事業内容
株式会社多摩川ホールディングスは、1968年創業の高周波電子部品・機器メーカーを中核とするホールディングスである。電子・通信用機器事業では、アッテネータ・スプリッタ等の高周波電子部品から光伝送装置・デジタル信号処理装置・ミリ波製品まで幅広い製品群を展開し、官公庁・通信事業者・半導体産業を主要顧客とする。
再生可能エネルギー事業では、太陽光・小形風力発電所の売電収入と発電所開発・売却を収益源とする。当社グループは当社と子会社18社で構成され、東証スタンダード市場に上場。
2025期の連結売上高は5,587百万円、営業利益は278百万円と黒字転換を果たした。
ビジネスモデル
電子・通信用機器事業では、官公庁・通信事業者・半導体産業向けにカスタム対応を含む高周波製品を受注製造し販売する。ベトナム工場(2025年10月新工場移転・生産能力2倍化)を活用したコスト競争力と国内設計力を組み合わせる。
再生可能エネルギー事業では、シンジケートローン等で開発した発電所からの売電収入を安定収益基盤とし、顧客ニーズに応じた発電所開発・売却も収益源とする。
企業の強み
2025期の電子・通信用機器事業の受注残高は5,583百万円(前期比4.5%増)と過去最高水準を維持。国家予算増額を背景に官公庁・公共関連市場での大型プロジェクト受注が相次ぎ、売上高の半分以上を官公庁向けが占める。
日本電気㈱向け販売は前期比約10倍の1,331百万円(売上構成比23.8%)に急拡大した。
1968年創業以来、アナログ高周波技術を核に、アッテネータ・スプリッタ等の部品からミリ波・テラヘルツ帯製品、デジタル信号処理装置、半導体信頼性試験装置まで幅広い製品群を保有。技術スタッフ58名が研究開発に従事し、2025期の研究開発費は161百万円。
5G・官公庁・半導体・計測FA等複数市場への展開が可能な技術基盤を有する。
シンジケートローン・サステナブル融資を活用して開発した小形風力発電所30基が2024年2月末までに連系完了し、2025期は通期フル稼働を達成。北海道・東北の風力発電所と長野・茨城・山梨等の太陽光発電所が順調に売電を継続し、再エネ事業売上高558百万円、セグメント利益74百万円を計上した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高推移(日本基準)は2023期3,294百万円・2024期4,154百万円と低迷後、2025期5,588百万円で黒字転換。IFRS移行後の2026年10月期中間期(6ヶ月)は売上収益3,742百万円(前年同期比45.3%増)、営業利益751百万円(同275.2%増)と加速度的な改善が続く。
官公庁向け国家予算増額(外部要因)と量産フェーズ移行による売上総利益率の改善が主因。税引前利益2,307百万円はAddvalue Technologies株式の評価益1,594百万円(金融収益)を含む。
資産合計15,116百万円、親会社所有者帰属持分比率60.3%と財務体質も大幅改善。通期業績予想は売上収益6,950百万円・事業利益820百万円・親会社帰属当期利益1,835百万円。
成長戦略
電子・通信機器の量産体制拡充と再エネ電源多様化による二軸成長の加速
国家予算増額を背景に需要が拡大する官公庁・公共関連市場において、大型プロジェクト発掘と戦略的提案活動を積極推進。受注案件増加に対応する人員確保・設備増強・生産体制整備を計画的に進め、安定供給体制を構築する。中間期受注高3,881百万円と実績は順調。
2025年10月稼働のベトナム新工場では生産スペース拡張・設備増強を実施し、低コスト・高品質の量産体制を強化。本社近隣地域に第二工場建設用地を取得済みであり、地産地消型量産製品への対応と供給安定性向上を図る。
IRR10%以上が見込まれる系統用蓄電所事業において、福岡県みやま市の購入契約を2026年5月に締結し2026年7月の系統連系を予定。子会社「株式会社多摩川エナジー」内で2025年10月に建設発注を目的とした事業用地・発電権利の購入・発注を実施済み。
インドネシア東ヌサ・トゥンガラ州フローレス島の小水力発電所プロジェクトの2026年7月中の完成・連系を目指す。国内太陽光・小形風力に加え海外水力を加えることで収益源の地理的・電源種別の分散を図り、再エネ事業全体の安定性を高める。
通信分野で培った高周波技術を活用し、半導体信頼性試験装置需要が堅調に推移する半導体設備市場への対応を強化。次世代システム導入を見据えた自社開発品の研究・開発を推進し、将来の需要創出に向けた技術基盤を強化する。中間期研究開発費は112百万円。
最終更新: 2026年7月17日

