事業内容
菊水ホールディングス株式会社は、1949年創業の電気計測器メーカーを前身とし、2022年に持株会社体制へ移行した。主力製品は直流電源・交流電源・電子負荷装置等の電源機器群(売上高の約73%)と、安全関連試験機器・航空用電子機器等の電子計測器群(約23%)で構成される。
主要顧客は車載・EV、データセンター、半導体、航空宇宙・防衛、再生可能エネルギー等の幅広い産業分野に及ぶ。国内販売に加え、米国・欧州・中国・インド等に現地子会社を持ち、海外売上高は5,151百万円(売上高比約35%)に達する。
ビジネスモデル
菊水電子工業が研究開発・販売を、菊水エムズが製造を担う機能分担体制のもと、電源機器・電子計測器を自社開発・製造し、国内外の顧客に直販・代理店経由で販売する。修理・校正サービス(555百万円)も提供し、製品販売後の継続的な顧客接点を維持する。
研究開発費は1,359百万円(売上高比9.3%)と高水準を維持し、技術差別化による製品競争力の確保を収益基盤としている。
企業の強み
当連結会計年度の研究開発費は1,359百万円(売上高比9.3%)に達し、バッテリ・パワーデバイス・モーター・次世代エネルギー分野の先行開発に重点投資している。工業所有権は86件を保有し、EV向け双方向OBC評価対応の交流電源や大容量双方向直流電源PXBシリーズ等、顧客ニーズに即した新製品を継続的に市場投入している。
米国・欧州(ドイツ)・中国・インドに現地販売・修理子会社を持ち、2023年にKikusui Electronics Europe GmbH、2025年にKIKUSUI ELECTRONICS INDIA PRIVATE LIMITEDを設立するなど拠点拡充を継続している。海外売上高は5,151百万円(前年同期比12.2%増)と国内を上回る成長率を示しており、グローバルな顧客対応体制が競争優位を形成している。
当連結会計年度末の総資産19,117百万円に対し純資産は15,693百万円(自己資本比率約82%)と極めて健全な財務構造を維持している。資金調達は自己資金を基本とし、現金及び現金同等物は5,736百万円。
営業キャッシュフローは2,283百万円と安定的に創出されており、研究開発・設備投資への継続的な資源配分を可能にしている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は売上高14,688百万円(前期比9.4%増)、営業利益2,135百万円(同6.9%増)、当期純利益1,609百万円(同11.8%増)と全指標で過去最高を更新。電源機器群が車載・エネルギー・半導体・データセンター向け設備投資需要を取り込み前期比11.6%増と牽引。
海外売上高も前期比12.2%増と好調。一方、外部要因として海外製品仕入コスト増・円安による物価上昇が利益率を圧迫し、営業利益率は14.5%と前期14.9%から微低下。
2027年3月期は売上高14,700百万円・営業利益2,150百万円と実質横ばいを予想しており、成長ペースは鈍化局面に入りつつある。
成長戦略
eモビリティ・次世代エネルギー・パワー半導体・データセンターの4重点市場でグローバル展開を加速
eモビリティ、次世代エネルギー、パワー半導体、データセンターを重点市場と位置付け、展示会出展・Webマーケティングを通じたソリューション提案を継続。2026年3月期は各市場向け設備投資需要を取り込み売上高9.4%増を達成。
2026年3月期にKIKUSUI ELECTRONICS INDIA PRIVATE LIMITEDを新設し連結子会社7社体制へ。インドではEV関連市場・データセンター関連市場向け交流電源が好調に推移しており、新興市場での事業基盤構築が進展。
営業DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、Webマーケティング活用によるブランドプレゼンス向上とユーザーリレーション強化を図る。DX推進に伴う経費増加が見込まれるが、中長期的な営業効率改善を目指す。
研究開発費を1,359百万円(前期比8.0%増)に拡大し、顧客課題解決に資する製品開発を継続。無形固定資産も289百万円(前期55百万円)へ大幅増加しており、ソフトウェア等への投資が加速している。
最終更新: 2026年7月19日

