動織機と締結し、事業ポートフォリオ改革を継続している。

直近の概況

車両過給機の採算改善で営業利益急増、ILM株式譲渡契約を締結。

当第1四半期のセグメント利益は前年同期305百万円から5,577百万円へ大幅増加し、車両過給機事業の採算改善が主因となった。売上収益は99,687百万円(前年同期101,732百万円、△2.0%)とやや減少したが、受注高は118,100百万円(前年同期112,700百万円、+4.8%)と伸長した。また、2026年5月8日、物流・産業システム事業を担う株式会社IHI物流産業システム(ILM)について、株式会社豊田自動織機へ株式を譲渡する契約を締結し、当第1四半期より売却目的保有に分類された処分グループ(資産18,005百万円、負債16,476百万円)に分類。2027年4月に80%を譲渡、残り20%は約5年継続保有後に譲渡予定。

主要プロダクト

product
車両過給機

国内外の自動車メーカーを主要顧客とし、アジア・北米市場を含む需要動向やコスト構造改善により、当第1四半期は採算が改善し、セグメント利益率向上の主要因となった。

product
回転機械(圧縮機・分離装置・舶用過給機)

圧縮機、分離装置、舶用過給機等の製造・販売に加え、ライフサイクルビジネスとしてのアフターサービス拡大に取り組む。

product
パーキング(機械式駐車装置)

既設ストックの保守・更新需要を取り込みつつ、機械式駐車場事業の規模拡大を進めている。

service
熱・表面処理

カーボンニュートラル対応ニーズを背景に、アフターサービスの拡大機会が見込まれる。

product
物流・産業システム(物流システム・産業機械)

物流・産業システム事業を担う株式会社IHI物流産業システム(ILM)について、2026年5月8日に豊田自動織機への株式譲渡契約を締結。当第1四半期より売却目的保有に分類された処分グループに分類され、2027年4月に80%の株式を譲渡予定、残り20%は当社が概ね5年継続保有後に譲渡予定。

成長ドライバー

  • 車両過給機事業の採算改善(アジア・北米市場含む需要動向とコスト構造改善)
  • パーキング事業の収益改善(機械式駐車装置の保守・更新需要)
  • 物流自動化・省人化ニーズの高まりによる物流・産業システム事業の拡大機会(ただしILM譲渡後は範囲縮小)
  • 住友重機械搬送システムの機械式駐車場事業承継による規模拡大
  • カーボンニュートラル対応ニーズを背景とした熱・表面処理・回転機械のアフターサービス拡大
  • 事業ポートフォリオ改革による収益性の高い事業への経営資源集中

リスク

  • EV化進展による車両過給機需要の中長期的縮小リスク(特に欧州市場)
  • 中国・欧州の景気減速および国際サプライチェーン変化による市況不透明感
  • 資材価格・人件費高騰の常態化による原価上昇圧力
  • ILM株式譲渡(物流・産業システム事業)に伴うセグメント売上・資産規模の縮小リスク
  • 機械式駐車装置事業における独占禁止法違反認定に伴うレピュテーションリスクおよびコンプライアンス対応コスト
  • 事業ポートフォリオ再編に伴う一時的な収益構造の変動リスク

航空・宇宙・防衛

IHIの成長牽引セグメント。民間航空エンジン・防衛・宇宙の三本柱で構成。

期間今期前期増減率
売上収益(セグメント間含む)154,760百万円127,918百万円↑
外部顧客への売上収益154,157百万円127,137百万円↑
セグメント利益29,199百万円27,972百万円↑
セグメント利益率18.9%21.9%↓

事業詳細

航空エンジン(民間向け小型~大型クラスのベストセラーエンジン開発・量産・アフターマーケット整備)、ロケットシステム・宇宙利用(衛星コンステレーション含む)、防衛機器システムの3事業で構成。主要顧客は(一財)日本航空機エンジン協会。中長期の方向性に基づき「成長事業」と位置付けられ、グループ全体の収益を牽引する中核セグメント。当第1四半期セグメント売上収益(セグメント間含む)154,760百万円は報告セグメント計366,349百万円の42.2%を占め、前年同期比21.0%増と大幅拡大した。

直近の概況

売上収益21.0%増・利益4.4%増と成長続くが、子会社がJAXAから処分。

当第1四半期は民間向け航空エンジンのスペアパーツ販売が堅調に伸長し、売上収益は前年同期比21.0%増の154,760百万円、セグメント利益は同4.4%増の29,199百万円となった。一方、2026年6月2日、連結子会社の株式会社IHIエアロスペースがJAXAとの機材装置保全業務契約において事実と異なる報告に基づく費用請求が確認されたことを理由に、5か月間の競争参加資格停止処分を受けた。会社はコンプライアンス意識の再徹底や組織風土改革に取り組むとしており、業績への影響が判明した場合は速やかに見通しに反映する方針。

主要プロダクト

product
民間向け航空エンジン(スペアパーツ・アフターマーケット整備)

