事業内容
澤藤電機株式会社は1919年創業の老舗電機メーカーで、「電気をつくる・ためる・つかう」をコンセプトに、商用車向け電装品(スタータ・オルタネータ・HV/EVモータ等)、可搬式発動発電機(自社ブランド「ELEMAX」)、車両・船舶用電気冷蔵庫(自社ブランド「ENGEL」)の3事業を展開する。日野自動車を筆頭取引先とし、国内商用車メーカーへの部品供給が主軸。
子会社3社(オーストラリア・タイ含む)を通じてグローバルに事業を展開し、2025年3月期の連結売上高は23,601百万円。東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
収益の約63%を占める電装品事業では、日野自動車等の商用車メーカーに対してスタータ・オルタネータ・HV/EVモータ等を受注生産・納入する。発電機事業は受託生産と自社ブランド「ELEMAX」の世界販売を組み合わせ、冷蔵庫事業は「ENGEL」ブランドでオーストラリアを中心に展開する。
設備投資(2025年3月期1,771百万円)と研究開発(同817百万円)を継続的に実施し、製品競争力を維持する構造。
企業の強み
1919年創業以来、自動車用スタータ・オルタネータの製造から始まり、2019年にHVモータ、2022年にEVモータの製造販売を開始。巻線技術をはじめとするコア技術を商用電動車向けに進化させており、技術の連続性が新製品開発の基盤となっている。
2025年3月期の電装品事業はセグメント売上高14,880百万円に対しセグメント利益1,436百万円(利益率9.7%)を計上。全社営業利益76百万円を大幅に上回る利益を創出しており、グループ収益の実質的な支柱となっている。
冷蔵庫事業では「ENGEL」ブランドでオーストラリアを中心に展開し、2025年3月期売上高4,653百万円・セグメント利益率10.3%を維持。発電機事業では「ELEMAX」を世界各国に販売し、工事・災害現場等で高い品質・信頼性評価を獲得している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2025年3月期の23,601百万円から2026年3月期は25,014百万円(前期比6.0%増)へ回復した。発電機事業が前期比36.1%増の5,290百万円と牽引し、電装品事業も新規受託生産開始で1.2%増の15,062百万円となった。
営業利益は76百万円から312百万円へ310.1%増と大幅改善し、経常利益も214百万円から525百万円へ145.2%増加した。一方、公開買付関連費用273百万円・減損損失85百万円の特別損失計365百万円が発生し、親会社株主帰属当期純利益は247百万円から33百万円へ86.4%減少した。
5期の推移では2024年3月期(営業利益563百万円)をピークに2025年3月期に急落後、2026年3月期は本業レベルでの回復局面にある。なお、2027年3月期の業績予想は上場廃止予定を理由に非開示である。
成長戦略
商用車電動化対応と自社ブランド強化を軸とした「チャレンジ2030」の実現
HV・EVモータ、ECU等の電動化製品の開発を推進し、開発費回収収入の増加と量産受注の獲得を目指す。2026年3月期は電動化商品の開発費回収増加が電装品事業の増収に貢献しており、商用車電動化シフトの本格化に備えた製品ラインアップの拡充を継続している。
国内主要取引先の販売減少を補完するため、新規受託生産案件の獲得を推進している。2026年3月期に新規受託生産を開始し、電装品事業の売上高増加に寄与した。既存の製造インフラを活用した受託生産拡大により固定費吸収効果の改善を図る。
発電機「ELEMAX」は受託生産・自社ブランド双方の販売増加で2026年3月期に売上高が前期比36.1%増と大幅拡大した。冷蔵庫「ENGEL」はオーストラリア向け現地販売が増加し、セグメント利益率が13.0%へ改善した。仕入れコスト上昇の価格転嫁と原価低減の両輪で収益性を維持している。
2025年12月22日から2026年2月9日の公開買付けを経て、ARTS-4株式会社が当社株式56.65%を取得。2026年4月14日の臨時株主総会で株式併合(653,500株を1株に)が承認され、2026年5月15日に上場廃止予定。
上場廃止後はARTS-4からの極度貸付契約(上限13,000百万円)に基づく資金調達に移行する。
最終更新: 2026年7月17日

