事業内容
三菱重工業は1884年創立の日本最大級の総合重工業グループ。エナジー(GTCC・原子力・航空機用エンジン)、プラント・インフラ(製鉄機械・商船・エンジニアリング)、物流・冷熱・ドライブシステム(冷熱製品・エンジン・ターボチャージャ)、航空・防衛・宇宙(防衛航空機・飛しょう体・艦艇・宇宙機器)の4セグメントを中核に、データセンター関連等の成長領域も展開する。
主要顧客は防衛省(売上収益の20.2%)をはじめ、国内外の電力会社・政府機関・産業顧客に及ぶ。2026年3月期の売上収益は4,974,168百万円と過去最高水準を更新した。
ビジネスモデル
設計・製造・据付・保守サービスを一貫して提供する垂直統合型ビジネスモデル。GTCC・防衛装備品・艦艇等の大型長期案件を受注し、工事進捗に応じて収益を認識する。
受注残高は13,237,688百万円(前期比+29.3%)に積み上がり、中期的な売上の可視性が高い。受注時に計上される契約負債が営業キャッシュフローを押し上げる構造も特徴で、2026年3月期の営業CFは942,619百万円に達した。
企業の強み
2026年3月期の受注残高は13,237,688百万円(前期比+29.3%)に達し、エナジーセグメント単独で6,983,230百万円(+42.0%)、航空・防衛・宇宙で4,063,214百万円(+15.6%)を積み上げた。大型長期案件が中心のため、複数年にわたる売上収益の可視性が高く、業績の安定性を裏付ける。
防衛省向け売上収益は1,006,022百万円(全体の20.2%)と前期の704,181百万円から大幅増加。飛しょう体・防衛航空機・艦艇・宇宙機器を一社で設計・製造できる国内唯一の総合防衛メーカーとしての地位を持つ。
エナジー分野でもGTCC・原子力・航空機用エンジンを同時に手掛ける技術基盤は競合他社が短期間で模倣困難な固有優位性である。
2026年3月期の研究開発費は289,078百万円(うち受託研究等208,911百万円)。航空・防衛・宇宙セグメントだけで185,418百万円を投じ、次世代GTCC・革新軽水炉「SRZ-1200」・H3ロケット・複合材構造技術等の先端開発を継続。
長年の技術蓄積と継続的な投資が製品競争力の源泉となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は2022期3,860,283百万円から2026期4,974,168百万円へ5年間で+28.8%増加。ただし2026期は非継続事業(三菱ロジスネクスト)の除外影響もあり前期比+14.1%。
親会社帰属当期利益は2022期113,541百万円から2026期332,129百万円へ約2.9倍に拡大し、過去最高を更新した。事業利益率は8.7%(前期8.1%)に改善。
外部要因として、AI関連投資拡大によるデータセンター向け電力需要増・防衛予算拡充・エネルギー転換需要が業績を押し上げた。営業CFは942,619百万円と前期比約78%増加し、契約負債の増加(663,533百万円)が先行受注の強さを示している。
成長戦略
伸長事業の生産能力増強と成長領域の事業化を両輪で推進、2027年3月期も増収増益を見込む
GTCC・原子力・航空機用エンジンを中心に受注を積み上げ、2027年3月期の売上収益予想はエナジーセグメント単独で2,200,000百万円(2026期比+7.1%)を見込む。データセンター向け電力需要増・低炭素化需要が外部追い風として機能。
防衛力整備計画拡充を背景に飛しょう体・防衛航空機・艦艇の受注が急増。2027年3月期の同セグメント売上収益予想は1,500,000百万円(2026期比+7.6%)。組織横断タスクフォースによる生産効率向上・サプライヤー支援・増産準備を推進中。
2025年9月30日に取引基本契約を締結し、2026年5月1日に手続きを完了。コア事業(エネルギー・防衛・インフラ)への経営資源集中を実現し、継続事業の収益性向上を図る。翌連結会計年度の業績への影響は軽微と開示。
「その他」セグメントにデータセンター&エネルギーマネジメント事業等の成長分野を集約し先行投資を継続。2026期は事業利益△26,810百万円と赤字だが、電源・冷却・制御の統合ソリューション提供による顧客バリューチェーン革新を目指す。2027年3月期の設備投資額は210,000百万円を計画。
最終更新: 2026年7月19日

