事業内容
原田工業株式会社は1958年設立の車載アンテナ専業メーカーで、自動車ラジオ用アンテナ(ポールタイプ・シャークフィンタイプ等)を中心に、TV用アンテナ、アンプ類、ETC用アンテナ、中継ケーブル等を製造・販売する。国内販売(日本)、製造・販売(アジア:中国・ベトナム・フィリピン)、北中米(メキシコ製造・米国販売)、欧州(英国・ドイツ)の4極体制を構築し、子会社12社・関連会社1社を含むグループで事業を展開する。
主要顧客はトヨタ自動車をはじめとする国内外の自動車OEMメーカーであり、2026年3月期の連結売上高は42,192百万円。東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
アジア(大連・ベトナム・フィリピン)およびメキシコの製造拠点で生産した車載アンテナを、日本・北中米・欧州の販売子会社を通じて自動車OEMメーカーへ供給する。製造拠点からの内部売上高(アジアセグメント間内部売上高18,507百万円)が外部売上高を大幅に上回る構造が示すとおり、低コスト地域での集中生産と各市場への効率的な供給が収益の根幹をなす。
研究開発は日本・ドイツ・米国・中国(上海)の4拠点で実施し、CASE対応製品の開発を推進している。
企業の強み
1958年の創業以来、中国(大連・上海)、ベトナム、フィリピン、メキシコに製造拠点、米国・英国・ドイツに販売・開発拠点を構築。アジアセグメントの生産実績29,220百万円、北中米12,050百万円と、グローバルな多拠点製造体制を確立しており、競合が短期間で模倣困難な地理的・組織的優位性を持つ。
2022年3月期に営業損失1,163百万円を計上した後、中国子会社の機能再編等のコスト構造改革を推進。2026年3月期の営業利益は2,398百万円(前期比38.7%増)、インタレスト・カバレッジ・レシオは15.0倍(前期1.9倍)、自己資本比率は38.2%(前期34.4%)へ改善し、財務体質の強化が数値で確認できる。
日本、ドイツ、米国、中国(上海)に研究開発部門を設置し、2026年3月期の研究開発費は876百万円。ADAS関連アンテナ、5G対応アンテナ、C-V2X通信用アンテナ、マルチGNSS対応アンテナ等の開発を推進し、ITS connect用アンテナの量産開始や高速データ伝送ケーブルの量産納入を実現している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期の46,993百万円をピークに2期連続で減収(2025年3月期44,817百万円→2026年3月期42,192百万円)。欧州・北中米市場の減産や中国市場における日系自動車メーカーの販売台数減少が継続している。
一方、営業利益は2022年3月期の赤字(△1,163百万円)から5期連続で改善し、2026年3月期は2,398百万円と過去5期で最高水準に達した。外部要因として材料費・労務費の高騰が続く中、中国子会社の機能再編や欧州の黒字転換など収益構造改革の効果が顕在化。
営業活動によるキャッシュ・フローも4,168百万円(前期855百万円)と大幅改善し、財務体質の強化が進んでいる。2027年3月期は売上高39,000百万円・営業利益2,000百万円を予想しており、米国通商政策の影響等を保守的に織り込んでいる。
成長戦略
CASE対応・コスト構造改革・B/Sスリム化の3本柱で収益基盤を確立
コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化に対応した車載アンテナ製品の拡充により、新規需要を取り込みトップラインの拡大を目指す。周辺事業・新規事業の拡大も並行して推進し、収益基盤の多様化を図る。
中国子会社の機能再編(2026年3月期にアジアセグメント営業利益402.2%増の効果を確認)、欧州の黒字転換(前期損失147百万円→当期利益316百万円)など、地域別の原価率低下施策を継続推進。売上高営業利益率は5.7%と改善が進んでいる。
総資産を2026年3月期末35,843百万円(前期末38,932百万円から3,089百万円減)へ圧縮。短期借入金の削減(16,534百万円→14,067百万円)や売上債権の回収促進(受取手形・売掛金等2,250百万円減)により財務体質を改善。自己資本比率は38.2%(前期34.4%)へ向上。
2027年3月期の配当予想を1株当たり10.00円(当期7.50円から2.50円増配)に引き上げ。収益体質の改善を踏まえた増配方針であり、配当性向は35.3%を予定。安定配当の維持を基本方針としつつ、業績連動での還元拡大を志向している。
最終更新: 2026年7月19日

