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日置電機株式会社

6866東証プライム電気機器

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日置電機株式会社6866

事業内容

日置電機は1952年創業、長野県上田市に本社を置く電気計測器の専業メーカーである。電気測定器事業の単一セグメントで構成され、自動試験装置・記録装置・電子測定器・現場測定器の4製品群を展開する。

国内外14の販売子会社を通じてグローバルに展開し、EV・ESS・データセンター・再生可能エネルギーなど脱炭素・電動化関連の産業を主要顧客層とする。2025年12月期の売上高は40,532百万円、海外売上高比率は63.6%に達し、中国・アジアを中心に国際展開を深化させている。

ビジネスモデル

自社の研究開発(売上高研究開発費比率10%以上を目安)で差別化製品を創出し、国内外の販売子会社14社を通じて顧客密着型の課題解決スタイルで販売する。無借金経営を基本とし、設備投資・研究開発費はすべて自己資金で賄う。

2025年12月期の売上高営業利益率は16.8%と高水準を維持しており、高付加価値製品の継続投入が収益基盤を支えている。

企業の強み

売上高研究開発費比率10%以上を目安に継続投資しており、2025年12月期の研究開発費は3,711百万円(売上高比9.2%)、研究開発関連設備投資を含めると5,693百万円(同14.0%)に達する。水素エネルギー向けインピーダンス計測システム「ALDAS-E」の開発やIEEE国際会議でのBest Paper Award受賞など、技術的優位性を示す実績を有する。

米国・中国・欧州・東南アジア・インド・中東・アフリカ等に14の海外販売子会社を展開。2025年12月期の海外売上高は25,794百万円(売上高比63.6%)と過去最高水準を維持。2025年3月にはベトナム子会社を新設し、アジア販売網をさらに拡充。中国売上高は前年比19.0%増と大幅成長を記録した。

2025年12月期末の総資産51,492百万円に対し純資産43,956百万円、自己資本比率は約85%と極めて健全な財務構造を維持。現金及び現金同等物は16,723百万円を保有し、全資金需要を自己資金で賄う無借金経営を継続。設備投資額4,168百万円を含む大型投資も自己資金で対応している。

エンヴァリスの着眼点

2026年12月期中間期は売上高24,129百万円(前年同期比23.5%増)、営業利益5,053百万円(同53.5%増)、中間純利益3,990百万円(同73.7%増)と大幅な増収増益を達成。通期予想(売上高47,700百万円、営業利益9,500百万円)に対する中間期進捗率は売上高50.6%、営業利益53.2%と順調であり、自動試験装置の受注高が前年同期比127.3%増と急拡大していることから後半期の売上計上加速も期待される。

通期予想の上振れ余地は相応に存在すると判断される。

今中間期の業績急拡大は、データセンター投資拡大による電子部品需要増(電子測定器売上高前年同期比34.9%増)と、再生可能エネルギー拡大を背景としたESS向けバッテリテスタ需要急伸という外部要因が主要ドライバーとなっている。台湾向け受注高が前年同期比204.7%増と突出しており、半導体・AI関連投資の集中を反映している。

これらの外部追い風が一巡した際の業績持続性、および中東情勢緊迫化による物流コスト上昇・部品代上昇リスクが今後の注視点となる。

中国向け売上高は前年同期比30.1%増の6,940百万円と全体の28.8%を占め、依存度は上昇傾向にある。地政学リスクが顕在化した場合の業績影響は大きい。

また、米国・イスラエルによるイラン攻撃を背景とした中東情勢緊迫化により、エネルギー価格高止まりや物流コスト上昇が継続しており、原材料・部品代の上昇が通期営業利益に影響を及ぼす可能性が会社側からも言及されている。前中間期に大きな為替差損(210百万円)が発生した点も踏まえ、為替変動リスクの管理状況を継続的に確認する必要がある。

成長戦略

ビジョン2030に基づく高付加価値製品投入・海外拡大・カーボンニュートラル達成の三位一体戦略

高周波・大電流測定対応の電流プローブ「CT6704」「CT6705」、大型車両向けクランプセンサー「CT6847A」、DC耐電圧絶縁抵抗試験器「ST5680A」、パワーアナライザ用ライセンス「PW9006」等を2026年中間期に投入。データセンター・EV・ESS・パワー半導体等の成長分野の高度化する計測課題に対応した高付加価値製品を継続的に市場投入している。

2026年4月に名古屋テクニカルセンターが本格稼働し、オートモーティブ・電池材料分野の評価設備を拡充。2026年6月にはベトナム子会社にアフターサービスセンターを開設し、日本語・英語・ベトナム語での現地対応体制を整備。

海外売上高比率75%目標に向け、各地域での修理・校正拠点整備とオンサイトサービス展開を推進中。

温室効果ガス排出量(スコープ1・2)についてSGSジャパンによる第三者検証を取得し、投資対応型カーボンニュートラルを達成。スコープ3も全カテゴリーで検証実施。

電流プローブ「CT6704」「CT6705」に再生プラスチックを採用。2025年度CDP「サプライヤーエンゲージメント評価」で最高評価「A」スコアを取得しSEAリーダーボードに掲載された。

材料計量工程の自動化、生産動線の最適化、検査ライン・設備の見直し等の効率化施策を推進し、工数削減・作業者負担軽減・工程安定化を図っている。2026年12月期中間期の売上高営業利益率は20.9%と前年同期(16.9%)から大幅改善しており、売上増加による固定費吸収効果と合わせて収益性向上に寄与している。

最終更新: 2026年7月17日