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株式会社村田製作所

6981東証プライム電気機器

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株式会社村田製作所6981

事業内容

村田製作所は1944年創業のセラミックコンデンサ専業メーカーを起源とし、現在はコンデンサ・インダクタ・EMIフィルタ等のコンポーネント、高周波モジュール・リチウムイオン二次電池・センサ等のデバイス・モジュール、ソリューションビジネス等の3セグメントで電子部品を開発・製造・販売する。売上収益1,830,856百万円(2026年3月期)の大半を電子部品が占め、スマートフォン・自動車・サーバー・産業機器など幅広い用途に製品を供給する。

国内外に多数の生産・販売拠点を持ち、材料から製品までの一貫生産体制を構築している。

ビジネスモデル

材料技術・商品設計技術・生産技術を自社内で開発する一貫生産体制を基盤に、積層セラミックコンデンサ等の高付加価値部品を大量生産する。国内外の生産子会社が半製品を完成品に加工し、米国・中国・欧州等の販売子会社を通じて世界中の電子機器メーカーへ供給する。

特定顧客への売上依存度が10%未満と分散した顧客構造を持ち、通信・モビリティ・コンピュータ・産業等の多用途展開で安定収益を確保する。

企業の強み

2026年3月期のコンデンサ売上収益は936,418百万円(前期比12.6%増)で連結売上の51%を占める。世界初となる1005Mサイズで静電容量47μFの積層セラミックコンデンサを量産開始するなど、世界最小クラス製品の開発を継続し、技術的差異化を実現している。

コンポーネントセグメントのROIC(税引前)は22.4%に達する。

材料技術・商品設計技術・生産技術を自社内で一貫開発する体制を構築し、コンポーネントセグメントの営業利益率は26.8%を達成している。設備投資247,778百万円(2026年3月期)を継続実施し生産能力を増強しつつ、操業度益とコストダウンを両立させている。信用格付はR&IによりAA+を取得している。

2026年3月期末の資産合計3,199,099百万円に対し、有利子負債残高はわずか3,261百万円と実質無借金経営を維持する。営業キャッシュフローは425,222百万円を確保し、現金及び現金同等物等の流動性資金残高は664,632百万円(月平均売上収益4.4か月相当)に達する。

親会社所有者帰属持分比率は85.0%と極めて高い。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期のコンピュータ用途売上収益は前期比28.4%増の310,392百万円と突出した伸びを示し、AIサーバー向けMLCC・リチウムイオン二次電池の搭載数増加が構造的需要として定着しつつある。次期(2027年3月期)は売上収益1,960,000百万円(前期比7.1%増)、営業利益380,000百万円(同34.8%増)と大幅増益を計画。

外部要因としてAIインフラ投資の継続拡大が追い風となっており、コンデンサ受注残高が前期末比89.5%増の269,158百万円に急増していることが需要の強さを裏付ける。

デバイス・モジュールセグメントは2026年3月期に営業損失26,491百万円(営業利益率△4.0%)と赤字転落。表面波フィルタ事業において通信市場の高周波化が想定より緩やかなことを理由に、のれん43,798百万円の減損損失を計上した。

これが「その他の費用」54,987百万円(前期27,539百万円)の主因となり、全社営業利益率は15.4%(前期16.0%)に低下。中期方針2027の営業利益率目標18%以上に対し依然として乖離が大きく、デバイス・モジュールの収益改善が全社目標達成の鍵を握る。

中期方針2027が掲げる売上収益2,000,000百万円・営業利益率18%以上・ROIC(税引後)12%以上に対し、2026年3月期実績はそれぞれ1,830,856百万円・15.4%・9.7%と全項目で未達。有形固定資産などの投下資本増加がROICを圧迫しており、前期比0.3ポイント低下の9.7%となった。

次期予想ではROIC12.3%への改善を見込むが、地政学リスクや通商政策の不透明感、2026年3月6日公表のIT不正アクセス事案の影響など下振れリスクも存在する。

成長戦略

AIドライブのエレクトロニクス成長を取り込み、3層ポートフォリオで2030年デジタルツイン社会に向けた事業基盤を構築

旺盛なサーバー需要に対応するため設備投資250,000百万円(次期計画)を継続投入。コンデンサ・電源モジュールを中心に生産能力を拡大し、受注残高急増(コンデンサ前期末比89.5%増)に対応する。操業度益とコストダウンで営業利益率19.4%(次期予想)を目指す。

MLCCおよびインダクタ・EMIフィルタにおける世界シェアNo.1の確立を中期方針2027の基本方針1に明記。世界最小クラス製品の開発・量産と材料技術の深化により差異化を維持。2026年3月期コンポーネントROIC(税引前)は22.4%に改善し、次期も増収増益を計画。

表面波フィルタ事業ののれん減損(43,798百万円)を経て事業計画を見直し。機能デバイス(センサ・アクチュエータ)のモビリティ・コンピュータ向け拡大(2026年3月期9.5%増)やエナジー・パワーのサーバー向け増加を軸に収益回復を図る。

次期予想では高周波・通信・エナジー・パワーの高い売上成長を目指す。

2027年を目標にDOE(親会社所有者帰属持分配当率)5%への引き上げを宣言。2026年3月期年間配当65円(配当性向50.9%)、次期70円を予定。

加えて2026年4月30日に上限75,000,000株・150,000,000,000円の自己株式取得を決議し、取得後全株消却予定。中期方針2027の株主還元計画4,000億円に対し、配当累計1,107億円・自己株式取得1,000億円が進捗。

環境・ウェルネス・3層目事業を挑戦領域と位置づけ、スタートアップとの共創やソリューションビジネスの社会実装を推進。戦略投資は実行済・実行決裁済累計283億円(中期方針2027計画2,200億円)にとどまり、本格的な事業化はこれから。

2030年売上収益2.5兆円以上・営業利益率20%以上を長期目標とする。

最終更新: 2026年7月19日