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川崎重工業株式会社

7012東証プライム輸送用機器

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川崎重工業株式会社7012

事業内容

川崎重工業は1878年創業の総合重工業メーカーで、航空宇宙システム、車両、エネルギーソリューション&マリン、精密機械・ロボット、パワースポーツ&エンジンの5事業セグメントを展開する。連結子会社136社・関連会社31社を擁し、防衛省向け航空機・潜水艦から民間航空エンジン分担製造、鉄道車両、産業用ロボット、二輪車・四輪車まで幅広い製品群を世界市場に提供する。

2025年度の連結売上収益は2,311,267百万円に達し、防衛省が売上の18.6%を占める主要顧客となっている。「グループビジョン2030」のもと、水素エネルギーや医療ロボットなど新事業の早期実用化も推進している。

ビジネスモデル

受注系事業(航空宇宙・車両・エネルギーソリューション&マリン)は長期受注残高を積み上げ、売上の可視性を確保しながら高い事業利益率を実現する。量産系事業(パワースポーツ&エンジン)はグローバルブランドを活用した見込み生産で規模の経済を追求する。

精密機械・ロボット事業は両者の中間に位置し、油圧機器・産業用ロボットを通じて製造業の設備投資需要を取り込む。研究開発費568億円・設備投資1,433億円を投じ、技術力を競争優位の源泉としている。

企業の強み

2025年度末の航空宇宙システム事業の受注残高は1,536,199百万円(前期比+18.0%)に達し、事業利益率10.2%を実現している。防衛省向け売上は429,769百万円(全体の18.6%)と安定した収益基盤を形成しており、増産体制整備とサプライチェーン再構築により中長期的な売上の可視性が高い。

エネルギーソリューション&マリン事業の事業利益率は12.7%(前期比+1.6ポイント)と全セグメント最高水準を達成。受注残高は943,569百万円(前期比+14.3%)と積み上がっており、持分法適用関連会社(中国合弁造船会社等)からの投資利益増加も収益に貢献している。

2025年度に受注・売上・利益の過去最高更新と全事業黒字化を同時達成した。航空宇宙・エネルギー・精密機械の受注系事業が高利益率を確保する一方、パワースポーツ&エンジン事業が量産規模を提供するポートフォリオ構造により、特定事業の変動を他事業でカバーできる体制が整っている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期のパワースポーツ&エンジン事業は売上収益682,812百万円と最大セグメントながら、事業利益は22,750百万円(事業利益率3.3%)にとどまり前期比251億円の大幅減益。米国関税コストの上昇、北米パワースポーツ市場での競争激化による採算性低下、増産投資に伴う固定費増加が重なった。

2027年3月期見通しでも事業利益30,000百万円と低水準が続く見込みであり、全社事業利益率6.3%から10%超への改善シナリオにおける最大のリスク要因となっている。米国関税政策の動向次第では下振れリスクが残存する。

潜水艦修繕事業・舶用エンジン事業における不正事案について、特別調査委員会による調査は2025年12月に完了したと公表。社長を委員長とするコンプライアンス特別推進委員会主導で再発防止策を推進中。

ただし、度重なるコンプライアンス事案の判明は防衛省・官公庁向け受注への影響リスクを内包しており、信頼回復の実効性と今後の受注動向を継続的にモニタリングする必要がある。2026年3月期の航空宇宙システム受注高は前期比719億円減少の810,900百万円となっており、大口案件の反動減との切り分けが重要。

2027年3月期の連結業績予想は売上収益2,560,000百万円(前期比+10.8%)、事業利益170,000百万円(+17.2%)、親会社帰属当期利益110,000百万円(+1.7%)。航空宇宙・精密機械・ロボット・パワースポーツ各セグメントの増収が牽引する計画。

一方、連結受注高は2,540,000百万円と前期比1,991億円減少の見通しで、航空宇宙(△2,109億円)・車両(△1,891億円)の大型受注反動減が主因。為替前提は1ドル=150円・1ユーロ=180円であり、円高進行時の下振れリスクに留意が必要。

税後ROICは8.6%、ROEは12.0%を見込む。

成長戦略

防衛・航空宇宙の拡大、精密機械・ロボットの収益化、コンプライアンス再構築の三本柱で2030年事業利益率10%超を目指す

防衛省向け航空機・エンジン・艦艇関連の受注・売上拡大を継続。民間航空エンジン分担製造品の増産体制整備も推進。2027年3月期見通しで売上収益720,000百万円、事業利益72,000百万円を計画し、全社利益率改善の主軸と位置づける。

船舶海洋・プラント分野での増収に加え、持分法投資利益の増加により2026年3月期事業利益55,016百万円(前期比+107億円)を達成。2027年3月期は事業利益69,000百万円を計画し、採算性改善が継続する見込み。

アーステクニカ株式譲渡(2026年4月に60%譲渡)によるポートフォリオ最適化も実施。

半導体製造装置向けロボットと中国建設機械向け油圧機器の需要拡大を取り込み、2026年3月期事業利益14,391百万円(前期比+73億円)を達成。2027年3月期は事業利益21,000百万円を計画。医療用ロボット「hinotori™」等の新規事業育成も継続。

液化水素サプライチェーン商用化実証を開始し、CO2分離・回収・利用事業と合わせて早期実用化を目指す。グループビジョン2030の注力フィールド「エネルギー・環境ソリューション」の中核施策。

新規事業投資(本社案件)関連の調整額は2026年3月期△12,223百万円、2027年3月期見通しでは△20,000百万円に拡大予定。

潜水艦修繕・舶用エンジン事業の不正事案を受け、社長を委員長とするコンプライアンス特別推進委員会主導で再発防止策を推進。特別調査委員会による調査は2025年12月に完了。グループ全体のコンプライアンス・ガバナンス体制強化に向けた実効性の高い施策を継続実施中。

最終更新: 2026年7月19日