事業内容
株式会社フェローテックは、1980年設立の半導体・電子デバイス向け素材・部品メーカーで、連結子会社80社を含む98社体制でグローバル展開する。主力の半導体等装置関連事業では真空シール・石英製品・セラミックス・CVD-SiC・シリコンパーツ・部品洗浄サービスを半導体製造装置メーカーや半導体デバイスメーカーに供給する。
電子デバイス事業ではサーモモジュール・パワー半導体用基板・磁性流体・センサを展開し、生成AIサーバー向け光トランシーバーや産業機械・EV向けパワー半導体に製品を供給する。製造拠点は中国(杭州・寧夏・安徽・江蘇等)を中心に、マレーシア・日本・米国・欧州・ロシアに広がり、2026年3月期の連結売上高は288,933百万円に達する。
ビジネスモデル
フェローテックは、真空技術・精密金属加工・熱電変換・セラミックス等の要素技術を自社で保有し、半導体製造装置メーカーや半導体デバイスメーカーに消耗品・部品・洗浄サービスを継続的に供給することで収益を得る。中国を中心とした低コスト量産拠点と日本・米国の技術開発拠点を組み合わせ、国際競争力のある価格と高品質を両立する。
装置稼働率に連動した消耗品需要により、半導体サイクルに応じた売上変動はあるものの、複数製品・複数顧客への分散供給が収益の安定性を支える。
企業の強み
真空シール・石英・セラミックス・CVD-SiC・シリコンパーツ・部品洗浄を単一グループ内で開発・製造・販売する体制を持つ。2026年3月期の半導体等装置関連事業売上高は185,139百万円(前期比12.0%増)、受注高188,733百万円(前期比13.2%増)と拡大しており、LAM RESEARCH CORPORATIONへの販売額は37,332百万円(売上高比12.9%)に達する。
中国(杭州・寧夏・安徽・江蘇・四川等)に主力量産拠点を構え、2022年にマレーシア・ケダ州、2023年にマレーシア・ジョホール州へ拠点を拡張。2026年3月期の設備投資総額は54,598百万円に達し、有形固定資産は前期比36,043百万円増加。
顧客の地域調達戦略に対応できる多拠点体制を実績として構築している。
電子デバイス事業では生成AIサーバー向け光トランシーバー用サーモモジュールが高水準需要を維持し、2026年3月期売上高57,584百万円(前期比14.1%増)、営業利益率18.2%を達成。パワー半導体用基板(DCB・AMB)は産業機械・エネルギー・EV向けに江蘇・四川・マレーシアの複数拠点で製造し、供給能力の増強を継続している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期133,821百万円から2026年3月期288,933百万円へ5年間で2倍超に拡大したが、成長率は鈍化傾向(2023年3月期57.5%増→2026年3月期5.3%増)。営業利益は2026年3月期27,561百万円と前期比14.4%増で改善し、営業利益率も9.5%(前期8.8%)に回復したが、2023年3月期の16.6%には遠く及ばない。
親会社株主帰属純利益は14,886百万円と2023年3月期29,702百万円の半分以下の水準が続く。外部要因として生成AI投資継続が半導体装置関連・電子デバイス事業を牽引する一方、EV市場低迷・為替差損・持分法投資損失拡大が純利益を抑制している。
2026年12月期(9ヵ月間)予想は売上高350,000百万円・営業利益38,000百万円・純利益23,000百万円と大幅な改善を見込む。
成長戦略
半導体・生成AI需要を取り込む多拠点展開と製品ポートフォリオ拡充で持続的成長を目指す
真空シール・金属受託加工・石英・セラミックスを中心に増強した加工能力を背景に欧米・中国双方のメーカーニーズを取り込む。2026年3月期に同事業売上高185,139百万円(前期比12.0%増)・営業利益16,048百万円(前期比30.4%増)を達成し、有形固定資産取得54,197百万円の積極投資を継続中。
旺盛な生成AIサーバー投資を背景に大容量通信タイプの光トランシーバー向けサーモモジュールの拡販を継続。2026年3月期に電子デバイス事業営業利益率18.2%を達成しており、高収益セグメントとして成長を牽引している。
中国集中リスクを低減するため、マレーシア・日本(石川・熊本)への生産拠点展開を推進。関西工場から石川工場への生産設備移設等を実施(固定資産処分損474百万円を計上)。顧客の地域調達戦略への対応力強化を図る。
2026年6月26日開催予定の定時株主総会での定款変更承認を条件に、2026年度より決算期を12月期に変更。連結子会社の大半が12月決算であり、連結管理の効率化・透明性向上を図る。2026年12月期は9ヵ月の経過期間となる。
再生ウエーハ事業会社が外部出資を受け入れ持分法適用会社となる予定であり、連結売上高・営業利益の計上がなくなる見込み。事業ポートフォリオの選択と集中を進め、コア事業への経営資源集中を図る。
最終更新: 2026年7月19日

