事業内容
日本電子材料株式会社は1960年創業の半導体検査用部品メーカーで、プローブカード(半導体ウェハの電気的特性を検査する消耗部品)の開発・製造・販売を中核事業とする。カンチレバー型(Cタイプ)、垂直型(Vタイプ)、MEMS技術を用いたMタイプの3系統のプローブカードを展開し、売上高の99%超を半導体検査用部品関連事業が占める。
主要顧客はマイクロンメモリジャパン、MICRON MEMORY TAIWAN、フラッシュフォワードなどのメモリー半導体メーカーで、国内外に9社の子会社を持つグローバルな販売・サポート体制を構築している。
ビジネスモデル
顧客の半導体製造プロセスや検査仕様に合わせてプローブカードをカスタム設計・製造し、国内工場(尼崎本社・熊本事業所・三田工場)および海外子会社を通じて販売する。プローブカードは消耗品であり継続的な需要が発生する。
受注高32,775百万円・受注残高11,783百万円(前期比140.7%増)が示すように、先行受注を積み上げながら生産能力を拡充し、高稼働率による固定費吸収で高い利益率を実現する構造を持つ。
企業の強み
2008年に自社開発したMEMS技術を用いたMタイププローブカード(MCシリーズ・MLシリーズ・MTシリーズ)は、先端半導体の高集積化・高速化ニーズに対応する高付加価値製品群。2026年3月期の半導体検査用部品関連事業のセグメント利益率は31.4%に達しており、技術的差別化が高収益性として数値に表れている。
尼崎本社・熊本事業所(第1〜4工場)・三田工場の国内複数拠点体制を構築。2024年10月に竣工した熊本第4工場の本格稼働と継続的な設備投資(2026年3月期3,866百万円)により生産能力を拡充。国内工場の高稼働率が2026年3月期の営業利益7,249百万円(前期比58.1%増)の主要因となった。
米国・香港・台湾・欧州・上海・タイ・深センの7海外子会社を通じたグローバル販売体制を保有。マイクロンメモリジャパン(売上比15.6%)、MICRON MEMORY TAIWAN(同15.3%)、フラッシュフォワード(同13.8%)など主要メモリーメーカーとの継続的な取引実績を持ち、安定した受注基盤を形成している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期の17,461百万円を底に急回復し、2026年3月期は29,366百万円と創業以来最高を更新。営業利益は7,249百万円(営業利益率24.7%)、当期純利益は5,451百万円と、いずれも過去最高を達成した。
外部要因として生成AI向け画像処理半導体・HBM等の先端半導体需要が旺盛に継続し、メモリー向けプローブカードの拡販が業績を牽引した。国内工場の高稼働率が利益レバレッジを発揮し、営業利益の伸び率(58.1%増)が売上高の伸び率(23.2%増)を大幅に上回った。
2027年3月期予想は売上高33,000百万円・営業利益7,450百万円と増収増益を見込むが、先行投資コスト増加により成長率は鈍化する見通し。
成長戦略
Mタイプ拡販・新工場建設・生産能力増強で先端半導体需要への対応力を強化
MEMS技術を用いたMタイププローブカードの生産体制強化・生産効率向上および次世代半導体向け製品開発を目的として、2026年2月に兵庫県尼崎市への新工場建設を決議。2028年8月竣工に向けて準備を進めており、中長期的な生産能力の大幅拡充を図る。
一昨年竣工した熊本第4工場が本格稼働し、2026年3月期の有形固定資産取得支出は3,521百万円に達した。国内工場の高稼働率維持と生産能力の段階的向上により、メモリー向けプローブカードの需要拡大に対応する供給体制を整備している。
国内外の先端半導体(HBM・生成AI向け画像処理半導体)向けメモリープローブカードの拡販を推進。2026年3月期の半導体検査用部品関連事業売上高は29,142百万円(前期比23.5%増)、セグメント利益は9,139百万円(同51.5%増)を達成し、次世代半導体向け製品開発も継続している。
生産能力拡充に対応した人員体制の強化を継続するとともに、地政学的リスクや供給制約リスクに備えたサプライチェーンの強化・安定性向上に取り組む。米国通商政策や中東情勢等の外部環境変化を注視しながら対応力を高める方針。
最終更新: 2026年7月19日

