事業内容
日本シイエムケイ株式会社は、プリント配線板の製造販売を主事業とする東証プライム上場企業。当社及び子会社11社・関連会社1社で構成されるグループは、日本・中国・東南アジア(タイ・マレーシア)・欧米(ベルギー・ドイツ・米国)の4地域に生産・販売拠点を展開する。
売上高の約6割を国内日本セグメントが占め、主要顧客はデンソー(当期売上高35,155百万円、構成比35.1%)をはじめとする日系自動車部品メーカー。ADAS・自動運転・EV化に対応した高付加価値基板の開発・供給を通じ、安全安心な車載社会の実現に貢献することを中長期ビジョンに掲げている。
ビジネスモデル
国内工場での高付加価値製品(ビルドアップ基板・高放熱基板等)の製造を中核に、中国・東南アジアでの現地生産、欧米での販売支援という役割分担型のグローバル体制を構築。主要顧客である自動車部品メーカーへの継続的な受注を基盤とし、製品の高付加価値化と生産効率向上による原価競争力強化で収益を確保する。
研究開発は日本に集約し、当期研究開発費は553百万円。
企業の強み
主要顧客デンソーへの販売高は当期35,155百万円(前期31,185百万円)で、連結売上高に占める割合は35.1%に達する。継続的な受注拡大が実績として確認されており、日本セグメントの売上高61,670百万円の過半を占める安定的な顧客基盤を形成している。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の認定のもと、高信頼・高耐環境基板の開発と供給体制を構築。ニュースペース関連スタートアップとの連携も進め、ミリ波レーダー・ADAS用センサ・パワーエレクトロニクス用制御モジュール向け基板技術の高度化を推進しており、車載以外の新領域への技術的展開力を有する。
前年度に実施した生産設備の大判化および中国2工場の経営一体化により、当期の中国セグメント利益は2,792百万円(前期比77.3%増益)を達成。ローカルマネジメントの推進による合理化・不良率削減が収益改善に直結した実績を持つ。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は売上高100,202百万円(前期比4.9%増)と5期連続増収を達成し、初めて1,000億円の大台を突破した。しかし営業利益は2,788百万円(前期比26.8%減)と大幅減益となり、営業利益率は2.8%(前期4.0%)に低下。
東南アジアセグメントがタイ新工場立ち上げ費用・品質管理体制強化コストにより△1,476百万円の損失を計上したことが主因。経常利益も4,136百万円(前期比25.3%減)。
一方、投資有価証券売却益1,891百万円の計上により親会社株主帰属純利益は4,026百万円(前期比6.2%増)を確保。2027年3月期は売上高104,000百万円・営業利益3,200百万円・純利益2,000百万円を予想しており、タイ新工場の償却負担増を見込んで純利益は大幅減益(前期比50.3%減)を見込む。
成長戦略
タイ新工場量産稼働・高付加価値シフト・新事業領域開拓の3軸で中期成長を実現
建設仮勘定が33,659百万円から12,304百万円へ大幅減少し資産計上が本格化。2026年3月期下期に収益性改善施策の一定効果を確認したが、東南アジアセグメントは通期で△1,476百万円の損失。2027年3月期はタイ新工場の償却負担が利益圧縮要因となる見通しで、稼働率向上による固定費吸収が急務。
2026年3月期下期において高付加価値製品の増加が日本セグメントの収益改善(セグメント利益2,591百万円、前期比17.1%増)に貢献。車載向けADAS・走行安全系製品の受注拡大を継続し、製品ミックス改善による売上原価率の低減を目指す。
東南アジアセグメントで家電向け販売が好調に推移(売上高17,396百万円、前期比11.6%増)。会社側は「車載以外の新事業領域への拡販を推し進める」と明示しており、車載市場依存度の低減と収益源の多様化を中期課題として位置付けている。
前期に実施した生産設備の大判化および中国2工場の経営一体化が当期に結実し、セグメント利益2,792百万円(前期比77.3%増)を達成。EV需要減少による欧州向け販売減少という逆風下での大幅増益は構造改革の成果であり、引き続き生産性向上・コスト削減を推進する。
最終更新: 2026年7月19日

