事業内容
ウシオ電機は1964年創業の光源・光学装置専業メーカーで、連結子会社44社を含むグループで事業を展開する。主力のIndustrial Process事業では半導体露光用ランプ・露光装置を製造販売し、Visual Imaging事業ではCHRISTIEブランドのデジタルシネマ・一般映像向けプロジェクターをグローバルに展開する。
Life Science事業では環境衛生・紫外線治療機器、Photonics Solution事業では固体光源デバイスを手掛ける。売上高179,211百万円(2026年3月期)を計上し、半導体・映像・ライフサイエンスにまたがる多角的な光技術事業体を形成している。
ビジネスモデル
製品販売(露光装置・プロジェクター・ランプ等)を主軸としつつ、設置済み装置の保守メンテナンスサービスによる継続的な収益を積み上げる構造を持つ。Industrial Process事業が売上高77,142百万円、Visual Imaging事業が83,882百万円と二大セグメントが収益を牽引し、研究開発費13,547百万円を投じて技術優位性を維持する。
ams-OSRAM AG光源事業買収により光源業界の再編を主導し、調達・生産シナジーによるコスト競争力強化も図る。
企業の強み
投影露光装置(ステッパ)・直描式露光装置(DLT)・デジタルリソグラフィ装置(アプライドマテリアルズ社との業務提携)・ガラス基板用露光装置と、半導体アドバンスドパッケージ向け露光装置のフルラインアップを保有。2024年にガラス基板用露光装置の初号機を上市し、DLT装置も2026年3月期に初売上を計上した。
1992年に買収したCHRISTIEブランドを核に、シネマ・テーマパーク・イベント向け高輝度プロジェクターをグローバルに展開。Visual Imaging事業の売上高は83,882百万円(2026年3月期)で前年同期比3.7%増を達成し、構造改革によるコスト改善でセグメント利益は前年同期比539.7%増の4,667百万円に急回復した。
2026年3月2日にams-OSRAMグループのランプ事業買収を完了し、USHIO INE GmbHを通じて光源事業の収益基盤を強化。調達・生産・技術面でのシナジー効果を見込み、光源業界の再編を主導する立場を確立した。
Industrial Process・Visual Imaging・Life Scienceの各セグメントへの増収寄与が期待される。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期の179,420百万円をピークに横ばい圏で推移し、2026年3月期は179,211百万円(前期比0.9%増)。営業利益は2023年3月期の15,861百万円をピークに2期連続で大幅減少した後、2026年3月期は11,959百万円(前期比35.5%増)と回復に転じた。
回復の主因はVisual Imaging事業の構造改革効果(棚卸資産評価損解消)とLife Science・Photonics Solutionの黒字転換。外部要因として米ドルが前期比3円円高の150円となり売上高に若干の逆風。
当期純利益は7,995百万円(前期比17.6%増)。包括利益は前期の△2,764百万円から23,524百万円へ大幅改善(為替換算調整勘定の好転が主因)。
成長戦略
「Revive Vision 2030」のもとIndustrial Process集中投資とams-OSRAM買収効果の早期実現
直描式露光装置(DLT)は生成AI向けサーバー需要増加を背景に2026年3月期も販売増加を達成。投影露光装置はサブストレート基板メーカーの設備投資回復傾向を受け受注・引き合いが増加しており、次期の売上増加に貢献する見込み。
デジタルリソグラフィ装置(DLG)は基板大判化技術の採用遅延で本格立ち上がりが遅れているが、関連メーカーからの受注・引き合いは増加傾向。
2026年3月期にUSHIO INE GmbHを通じてams-OSRAM AGの産業・エンターテインメント用ランプ事業を買収。Industrial Process・Visual Imaging・Life Scienceの各事業で次期増収効果が見込まれる。
買収に伴うのれんは635百万円から7,063百万円へ増加しており、統合効果の早期実現が財務健全性維持の観点からも重要。
2026年3月期に製品ポートフォリオ見直しと構造改革を実施し、セグメント利益が4,667百万円(前期比539.7%増)と大幅改善を達成。次期もシネマ向けプロジェクター置き換え需要の堅調推移と一般映像向けハイエンドプロジェクターの販売増加により増収増益を見込む。
事業構造改善費用は6,330百万円(前期5,707百万円)と依然高水準であり、費用の逓減が収益性向上の鍵。
Life Science事業は植物育成向けナトリウムランプの販売増加と新規案件の投資対象見極めにより、2026年3月期にセグメント利益140百万円(前期損失1,079百万円)へ黒字転換。Photonics Solution事業も案件の選択と集中により564百万円(前期損失415百万円)へ黒字転換。
次期は両事業ともに横ばい水準での利益維持を見込み、経費コントロールと案件管理強化を継続する方針。
最終更新: 2026年7月19日