世界的な航空機需要増加を背景に、スペアパーツ販売が堅調に伸長。アフターマーケットでの事業拡大を目指し、高品質なサービスを迅速に提供する整備体制の構築を進めている。当第1四半期の営業利益拡大の主因の一つ。

product
防衛機器システム

防衛予算の増加を背景に需要拡大が見込まれ、生産能力の強化や必要な技術開発を一層加速する方針。中長期の方向性における成長事業の一つ。

product
ロケットシステム・宇宙利用

安全保障や公共・商業利用を目的とする衛星データ提供に向けた衛星コンステレーション構築の取り組みなど、宇宙関連事業の拡大を図る育成分野。連結子会社IHIエアロスペースがJAXA関連業務を担う。

成長ドライバー

  • 民間向け航空エンジンのアフターマーケット(スペアパーツ販売・整備)の中長期的拡大
  • 防衛予算の大幅増額を背景とした防衛事業の受注・売上拡大
  • 宇宙産業の市場成長(衛星コンステレーション等)
  • 民間向け航空エンジン・防衛・原子力等成長事業へのキャパシティ拡充投資の計画的実行
  • 自動化・DX高度化による生産性向上と生産能力増強

リスク

  • 連結子会社IHIエアロスペースのJAXA競争参加資格停止処分(5か月間)に伴うレピュテーション・業績への影響
  • 民間向け航空エンジン整備費用の増加による利益圧迫
  • サプライチェーンの混乱・物価高騰による生産コスト上昇
  • 米国の政権交代に伴う政策変更など地政学的リスクによる事業環境の不透明性
  • 為替変動(円安・円高)による売上収益・利益への影響

その他

報告セグメント外の検査・計測、都市開発、サービス等を束ねる補完的セグメント

期間今期前期増減率
外部顧客への売上収益(四半期)12,119百万円(2027年3月期1Q)10,345百万円(2026年3月期1Q)↑
セグメント間内部売上収益(四半期)5,237百万円(2027年3月期1Q)4,842百万円(2026年3月期1Q)↑
セグメント利益(四半期)42,174百万円(2027年3月期1Q)514百万円(2026年3月期1Q)↑
外部顧客への売上収益(通期実績)53,254百万円(2026年3月期)——
持分法による投資損益(通期実績)8,644百万円(2026年3月期)——
持分法で会計処理されている投資(通期末実績)27,838百万円(2026年3月期末)——

事業詳細

「その他」セグメントは、報告セグメント(資源・エネルギー・環境、社会基盤、産業システム・汎用機械、航空・宇宙・防衛)に含まれない事業群で構成される。検査・計測事業、都市開発(不動産販売・賃貸)、トレーディング・サービス業等を含み、IHIエスキューブ、IHIトレーディング、IHIビジネスサポート、IHI検査計測、豊洲エネルギーサービス等のほか、IHI Europe Ltd.、IHI INC.等の海外拠点を有する。当第1四半期は東京都江東区の不動産一部譲渡が完了し、業績に大きく貢献した。

直近の概況

不動産譲渡益により当第1四半期セグメント利益が急増

当第1四半期(2026年4-6月)の外部顧客への売上収益は12,119百万円(前年同期比17.2%増)、セグメント利益は42,174百万円と前年同期の514百万円から大幅に増加した。主因は東京都江東区の不動産一部譲渡完了に伴う利益計上(連結全体で約400億円)であり、当セグメントに含まれる都市開発事業がこれを反映した一時的な要因が大きい。持続的な収益力としては検査・計測事業やトレーディング・サービスが底堅く推移している。

主要プロダクト

service
検査・計測事業

関連機器等の製造、販売及び検査・計測サービスを担う事業。産業設備の保守・点検需要に対応。

product
都市開発(不動産販売・賃貸)

資産効率改善、財務基盤強化、成長事業への先行投資原資確保を目的に計画的な不動産売却を実施。当第1四半期は東京都江東区の不動産一部譲渡を完了し、約400億円規模の利益計上に寄与した。

service
トレーディング・サービス

IHIトレーディング等を通じた商流機能や、IHIビジネスサポート等によるグループ内サービス提供を担う。

platform
持分法適用投資(ジャパン マリンユナイテッド等)

ジャパン マリンユナイテッド等の持分法適用会社からの投資損益を計上。従来より収益寄与度の高い項目となっている。

成長ドライバー

  • 計画的な不動産売却の継続による一時的利益計上(資産効率改善・財務基盤強化目的)
  • 持分法適用会社(JMU等)からの投資損益による収益貢献
  • 検査・計測事業における製造・販売・サービスの堅調な推移
  • 海外拠点(IHI Europe Ltd.、IHI INC.等)を通じたグローバルサービス展開

リスク

  • 不動産譲渡益は一時的要因であり、今後の四半期でセグメント利益が大きく変動・反動減となる可能性がある
  • 持分法適用会社(JMU)の持分一部譲渡により、今後の持分法投資利益が減少する可能性(議決権比率35%→20%)
  • 都市開発事業は不動産市況の変動リスクを内包
  • セグメント全体の売上収益規模が小さく、収益変動の振れ幅が相対的に大きい
  • 検査・計測事業は顧客産業の設備投資動向に依存するため、景気後退局面での受注減リスクがある
  • グループの事業ポートフォリオ改革の進展(ILM譲渡等)に伴い、セグメント構成が変動する可能性がある

最終更新: 2026年8月6日