リオン株式会社 logo

リオン株式会社

6823・東証プライム・電気機器

リオン株式会社 logo
リオン株式会社6823

事業内容

リオン株式会社は1944年創業の精密計測機器メーカーで、微粒子計測器事業(液中・気中微粒子計)、医療機器事業(補聴器・オージオメータ等の医用検査機器)、環境機器事業(騒音計・振動計・地震計等の音響・振動計測器)の3事業を展開する。主要顧客は半導体製造工場、耳鼻咽喉科・大学病院等の医療機関、インフラ関連事業者など多岐にわたる。

国内市場では主要製品のすべてにおいて高いシェアを確保しており、近年は欧州子会社Norsonic ASを活用した欧州展開や東南アジアへの海外進出も推進している。東京証券取引所プライム市場上場。

ビジネスモデル

当社グループは研究開発型企業として自社で製品を開発・製造し、国内販売子会社(九州リオン、東日本リオン、東海リオン等)およびリオンサービスセンターを通じて販売・サービスを提供する垂直統合型モデルを採用する。見込み生産方式を採用し、国内高シェアを背景に安定した販売基盤を持つ。

2026年3月期の売上高営業利益率は15.3%に達しており、高付加価値製品の継続的な投入が収益性を支えている。

企業の強み

有報に「主要製品のすべてが国内市場において高いシェアを確保している」と明記されており、これは他社が手がけていない独自事業を切り開いてきた結果である。世界初のデジタル補聴器(1991年)、世界初の防水型オーダーメイド補聴器(2005年)、世界初の軟骨伝導補聴器(2017年)など先進製品を継続的に市場投入してきた実績が競争優位の源泉となっている。

2026年3月期において売上高28,502百万円に対し営業利益4,362百万円(利益率15.3%)、ROE10.1%を達成し、自社が掲げる2031年3月期目標(営業利益率15%以上・ROE10%以上)を前倒しで達成した。営業活動によるキャッシュ・フローも4,165百万円と安定的に創出しており、純資産34,803百万円・自己資本比率の高い財務基盤を有する。

2026年3月期の研究開発費は2,521百万円(売上高比約8.9%)に上り、微粒子計測器(630百万円)・医療機器(1,025百万円)・環境機器(865百万円)の各事業で継続的に新製品を開発・発売している。当期はオージオメータ「AA-H2」、補聴器「リオネットプラス」充電式耳あな型、強震計測装置「SM-31」、振動分析器オプション「VX-14D」を相次いで市場投入した。

エンヴァリスの着眼点

中間期は売上高14,284百万円(前年同期比4.9%増)、営業利益2,150百万円(同8.3%増)と全事業で増収増益を達成したが、会社は通期業績予想(売上高29,700百万円、営業利益4,700百万円)を修正していない。下期は特に微粒子計測器の大幅増収、環境機器の海外販路拡大を見込んでおり、その実現度合いが通期着地を左右する。

微粒子計測器事業は半導体製造工場向け液中微粒子計の販売好調で売上は5,166百万円(前年同期比3.8%増)となったが、前年同期に原価率の低い製品販売が集中した反動や原材料・製造コストの高騰により利益は1,275百万円と前年同期並み(同2.3%減)に留まった。医療機器事業も補聴器の好調(売上5,247百万円)に対し医用検査機器が減収、加えてオージオメータ向けソフトウエア開発費の償却負担増加が利益の伸びを抑え、566百万円(同4.3%減)となった。

下期のコスト吸収力が注目点。

環境機器事業は売上2,940百万円(前年同期比13.9%増)、利益307百万円(同255.2%増)と大幅な増収増益を達成した。インフラ関連の民間設備投資需要に加え、官公庁向け航空機騒音監視機器の更新案件や地震計の更新案件獲得が寄与した構図であり、官公庁案件は単年度の調達要因である可能性があるため、来期以降も同水準の増益が継続するかの見極めが必要。

成長戦略

半導体・医療・環境の3事業で増収を継続し2029年3月期売上高32,000百万円を目指す

生成AI向けデータセンター投資の継続的な高水準を背景に、半導体製造工場の新設・増強に伴う液中微粒子計需要を取り込む。中間期は売上3.8%増だが原価率上昇で利益は前年並み、下期は大幅増収を見込む。

リオネットプラスシリーズの拡販に加え、新製品投入と耳鼻咽喉科との連携強化により難聴者への販売機会を創出。中間期は補聴器売上5,247百万円と好調だが、医用検査機器の低調が事業全体の利益成長を抑制。

アジア・欧州を中心とした海外販路拡大に加え、地震計・航空機騒音監視機器等の官公庁更新案件を取り込み増収を図る。中間期は売上13.9%増、利益255.2%増と大幅進捗したが、官公庁案件の一過性要因にも留意が必要。

最終更新: 2026年10月29日