事業内容
株式会社エノモトは1967年創業の精密電子部品メーカーで、金型技術を基盤にパワー半導体用リードフレーム、オプト(LED)用リードフレーム、コネクタ用部品の3製品群を製造・販売する。国内4工場(山梨・青森・岩手)と海外2工場(フィリピン・中国)を展開し、自動車・スマートフォン・産業機器・民生用機器メーカーを主要顧客とする。
金属プレス・カシメ・樹脂成形を複合させた精密加工技術が強みであり、日亜化学工業やFujikura Conec(タイランド)など大手顧客との取引実績を持つ。東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
金型の設計・製作から試作・量産・メッキ加工・樹脂成形に至る一貫生産体制を国内外6工場で構築し、部品メーカーへ直接販売することで付加価値を取り込む。メッキ工程の内製化や製造工程の自動化・効率化により製造コストを低減しながら、高付加価値製品(マイクロコネクタ、ハイエンドLED用リードフレーム等)の比率向上で製品ミックス改善を図り収益性を高める構造を志向している。
企業の強み
「抜き・曲げ」に「つぶし・絞り」および樹脂成形を複合させた独自技術により、世界最小クラスの部品加工を実現している。スマートフォン向けマイクロコネクタ用部品など極小化が求められる製品への対応力は、競合が短期間で模倣困難な技術的参入障壁を形成している。
国内4工場(山梨・青森・岩手)と海外2工場(フィリピン・中国)を展開し、金属プレス加工からメッキ加工・樹脂成形まで設計から製造までの一貫生産を実施。2026年3月期の受注残高は3,111,007千円(前年同期比18.0%増)と積み上がっており、安定的な受注・供給体制が顧客からの信頼を裏付けている。
2025年12月に日亜化学工業と資本業務提携契約を締結。LED用リードフレームの新規案件において優先的に製造委託先として検討される契約を取得した。
2026年3月期における日亜化学工業向け売上高は4,277,735千円(売上構成比14.0%)と前期の9.3%から大幅に拡大しており、提携効果が業績に反映されている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期25,244百万円を底に、2025年3月期26,880百万円(+6.5%)、2026年3月期30,415百万円(+13.2%)と加速回復。営業利益は2024年3月期160百万円から2026年3月期1,651百万円へ約10倍に拡大し、営業利益率は0.6%→2.3%→5.4%と改善が続く。
成長ドライバーはLED用リードフレームの量産本格化(+54.0%)とコネクタ用部品の好調(+19.2%)。外部要因として米国関税政策による自動車向け駆け込み需要(期前半)とスマートフォン当期モデルの好調な売れ行きが追い風となった一方、産業用機器向けの在庫調整継続がパワー半導体用リードフレームの足を引っ張った(▲5.8%)。
営業CFは2,499百万円(前期732百万円)と大幅改善し、財務健全性も自己資本比率67.8%と高水準を維持。
成長戦略
高付加価値品シフト・スマートファクトリー化・生産能力強化の3軸で収益力最大化
長期経営ビジョン1st STEPとして実施した津軽工場増築により、民生用機器向けハイエンドLED品の量産体制を確立。2026年3月期にオプト用リードフレーム売上高が前年同期比54.0%増と大幅成長し、投資効果が顕在化。
一層の高い技術力が求められるマイクロコネクタ用部品への挑戦を継続。コネクタ用部品全体で2026年3月期前年同期比19.2%増を達成し、スマートフォン向け・自動車向けともに堅調。製品ミックス改善による収益性向上に寄与。
高騰する金属価格への対応としてメッキ工程のコスト削減を推進。製造工程の自動化・効率化により固定費吸収力を高め、2026年3月期の営業利益率5.4%(前期2.3%)達成に貢献。スマートファクトリー実現に向けた取り組みを継続強化。
金属と樹脂の精密複合加工技術を基軸に、xEV・ADAS・AI・産業ロボット等の成長分野向けに新たな顧客開拓を積極推進。中長期的な電子部品需要増加を取り込み、特定顧客・製品への依存度低減を図る。
最終更新: 2026年7月19日

