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株式会社アバールデータ

6918東証スタンダード電気機器

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事業内容

株式会社アバールデータは1959年創業の産業用電子機器メーカーで、東京証券取引所スタンダード市場に上場。事業は「受託製品」と「自社製品」の2セグメントで構成される。

受託製品では半導体製造装置の制御部・産業用制御機器・計測機器を東京エレクトロングループや㈱ニコン等の主要顧客向けに受託開発・製造・販売する。自社製品では組込みモジュール・画像処理モジュール・計測通信機器(GiGA CHANNELシリーズ等)を独自開発し、半導体製造装置・医療機器・FA・電力通信等の多様な産業向けに展開する。

神奈川県厚木市の本社工場に加え、2024年6月に山梨R&Dセンターを開設し研究開発体制を強化している。

ビジネスモデル

受託製品セグメントは顧客の仕様に基づく開発・製造・販売で売上規模を確保し(2026年3月期売上高5,714百万円、営業利益率10.5%)、自社製品セグメントは独自開発モジュールの販売で高い利益率を実現する(同3,115百万円、営業利益率23.4%)。自社製品技術をベースに提案型受託開発を行うことで競争力と付加価値を最大化する戦略を採る。

資金調達は無借金・自己資本中心で、自己資本比率90.0%の強固な財務基盤を維持する。

企業の強み

2011年に高速画像インターフェイスCoaXPress規格採用の画像処理モジュールを世界で初めて開発・販売。2026年3月期には最速100Gbps伝送を実現するCoaXPress over Fiber対応フレームグラバボードを開発するなど、業界標準規格への先行対応で技術的差別化を継続している。

2026年3月期末の自己資本比率は90.0%、純資産は20,313百万円。無借金経営を維持し、短期運転資金・設備投資資金ともに自己資金で対応。流動性比率は1,180.7%に達し、半導体業界特有の急激な需要変動に対しても財務的耐性が高い。

東京エレクトロン宮城㈱(売上高1,938百万円、構成比22.0%)、東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ㈱(1,841百万円、20.9%)、㈱ニコン(939百万円、10.6%)が主要顧客。㈱ニコンとは1976年から半導体製造装置関連機器の製作を開始しており、50年近い取引実績を持つ。

エンヴァリスの着眼点

会社側は2027年3月期に売上高15.5%増・営業利益73.9%増の大幅回復を予想。外部要因として半導体製造装置需要が回復に転じており、市場環境として生成AI・HBM向け需要の高水準継続が追い風となる見通し。

一方、2026年3月期の在庫調整が想定通り解消されるか、米国通商政策の不確実性が顧客の設備投資計画に影響しないかが予想達成の鍵となる。

自己資本当期純利益率は2026年3月期2.74%と、会社目標の9%以上を大幅に下回り、前期(5.31%)からさらに悪化。売上高営業利益率も7.8%(前期12.9%)と低下が続く。

2023年3月期ピーク(売上高14,391百万円・営業利益2,397百万円)からの落ち込みは大きく、2027年3月期予想でも営業利益1,200百万円はピーク比50%水準にとどまる。収益性の本格回復には半導体市況の一段の改善が不可欠。

2026年3月期の年間配当は100円(前期70円から大幅増配)、配当性向は109.5%と当期純利益を上回る水準。DOEを補完的指標として導入し安定配当を志向する姿勢は評価できる。

ただし、純資産配当率3.0%・配当金総額597百万円に対し当期純利益554百万円と利益を超過した配当が継続する場合、財務基盤の厚さに依存した還元政策となる点は中長期的に注視が必要。

成長戦略

AI・HBM需要取込み、研究開発新拠点活用、自社製品高付加価値化による多角的成長

HBM向け装置需要は引き続き高水準で推移しており、受注残の消化が進む中で2027年3月期の受託製品セグメント回復を牽引する見込み。東京エレクトロングループとの深固な関係を活かし、装置の付加価値向上に資する制御部の提供を継続する。

研究開発に特化した新拠点を設置し、次世代製品の開発を積極化。戦略パートナーとの協業強化により早期ビジネス化を図る。2026年3月期は先行投資を継続しており、成果の顕在化は中期的な課題。

自社製品関連商品(ソフトウェア・周辺機器)の高額商品販売が2026年3月期に前期比129.9%増(259百万円)と大幅拡大。高付加価値製品展開による既存顧客需要の伸長と新製品への経営資源投入を継続し、自社製品セグメントの高収益性(営業利益率23.4%)を維持・向上させる。

FA関連の調整局面が続く中、検査装置・社会インフラ・医療機器・電力関連での需要回復を取込む。㈱ニコンが新たに主要顧客として台頭(939百万円)するなど顧客基盤の多様化が進展しており、特定顧客集中リスクの低減と安定的な収益確保を目指す。

最終更新: 2026年7月19日