事業内容
アズビル株式会社(azbilグループ)は、「人を中心としたオートメーション」を理念に掲げ、建物市場向けのビルディングオートメーション(BA)事業、工業市場向けのアドバンスオートメーション(AA)事業、ライフライン・住宅向けのライフオートメーション(LA)事業の3セグメントを展開する。センサ・コントローラ・バルブ等の製品開発・製造から、計装設計・エンジニアリング・保守サービス・省エネソリューションまでを一貫して提供し、オフィスビル・工場・プラント・ガス水道インフラ等の幅広い顧客基盤を持つ。
2026年3月期の連結売上高は298,930百万円、営業利益率は15.8%に達する。
ビジネスモデル
製品の新設納入を起点に、既設改修・メンテナンス・省エネソリューション等のサービス収益を積み上げる「ストック事業」が収益の安定基盤を形成する。BA事業では計装設計から運営管理まで一貫提供、AA事業では保守・改造需要を継続的に取り込み、LA事業では法定交換需要を基盤にSMaaS等のサービス収益拡大を図る。
価格転嫁を含む収益力強化施策と合わせ、営業利益率の継続的な改善を実現している。
企業の強み
オフィスビル・工場・プラント・ガス水道インフラ等の多様な市場に製品開発から保守サービスまでを一貫提供する体制を構築。2026年3月期のBA事業売上高156,351百万円、AA事業110,726百万円と、複数市場への分散が景気変動耐性を高めている。
長年の顧客関係に基づくストック事業が安定収益を支える。
藤沢テクノセンターにMEMSクリーンルームを増強し、システム・クラウド・AI・アクチュエータ・デバイスの5領域で研究開発を推進。2026年3月期の研究開発費は12,713百万円(売上高比4.3%)。
AIを活用した最適生産計画立案システム「VIRTUAL PLANNER PP」や異常予兆検知システム「BiG EYES MM」等の独自製品を市場投入し、計測自動制御学会の技術賞・新製品開発賞を受賞している。
2026年3月期末の自己資本比率は76.1%、純資産合計は255,999百万円。格付投資情報センターより発行体格付「シングルA+(安定的)」を取得し、社債発行枠200億円・CP発行枠200億円・コミットメントライン100億円を確保。
営業キャッシュフローは380,320百万円(2026年3月期)と潤沢で、成長投資と株主還元を両立できる財務基盤を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の売上高は298,930百万円(前期比0.5%減)と微減となったが、これはアズビルテルスター譲渡(LA事業売上高約146億円減少)という構造的変化によるものであり、BA・AA事業はそれぞれ5.1%増・3.6%増と増収を達成した。営業利益は47,304百万円(前期比14.0%増)と過去最高を更新し、営業利益率は15.8%(前期13.8%)へ改善。
5期連続で営業利益が増益となり、2022期比で約1.7倍の水準に達した。国内都市再開発需要・省エネ需要(外部要因として)の追い風を受けつつ、価格転嫁・原価改善・商品ミックス改善という自社施策の効果が顕在化した。
営業CFは38,032百万円(前期比5,921百万円減)で、法人税等支払額の増加が主因。
成長戦略
中期経営計画(2025〜2027年度)で売上高3,400億円・営業利益510億円・ROE14%を目指す
豊富な受注残(98,792百万円)を背景に負荷平準化・DX推進による施工効率化を進め、既設建物向け改修・サービス分野を中心に増収を図る。データセンター市場向けソリューション強化と海外事業拡大も並行推進。2027年3月期BA売上収益予想1,660億円(前期比6.2%増)。
MEMSセンサ・自動調節弁関連技術・プラント自律化等の独自技術を活用したシン・オートメーションの創造により、脱炭素化・生産高度化・人手不足対応等の社会的ニーズに対応。国内PA市場の安定需要を基盤に海外事業成長を加速。FA市場回復の取り込みも見込む。
計量法に基づく安定的な法定交換需要を基盤に、SMaaS(Smart Metering as a Service)事業を推進してサービス収益を拡大。アズビル金門とKamstrup社(デンマーク)の協業によるスマート水道メータリング市場開拓も進める。
2027年3月期LA事業利益は前期比約4億円増の10億円を見込む。
2027年3月期第1四半期よりIFRSを任意適用し、グローバル投資家への情報開示を強化。上限20,000百万円(上限3,200万株)の自己株式取得(2026年5月〜10月)と2027年3月期年間50円配当(普通38円+記念12円)を実施し、ROE向上と株主還元の拡充を図る。
中期経営計画(2025〜2027年度)において人的資本強化・グローバル開発生産体制強化・他社協業を含む商品力強化・DX推進に積極投資。研究開発費・DX関連費用・人件費の増加を許容しつつ、価格転嫁で吸収する収益構造を構築。
長期目標(2030年度)は売上高4,200億円・営業利益650億円・ROE15%。
最終更新: 2026年7月19日

