事業内容
カシオ計算機は1957年設立の東証プライム上場企業。時計(G-SHOCK・CASIO WATCH)、コンシューマ(電子辞書・関数電卓・電子楽器)の2コア事業を軸に、連結子会社36社・持分法適用関連会社2社を通じてグローバルに事業展開する。
生産は山形カシオ、香港・深圳・韶関・タイの生産子会社が担い、販売は北米・欧州・アジア等の地域販売会社と代理店網を通じて行う。2026年3月期の売上高は276,267百万円で、時計セグメントが売上の約67%を占める収益中核事業。
主要顧客は世界各国の一般消費者であり、新興国(インド・ブラジル・ASEAN)を含むグローバル市場を対象とする。
ビジネスモデル
当社グループは、基礎研究から新製品開発を本社主導で行い、グループ生産会社が製品を組み立て当社に供給する垂直統合型の製造体制を採る。販売は国内では小売店・代理店経由、海外では地域販売子会社・代理店経由で行い、直営店・直販ECチャネルの拡大による高マージン販売も推進している。
収益の大部分はG-SHOCKや関数電卓等の自社ブランド製品の販売代金であり、ブランド力と製品差別化が収益性の鍵となる。
企業の強み
G-SHOCKは耐衝撃ウオッチとして世界的認知を持ち、5000・5600・2100シリーズ等のエントリーラインから高価格帯のMT-Gまで幅広いラインアップを展開。2026年3月期に時計セグメント売上高184,966百万円・営業利益27,125百万円・営業利益率14.7%を達成し、グループ収益の中核を担う。
EdTech事業の関数電卓は教育現場向けに新興国・欧州を中心に普及を拡大。2026年3月期のコンシューマセグメントは売上高82,057百万円を維持しつつ営業利益が前期比57.8%増の3,415百万円に拡大。ユーザーインターフェイス進化やエリア特性に合わせた専用機開発等の製品開発力が競争優位の源泉。
2026年3月期末の自己資本比率は66.9%(前期比0.9ポイント増)、現金及び現金同等物は150,600百万円超。無借金に近い財務健全性を維持しながら、設備投資12,522百万円(羽村技術センター建て替え等)や自己株式取得5,000百万円・配当10,200百万円の株主還元を同時に実施できる財務余力を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の営業利益62.1%増に続き、2027年3月期Q1も売上高74,511百万円(+19.8%)、営業利益12,811百万円(+243.5%)と成長が加速。時計セグメントの2軸戦略牽引に加え、EdTechの受注前倒しも寄与した。
通期予想は売上300,000百万円(+8.6%)、営業利益34,000百万円(+47.4%)に上方修正され、V字回復から本格的な収益拡大局面への移行を示唆する。ただし米国関税還付や中東情勢等の外部要因が下期の変動リスクとして残る。
成長戦略
時計2軸ブランド戦略を軸に、EdTech強化とサウンド構造改革で収益基盤を拡充
定番シリーズ再訴求とコラボモデル投入、アンバサダーマーケティングにより、2027年3月期Q1で時計売上+29%、セグメント利益+177%を達成。中東以外の全エリアで伸長し戦略の実効性が確認された。
関数電卓の新興国・欧州でのシェア拡大とサービス化を推進。Q1は新学期需要地域での受注前倒しにより増収を確保したが、通期での持続性が今後の焦点。
グローバルで厳しい市況が続く中、Q1は売上横ばい。その他セグメント全体の損失は前年同期△529百万円から△280百万円へ縮小しており、構造改革が徐々に進捗。
最終更新: 2026年8月2日

