事業内容
松尾電機は1949年創業の電子部品専業メーカーで、タンタル電解コンデンサ(売上高の約62%)、マイクロヒューズ等の回路保護素子(約35%)、フィルムコンデンサ(約4%)の3事業を展開する。主力顧客はデンソー(グループ含む)で売上高の37.0%を占め、カーエレクトロニクス・医療機器・リチウムイオン電池向けを中心に製品を供給する。
生産拠点は京都府福知山工場に集約されており、東京・名古屋に営業拠点を持つ。東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
自社工場(福知山工場)での一貫製造により品質管理を徹底し、デンソーをはじめとする車載・産業用顧客へ直接販売する製造直販モデルを採用。回路保護素子事業は売上高比34.5%ながらセグメント利益率47.1%と高収益を誇り、全社利益の大半を担う。
タンタルコンデンサ事業は規模の主軸として売上を支え、釜屋電機との資本提携を通じた海外販路拡大も推進している。
企業の強み
2026年3月期の回路保護素子事業はセグメント売上高1,776百万円に対しセグメント利益837百万円(利益率47.1%)を達成。前期比売上高+25.5%・利益+43.5%と急拡大しており、カーエレクトロニクス向けおよびリチウムイオン電池向けの需要増加を自社製品力で取り込んでいる。
デンソー(グループ含む)向け売上高は1,904,907千円(全体の37.0%)と最大顧客として継続的な取引関係を維持。車載電子化の進展に伴い同顧客向け売上は前期の1,719,540千円から増加しており、長年の品質実績に裏付けられた顧客基盤が安定収益の源泉となっている。
研究開発費138百万円のうち101百万円を導電性高分子タンタルコンデンサ超低ESR品の開発に投下。1959年からのタンタルコンデンサ製造の長期実績を基盤に、車載・海外民生用向けの新製品開発を継続。釜屋電機との資本提携(第三者割当増資508百万円)により増産設備投資資金も確保した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期の4,210百万円を底に2期連続増収となり、2026年3月期は5,141百万円(前期比13.1%増)と過去5期で最高水準を更新した。営業利益も581百万円(同18.4%増)と2022年3月期の642百万円に迫る水準まで回復。
回路保護素子事業がカーエレクトロニクス・電池向け需要増加を背景に25.5%増収・43.5%増益と牽引した。一方、事業構造改革費用157百万円の特別損失計上により当期純利益は372百万円(同17.2%減)にとどまった。
外部要因として米国関税政策の不透明感が残るが、海外直接取引の拡大(海外売上比率17.7%)により地域分散が進んでいる。営業CFは782百万円の収入(前期は85百万円の支出)と大幅改善し、現金及び現金同等物は807百万円に増加した。
成長戦略
導電性高分子タンタルコンデンサの増産と車載・海外拡販で10年後売上高100億円を目指す
釜屋電機向け第三者割当増資(508百万円)で調達した資金を原資に、導電性高分子タンタルコンデンサの生産設備に500百万円を投資(2026年3月〜2027年3月)。建設仮勘定が前期7百万円から194百万円に急増しており、投資は既に進行中。
カーエレクトロニクス向け電流ヒューズおよびリチウムイオン電池向け製品の販売網拡大を推進。2027年3月期の同事業売上高目標は2,146百万円(前期比20.8%増)。車載向け新製品開発・量産化も並行して進める。
2025年11月に一部製品の生産終了を決定し、事業構造改革費用157百万円を2026年3月期に計上。不採算品種のEOL対応を確実に実行することで製造コスト構造を改善し、収益性向上を図る。事業構造改革引当金36百万円が期末残高として残存。
売上高6,000百万円、営業利益800百万円、売上高営業利益率13%、ROE12%を最終目標とする。2026年3月期実績は売上高5,141百万円・営業利益581百万円・ROE12.6%であり、売上高・営業利益は目標に対して進捗途上。ROEは既に目標水準を達成。
2025年3月期・2026年3月期と2期連続無配が続いたが、2027年3月期は1株当たり年間15円(配当性向12.2%)の復配を予定。中期経営計画の基本方針として「計画期間中の復配」を掲げており、2027年3月期での実現を目指す。
最終更新: 2026年7月19日

