株式会社三社電機製作所 logo

株式会社三社電機製作所

6882東証スタンダード電気機器

株式会社三社電機製作所 logo
株式会社三社電機製作所6882

事業内容

株式会社三社電機製作所は1933年創業のパワーエレクトロニクス専業メーカーで、半導体事業(パワー半導体素子・SiCデバイス)と電源機器事業(産業用電源・パワーコンディショナー・UPS等)の2セグメントを展開する。国内外9子会社・1関連会社を擁し、米国・香港・シンガポール・中国に販売・製造拠点を持つグローバル体制を構築。

主要顧客は製造業・インフラ・データセンター・再生可能エネルギー関連事業者であり、小型カスタム電源から大型電源システムまで幅広い産業用途に対応する。東京証券取引所スタンダード市場上場。

ビジネスモデル

半導体事業では自社設計・製造のパワーモジュール・SiCデバイスを国内外の産業機器メーカーに販売。電源機器事業では電力変換技術を基盤に標準品・カスタム品の両軸で電源装置を提供し、パワーコンディショナーのメンテナンス需要を取り込むサービス収益も拡大中。

2026年3月期の電源機器事業売上高20,283百万円が全体の76%を占め、同セグメントが安定的な収益基盤を担う構造となっている。

企業の強み

電源機器事業は2026年3月期に売上高20,283百万円、セグメント利益2,026百万円、営業利益率9.99%を達成。前期比12.2%の利益増を実現し、固定費削減と増収効果が重なった。

データセンター向け表面処理用電源・UPS・サービス分野が複数の需要源として機能し、単一顧客依存度を分散した収益構造を持つ。

半導体開発グループが電力用半導体チップ設計からモジュール製品・プロセス技術まで一貫して担う。1,700V耐圧SiC-MOSFETモジュールに加え1,200Vタイプの開発を完了し、SiCウエハ利用効率を高めた第二世代チップも開発中。

研究開発費は2026年3月期に1,432百万円を投じており、高信頼性モジュールはエレベーター・サーボドライブ等インフラ分野での採用実績を持つ。

2026年3月期末の自己資本比率は76.2%(前期72.5%から3.7ポイント改善)、純資産24,925百万円、現金及び現金同等物6,761百万円を保有。有利子負債は短期借入金2,200百万円にとどまり、営業キャッシュ・フローは3,370百万円と大幅に改善。

財務的な安定性が高く、中期的な設備投資・研究開発投資の自己資金対応余力を有する。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の親会社株主帰属当期純利益は381百万円(前期比24.2%減)と、営業利益が29.1%増加したにもかかわらず最終利益は減少した。持分法による投資損失250百万円(前期72百万円)の急拡大、減損損失245百万円の計上、法人税等426百万円の負担が重なった。

半導体事業のセグメント損失は639百万円と前期の731百万円から改善しているものの、赤字継続が全社収益の重石となっている。

2026年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは3,370百万円と前期950百万円から大幅改善し、財務健全性は向上した。一方、年間配当40円(配当総額536百万円)に対し当期純利益381百万円にとどまり、配当性向は139.6%と利益を大幅に上回る水準が継続。

中期経営計画の配当方針(配当性向30%もしくは40円の高い方)に基づく安定配当維持の姿勢は評価できるが、純利益の回復が伴わない場合の持続可能性は引き続き注視点である。

2027年3月期の業績予想は売上高28,000百万円(前期比5.1%増)、営業利益1,300百万円(同6.2%減)、親会社株主帰属当期純利益910百万円(同138.7%増)。純利益の大幅回復予想は、前期に計上した減損損失245百万円・持分法損失250百万円等の一過性損失の剥落を主因とみられる。

外部要因として、AIおよびデータセンター拡大に伴う電源需要の継続的取り込みと、2026年3月期第4四半期から回復傾向にある半導体需要の持続が実現の前提条件となる。

成長戦略

中期経営計画「CF26」最終年度に向けSiC拡充とデータセンター向け電源需要を加速取り込み。

SiCチップの改良および製品ラインアップ拡充を継続し、高効率・高耐圧分野での販路拡大を加速。インフラ関連需要を取り込む大容量デバイスの技術確立にも注力。2026年3月期第4四半期から顧客需要の回復傾向が確認されており、2027年3月期の業績回復の主要ドライバーと位置付けられている。

AIおよびデータセンターの拡充が進む中、サーバー関連基板で求められる高精度の表面処理用電源分野での需要を捉えて販売を拡充。2026年3月期においても電源機器事業の増収に貢献しており、2027年3月期も継続的な需要取り込みを見込む。

設計作業の標準化による工数削減・リードタイムの短縮を推進し、生産性向上に取り組む。2026年3月期の有形固定資産取得支出は1,215百万円。2027年3月期も生産性向上および開発投資を継続予定。電源機器事業の固定費削減効果が2026年3月期のセグメント利益12.2%増に寄与した。

パワーコンディショナーのメンテナンス需要の高まりを背景にサービス分野の売上が拡大。製品販売に加えアフターサービス収入を積み上げることで収益の安定化と顧客との長期関係構築を図る。2026年3月期においてサービス分野の売上拡大が電源機器事業の増収に貢献した。

最終更新: 2026年7月19日