事業内容
村田製作所は1944年創業のセラミックコンデンサ専業メーカーを起源とし、現在はコンデンサ・インダクタ・EMIフィルタ等のコンポーネント、高周波モジュール・リチウムイオン二次電池・センサ等のデバイス・モジュール、ソリューションビジネス等の3セグメントで電子部品を開発・製造・販売する。売上収益1,830,856百万円(2026年3月期)の大半を電子部品が占め、スマートフォン・自動車・サーバー・産業機器など幅広い用途に製品を供給する。
国内外に多数の生産・販売拠点を持ち、材料から製品までの一貫生産体制を構築している。
ビジネスモデル
材料技術・商品設計技術・生産技術を自社内で開発する一貫生産体制を基盤に、積層セラミックコンデンサ等の高付加価値部品を大量生産する。国内外の生産子会社が半製品を完成品に加工し、米国・中国・欧州等の販売子会社を通じて世界中の電子機器メーカーへ供給する。
特定顧客への売上依存度が10%未満と分散した顧客構造を持ち、通信・モビリティ・コンピュータ・産業等の多用途展開で安定収益を確保する。
企業の強み
2026年3月期のコンデンサ売上収益は936,418百万円(前期比12.6%増)で連結売上の51%を占める。世界初となる1005Mサイズで静電容量47μFの積層セラミックコンデンサを量産開始するなど、世界最小クラス製品の開発を継続し、技術的差異化を実現している。
コンポーネントセグメントのROIC(税引前)は22.4%に達する。
材料技術・商品設計技術・生産技術を自社内で一貫開発する体制を構築し、コンポーネントセグメントの営業利益率は26.8%を達成している。設備投資247,778百万円(2026年3月期)を継続実施し生産能力を増強しつつ、操業度益とコストダウンを両立させている。信用格付はR&IによりAA+を取得している。
2026年3月期末の資産合計3,199,099百万円に対し、有利子負債残高はわずか3,261百万円と実質無借金経営を維持する。営業キャッシュフローは425,222百万円を確保し、現金及び現金同等物等の流動性資金残高は664,632百万円(月平均売上収益4.4か月相当)に達する。
親会社所有者帰属持分比率は85.0%と極めて高い。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は2024年3月期の底(1,640,158百万円)から2期連続増収となり、2026年3月期は1,830,856百万円(前期比5.0%増)。AIサーバー向けMLCC・インダクタ・EMIフィルタが牽引し、コンピュータ用途が28.4%増と突出。
一方、営業利益は281,835百万円(同0.8%増)にとどまり、表面波フィルタ事業ののれん減損43,798百万円が増益を抑制した。親会社帰属当期利益は233,920百万円(同0.0%増)とほぼ横ばい。
外部要因として円高(対米ドル平均150.78円、前期152.57円)が売上収益を約31,000百万円程度押し下げた。次期は売上収益1,960,000百万円・営業利益380,000百万円と大幅増益を計画し、ROICも12.3%への改善を見込む。
成長戦略
AIドライブのエレクトロニクス成長を取り込み、3層ポートフォリオで2030年デジタルツイン社会に向けた事業基盤を構築
旺盛なサーバー需要に対応するため設備投資250,000百万円(次期計画)を継続投入。コンデンサ・電源モジュールを中心に生産能力を拡大し、受注残高急増(コンデンサ前期末比89.5%増)に対応する。操業度益とコストダウンで営業利益率19.4%(次期予想)を目指す。
MLCCおよびインダクタ・EMIフィルタにおける世界シェアNo.1の確立を中期方針2027の基本方針1に明記。世界最小クラス製品の開発・量産と材料技術の深化により差異化を維持。2026年3月期コンポーネントROIC(税引前)は22.4%に改善し、次期も増収増益を計画。
表面波フィルタ事業ののれん減損(43,798百万円)を経て事業計画を見直し。機能デバイス(センサ・アクチュエータ)のモビリティ・コンピュータ向け拡大(2026年3月期9.5%増)やエナジー・パワーのサーバー向け増加を軸に収益回復を図る。
次期予想では高周波・通信・エナジー・パワーの高い売上成長を目指す。
2027年を目標にDOE(親会社所有者帰属持分配当率)5%への引き上げを宣言。2026年3月期年間配当65円(配当性向50.9%)、次期70円を予定。
加えて2026年4月30日に上限75,000,000株・150,000,000,000円の自己株式取得を決議し、取得後全株消却予定。中期方針2027の株主還元計画4,000億円に対し、配当累計1,107億円・自己株式取得1,000億円が進捗。
環境・ウェルネス・3層目事業を挑戦領域と位置づけ、スタートアップとの共創やソリューションビジネスの社会実装を推進。戦略投資は実行済・実行決裁済累計283億円(中期方針2027計画2,200億円)にとどまり、本格的な事業化はこれから。
2030年売上収益2.5兆円以上・営業利益率20%以上を長期目標とする。
最終更新: 2026年7月19日

