事業内容
株式会社京写は1959年創業のプリント配線板専業メーカーで、日本・中国・インドネシア・ベトナム・メキシコの5拠点でグローバル生産体制を構築している。主力製品は片面・両面プリント配線板および金属基板で、自動車、LED照明・エアコン等の家電製品、事務機、産業機器、航空機、通信機器など幅広い分野に供給する。
特に片面プリント配線板では世界最大の生産能力を有することを強みとして掲げており、実装関連事業(電子部品実装・実装搬送治具)も国内を中心に展開している。連結売上高は24,697百万円(2026年3月期)で、グループ全体で当社および子会社10社で構成される。
ビジネスモデル
京写グループは日本・中国・インドネシア・ベトナム・メキシコの各拠点で製造したプリント配線板を、日系・非日系の電子機器メーカーへ直接販売する製造販売モデルを採る。中国・ベトナム拠点が量産コスト競争力を担い、国内拠点は金属基板・厚銅基板等の高付加価値品と実装関連事業を担う役割分担を進めている。
グループ内部取引も活用しながら各拠点の稼働率を維持し、設備投資は自己資金と金融機関借入で賄う。
企業の強み
有報において「片面プリント配線板の分野においては世界最大の生産能力がある」と明記されており、同業他社にない特徴として位置づけられている。日本・中国・インドネシア・ベトナムの4拠点で製造し、グローバルな供給体制を構築することで、大口顧客の需要変動にも対応できる生産規模を有する。
1993年の中国進出を皮切りに、インドネシア(1994年)、メキシコ(1998年・2016年再設立)、ベトナム(2019年)と段階的に海外拠点を拡充してきた実績を持つ。各拠点が地域市場の需要を取り込む体制を構築しており、2026年3月期の連結受注残高は4,093百万円(前期比18.4%増)と積み上がっている。
国内九州工場に金属基板製造設備を導入し、LED照明・自動車向け金属基板の量産立上げを実施中。2026年3月期には新規量産立上げに伴う費用増加を吸収しながら国内セグメントの営業損失を178百万円改善させた実績がある。
中期経営計画2029では金属基板・厚銅基板事業の売上年平均成長率30%を目標に掲げている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期21,337百万円→2025年3月期26,229百万円と4期連続で改善してきたが、2026年3月期は24,697百万円(前期比5.8%減)と反落。営業利益も825百万円(同35.4%減)、純利益は78百万円(同87.3%減)と急激に悪化した。
外部要因として、国内自動車生産の低迷継続、中国景気減速による自動車向け受注減少が売上を押し下げた。内部要因として、国内での金属基板新規量産立上げ費用増加、インドネシアでの生産拡大向け設備導入コスト増加が利益を圧迫。
加えて過年度法人税等109百万円の計上と繰延税金負債増加による税負担急増が純利益を大幅に押し下げた。2027年3月期は営業利益1,100百万円への回復を予想しているが、外部環境の不透明感は高い。
成長戦略
構造改革・新分野開拓・コスト最適化で次期中期経営計画初年度の収益回復を目指す
LED照明・電子部品向け金属基板の受注増加と自動車関連分野の新規受注を取り込み、国内セグメントの営業損失(2026年3月期△39百万円)の解消を目指す。新規量産立上げに伴う費用増加は一巡しつつあり、2027年3月期以降の採算改善が期待される。
PT. Kyosha Indonesiaにおける生産拡大向け設備投資(2026年3月期に設備導入コスト増加)を完了させ、ASEAN地域での生産能力拡大と収益改善を図る。2026年3月期はセグメント損失162百万円と赤字が拡大しており、設備稼働率向上による早期黒字化が課題。
AIサーバー向け実装関連事業の受注拡大や、家電・自動車以外の新規市場開拓に挑戦するとともに、販売価格適正化とコスト改善を継続する。次期中期経営計画(現在策定中)の詳細開示が近く予定されており、具体的な数値目標の提示が期待される。
最終更新: 2026年7月19日

