事業内容
カナデビア株式会社(旧日立造船)は、1881年創業の歴史を持つ総合エンジニアリング企業。連結子会社158社・持分法適用会社35社で構成され、環境(ごみ焼却発電・水処理・海水淡水化)、機械・インフラ(産業機械・橋梁・シールド掘進機)、脱炭素化(舶用原動機・水電解・風力発電)の3セグメントを展開する。
2025年3月期の売上高610,523百万円のうち環境セグメントが453,471百万円(74%)を占め、欧州Waste to X事業を手掛けるKanadevia Inova AG.グループが海外売上を牽引。海外売上高比率は49%に達している。
ビジネスモデル
主力の環境セグメントでは、ごみ焼却発電施設や水処理プラントの設計・調達・建設(EPC)を受注し、完工後は運転管理・保守・メンテナンスの継続的事業へ移行する二段階収益モデルを採用。2025年3月期末の連結受注残高は1,796,499百万円(前期比+9.5%)と高水準を維持し、中長期的な売上を下支えする。
継続的事業の売上高比率は41%(2025年3月期)であり、2025年度中に50%達成を目指す。
企業の強み
2025年3月期末の連結受注残高は1,796,499百万円(前期比+9.5%)。うち環境セグメント単独で1,623,166百万円(前期比+11.2%)を占め、売上高の約3年分に相当する受注残高が中長期的な収益を下支えする構造となっている。
Kanadevia Inova AG.グループを中核とする欧州Waste to X事業の伸長により、2025年3月期の海外売上高比率は49%に達し、中期経営計画「Forward 25」の2025年度目標40%を前倒しで達成。デンマーク・英国でのM&Aにより継続的事業(運営・メンテナンス)も拡大している。
売上高は2021年3月期408,592百万円から2025年3月期610,523百万円へ5期で49.4%増加し、直近2期の増収額も高水準を維持。営業利益は2022年3月期15,541百万円を底に4期連続増益の26,946百万円に達し、当期純利益22,103百万円は過去最高水準を更新している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の売上高は645,222百万円(前期比+5.7%)と6期連続増収を達成したものの、営業利益は12,192百万円(前期比▲54.7%)、当期純利益は11,137百万円(前期比▲49.6%)と大幅な減益となった。過去4期にわたり改善を続けてきた利益トレンドが明確に反転しており、売上増収にもかかわらず利益が急減した要因の詳細は決算短信本文に記載がないが、個別受注案件の採算悪化やコスト増が主因とみられる。
投資活動によるCFは△48,035百万円(前期△56,573百万円)と支出は縮小したものの、引き続き積極的なM&A・設備投資を継続している。なお、連結CF計算書の一部訂正(子会社株式売却の収入・支出の分離表示)が2026年6月に開示されたが、投資活動CF合計額への影響はない。
成長戦略
海外Waste to X拡大・継続的事業50%化・脱炭素化投資で2030年売上高900,000百万円・営業利益率10%を目指す
Kanadevia Inova AGグループを中核に欧州での廃棄物エネルギー化事業を拡大。Kanadevia Inova Denmark A/SやIona Capital Ltdの買収により運営・メンテナンス等の継続的事業を積み上げ、ストック型収益の比率向上を図る。
山梨県都留市に水電解スタック量産工場を建設(約80億円規模)し、水素・Power to Gas事業の本格化を目指す。浮体式洋上風力発電や原子力関連事業(NAC International Inc.)の海外展開も推進。3年間1,400億円の投資計画を実行中。
海水淡水化プラント需要の増加を背景に中近東・アジア向け水処理事業を拡大。前期比大幅増の売上実績を積み上げており、地域分散による収益安定化に寄与。
プレス事業を㈱アマダへ譲渡するなど、収益性の低い事業を整理し経営資源を高収益事業へ集中。受注高は前期比12.9%増の91,179百万円と回復基調にあり、保守・メンテナンス等の継続的事業拡大を推進。
最終更新: 2026年7月17日

