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株式会社サンコー

6964東証スタンダード電気機器

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株式会社サンコー6964

事業内容

株式会社サンコーは1963年に長野県岡谷市で設立された精密部品製造会社。プレス製品・メカトロ製品・プラスチック製品の製造販売を主軸とし、自動車関連(売上高の約74%)、デジタル家電、住宅設備、事務機など多様な産業向けに精密部品を供給する。

連結子会社THAI SANKO CO.,LTD.(タイ)を通じたアジア展開も行う。主要顧客は住友電装(売上高比28.2%)、デンソー(同12.6%)など自動車部品大手。

東京証券取引所スタンダード市場上場。

ビジネスモデル

金型設計・製作から精密プレス加工・プラスチック成形・ユニット組立まで一貫して内製化することで、顧客の多様な仕様要求に対応する。製品売上は出荷時点で収益認識し、金型売上は顧客検収時に計上する。設備投資は内部留保で賄い、無借金に近い財務構造を維持しながら継続的な原価低減と品質向上を図る。

企業の強み

絞り・鍛造技術を融合した複合加工、せん断加工の高精度化、シミュレーション活用による短期開発など独自の金型技術を保有。研究開発費68百万円を投じ、市場開発・金型開発の2部門体制で技術深化を継続。大型化・絞り加工での競合差別化を実現している。

2026年3月期における住友電装への販売額は5,164百万円(売上高比28.2%)、デンソーへは2,309百万円(同12.6%)と、自動車部品大手2社で売上高の約41%を占める。新型車量産開始に伴う生産設備・金型売上も順調に進捗し、顧客との深い取引関係を維持している。

2026年3月期末の純資産は16,329百万円、総資産22,927百万円に対し負債は6,598百万円にとどまる。現金及び現金同等物4,920百万円に加え投資有価証券2,149百万円を保有。設備投資542百万円を内部留保で賄い、財務的な安定性が高い。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高18,289百万円(前期比8.6%増)、営業利益762百万円(同39.6%増)と好調だったが、売上高営業利益率は4.2%にとどまる。売上原価率が約87%と高く、コスト構造の改善余地は限定的。

2027年3月期予想は売上高17,800百万円(前期比2.7%減)、営業利益690百万円(同9.5%減)と保守的な見通しを示しており、利益水準の持続性に注目が必要。

会社自身が「アメリカ大統領の関税政策やEV補助金の中止により国内自動車メーカーは大きな方針転換を強いられている」と明記し、2027年3月期は自動車生産台数の減速を前提に保守的な業績予想を策定。中国自動車メーカーの伸長・中東情勢の不透明感も加わり、売上高の約74%を占める自動車関連事業への外部リスクは高まっている。

HV好調という追い風が持続するかどうかが業績の鍵を握る。

2026年3月期の営業CFは1,136百万円と前期294百万円から約3.9倍に改善し、棚卸資産の減少(383百万円)や売上増加が寄与した。一方、投資CFは994百万円の流出で、投資有価証券取得1,421百万円・有形固定資産取得732百万円が主因。

設備投資と有価証券投資の両面で資金を使っており、フリーCFは142百万円(営業CF1,136百万円-投資CF994百万円)と薄い。資本配分の優先順位と投資回収の見極めが課題。

成長戦略

HEV・電装・インフラ向け受注拡大とタイ子会社活用による収益基盤の多様化

HV車の販売好調と新型車量産開始を背景に、自動車関連の新製品向け生産設備・金型売上を積極的に取り込む戦略。2026年3月期に自動車関連売上高が前期比9.0%増と成果が出ているが、2027年3月期は自動車生産台数減速を見込み保守的な計画。

デジタルカメラ等のデジタル家電関連(2026年3月期前期比23.2%増)および電子部品・産業用機器関連を含むその他製品(同41.5%増)の拡大により、自動車依存度を低減する多様化を推進。自動車リスクのヘッジとして機能している。

THAI SANKO CO.,LTD.を活用したアジア向け売上展開と生産コスト最適化を継続。為替換算調整勘定が2026年3月期末747百万円(前期523百万円)に拡大しており、海外事業の規模拡大が示唆される。

投資有価証券残高を2026年3月期末2,149百万円(前期比871百万円増)まで積み上げ、財務的な安定性を高める方針。受取配当金・有価証券利息等の金融収益が経常利益を営業利益比で大幅に上乗せする構造(2026年3月期:営業利益762百万円→経常利益906百万円)。

最終更新: 2026年7月19日