世界経済・電子部品市場の変動
米国の関税施策や各国金融政策の変化によるインフレ圧力、地政学的リスクに伴うエネルギー・原材料価格の上昇が製造コストを増加させ、当社グループの収益性に影響を及ぼす可能性がある。また、半導体供給不足によるPC・電子機器の生産制約が電子部品需要を押し下げ、受注に影響が及ぶリスクがある。一方でAIサーバー向け電源用途を中心に大形アルミ電解コンデンサの生産能力強化や高容量・高出力ハイブリッドコンデンサの開発・増産投資を継続し、需要拡大機会の取り込みを図っている。
為替レート変動リスク
連結売上高に占める海外売上高の割合は2026年3月期80.8%に達しており、為替変動が業績・財政状態に直接影響する。為替予約等によるヘッジを実施しているが全額カバーの保証はなく、在外子会社財務諸表の円換算においても換算レートの変動により現地通貨ベースの価値変動がなくても円換算後の業績が変動するリスクがある。
アルミ電解コンデンサの価格競争
主力製品であるアルミ電解コンデンサにおいて国内外競合他社との価格競争が激化した場合、収益の押し下げのみならず世界シェアの低下を招く可能性がある。国・地域ごとの生産販売コスト変動や材料費高騰、技術革新が競争激化の要因となり得る。なお2026年度は需要急増による供給不足が見込まれ価格下落は発生しない見通しであるが、当社グループは材料開発から製品販売までの一貫生産体制を活かしたコストダウンと高付加価値製品の開発・拡販により競争力強化を図っている。
原材料価格変動・調達リスク
物流費・人件費・原材料費の高騰により、アルミ箔や薬品をはじめとした原材料の仕入価格上昇がコストアップ要因となっており、調達困難時には製品出荷の停滞が生じる可能性がある。ウクライナ紛争やイラン情勢に代表される地政学的緊張が継続的な調達リスクとして顕在化しており、製造中止(EOL)品の増加も安定調達を困難にしている。当社グループは複数社購買・サプライヤーの定期的与信管理・海外現地調達の推進等によりリスク低減に取り組んでいる。
製品欠陥・品質リスク
UL規格・AEC-Q200等の国際品質基準に従い製造しているが、将来にわたり全製品において欠陥が発生しないという保証はなく、大規模な製品欠陥は業績・財政状態に影響を及ぼす可能性がある。生産物賠償責任保険に加入しているが賠償額を十分にカバーできる保証はなく、全生産拠点でISO9001・IATF16949の認証を取得し品質管理の強化を図るとともに、欠陥発生時の迅速対応体制を構築している。
法令・競争法違反リスク
国内外の法令・公的規制の遵守費用負担や違反時の刑事処分・課徴金・損害賠償請求が業績・財政状態に影響を及ぼす可能性がある。台湾公平交易委員会によるアルミ電解コンデンサ取引に関する競争法違反の制裁金案件は2026年1月13日に調停が成立し、当社らは合計3億4,573万新台湾ドル(1,648百万円)の返金を受けることとなり、競争法違反関連訴訟は全て終結した。一方、子会社Singapore Chemi-Con (Pte) Ltd.はDyson Manufacturing Sdn. Bhd.より1億4,554万4,762英ポンドの損害賠償請求訴訟をシンガポール国際商事裁判所に提起されており、SCCは責任否定に向けた主張・立証を行っている。
自然災害・突発的事象リスク
地震等の自然災害や感染症の拡大により、設備破損・電力水道供給困難による生産停止や市場の減退、各国政府方針による休業要請等が事業継続に影響を及ぼす可能性がある。当社グループは従業員・ステークホルダーの安全・健康を最優先とし、在宅勤務・フレックス勤務・リモートワークツール活用等の感染予防対策を実施している。
気候関連リスク
移行リスクとして炭素税・カーボンプライシング・排出量取引制度の導入による電力費・燃料費・材料費・租税負担の増加や、顧客の気候変動対応要求への不対応による売上減少が懸念される。物理的リスクとして異常気象の激甚化による生産拠点の被災やサプライチェーン寸断が事業中断・追加費用発生につながる可能性がある。当社グループは省エネルギー対策小委員会を中心にCO2排出量削減・再エネ導入・BCP見直し・防災設備強化・複数拠点生産体制の構築を推進している。
人材確保・育成リスク
労働市場における人材獲得競争の激化やスキルギャップの拡大、人材流出・育成施策の遅れにより、経営戦略の実現に必要な人材を計画どおり確保・育成できない可能性がある。その結果、事業運営または経営戦略の遂行に支障が生じ、業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがある。当社グループは必要な人材ポートフォリオの構築・採用強化・教育研修の充実・ダイバーシティ推進・従業員エンゲージメント向上等に取り組んでいる。
情報セキュリティリスク
外部からのサイバー攻撃・不正アクセスにより機密情報の漏えい・データ改ざん・システム停止が発生した場合、基幹システム・受発注・生産管理・出荷・会計等の業務に支障が生じ、復旧対応費用や外部専門家調査費用等が発生し業績・財政状態に影響を及ぼす可能性がある。特にランサムウェアによる重要データ暗号化や情報窃取・公開示唆のリスクが高まっており、当社グループはネットワーク監視・不審アクセス検知等の多層的セキュリティ対策を構築するとともに、社員教育・拠点監査を実施している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

