事業内容
リオン株式会社は1944年創業の精密計測機器メーカーで、微粒子計測器事業(液中・気中微粒子計)、医療機器事業(補聴器・オージオメータ等の医用検査機器)、環境機器事業(騒音計・振動計・地震計等の音響・振動計測器)の3事業を展開する。主要顧客は半導体製造工場、耳鼻咽喉科・大学病院等の医療機関、インフラ関連事業者など多岐にわたる。
国内市場では主要製品のすべてにおいて高いシェアを確保しており、近年は欧州子会社Norsonic ASを活用した欧州展開や東南アジアへの海外進出も推進している。東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
当社グループは研究開発型企業として自社で製品を開発・製造し、国内販売子会社(九州リオン、東日本リオン、東海リオン等)およびリオンサービスセンターを通じて販売・サービスを提供する垂直統合型モデルを採用する。見込み生産方式を採用し、国内高シェアを背景に安定した販売基盤を持つ。
2026年3月期の売上高営業利益率は15.3%に達しており、高付加価値製品の継続的な投入が収益性を支えている。
企業の強み
有報に「主要製品のすべてが国内市場において高いシェアを確保している」と明記されており、これは他社が手がけていない独自事業を切り開いてきた結果である。世界初のデジタル補聴器(1991年)、世界初の防水型オーダーメイド補聴器(2005年)、世界初の軟骨伝導補聴器(2017年)など先進製品を継続的に市場投入してきた実績が競争優位の源泉となっている。
2026年3月期において売上高28,502百万円に対し営業利益4,362百万円(利益率15.3%)、ROE10.1%を達成し、自社が掲げる2031年3月期目標(営業利益率15%以上・ROE10%以上)を前倒しで達成した。営業活動によるキャッシュ・フローも4,165百万円と安定的に創出しており、純資産34,803百万円・自己資本比率の高い財務基盤を有する。
2026年3月期の研究開発費は2,521百万円(売上高比約8.9%)に上り、微粒子計測器(630百万円)・医療機器(1,025百万円)・環境機器(865百万円)の各事業で継続的に新製品を開発・発売している。当期はオージオメータ「AA-H2」、補聴器「リオネットプラス」充電式耳あな型、強震計測装置「SM-31」、振動分析器オプション「VX-14D」を相次いで市場投入した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期22,636百万円から2026年3月期28,501百万円へ5期で25.9%増加。営業利益は同期間に3,105百万円から4,361百万円へ40.5%増加し、営業利益率は15.3%(前期14.5%)に改善した。
2026年3月期は全3事業が増収を達成し、特に環境機器事業が業務効率改善と国内インフラ需要・海外販路拡大により大幅増益。外部要因として生成AI関連の半導体投資拡大が微粒子計測器の需要を下支えした。
親会社株主帰属当期純利益は3,345百万円(前期比17.0%増)、1株当たり純利益は271円41銭。営業キャッシュフローは4,165百万円と堅調に拡大し、期末現金は8,397百万円に増加した。
成長戦略
半導体・医療・環境の3事業で増収を継続し、2029年3月期売上高32,000百万円・営業利益5,350百万円を目指す
生成AI関連データセンター向け半導体製造工場の新設・増強に伴う液中微粒子計の需要拡大を取り込む。強化した生産能力を活用して新規案件を獲得し、最先端機種へのニーズにも対応。2029年3月期に向けて売上高19%程度の増収・営業利益32%程度の増加を見込む。
補聴器では新製品リオネットプラスの継続拡販と耳鼻咽喉科との連携強化により売上拡大を図る。医用検査機器では新製品の販売強化と国内新規開業案件の確実な獲得を推進。2029年3月期に向けて売上高5%程度の増収・営業利益17%程度の増加を見込む。
国内では地震計・航空機騒音監視装置の機器更新案件を確実に獲得し、新製品投入による市場拡大を図る。海外ではNorsonic AS等を活用した欧州・アジア市場での販路拡大を推進。新製品開発等の将来投資強化により、2029年3月期の営業利益増加は2%程度にとどまる見通し。
2026年3月期の年間配当は85円(前期70円から増額)、配当性向31.3%、純資産配当率3.2%。2027年3月期予想配当は90円とさらなる増配を計画しており、業績拡大に連動した株主還元の継続的強化を方針としている。
最終更新: 2026年7月19日

