事業内容
マクセル株式会社は「混合分散(まぜる)」「精密塗布(ぬる)」「高精度成形(かためる)」を柱とするアナログコア技術に立脚し、エネルギー(一次電池・全固体電池)、機能性部材料(粘着テープ・塗布型セパレータ)、光学・システム(車載カメラレンズユニット・LEDヘッドランプレンズ・半導体DMS)、価値共創事業(健康・理美容製品・電設工具)の4セグメントを展開する。主要顧客は自動車メーカー・医療機器メーカー・半導体製造装置メーカー・インフラ事業者等のBtoB領域が中心で、国内外19子会社・2関連会社を通じてグローバルに製品を供給する。
2026年3月期の連結売上高は129,429百万円。
ビジネスモデル
自社固有のアナログコア技術を活用した高付加価値製品の製造・販売が主収益源であり、車載TPMS向け耐熱コイン形リチウム電池やLEDヘッドランプレンズ等で世界トップシェアを維持する。加えて光学・システムセグメントではライセンス収入が継続的に増加し、収益を補完する。
事業ポートフォリオ改革として収益性の低い角形リチウムイオン電池の生産終了と村田製作所からの一次電池事業譲受を実施し、成長事業への経営資源集中を進めている。
企業の強み
車載タイヤセンシング(TPMS)向け耐熱コイン形リチウム電池およびLEDヘッドランプレンズで世界トップシェア(同社推計)を保有。車載カメラレンズユニットもグローバルトップグループのシェアを維持しており、モビリティ分野における競争優位が複数製品にわたって確立されている。
独自のアナログコア技術(混合分散・高密度成形・気密封止)を活用した全固体電池が産業機器用途で本格的な量産フェーズに移行。セラミックパッケージ型全固体電池や全固体電池モジュールの開発も進め、NEDO委託事業(SOLiD-Next)にも参画するなど、次世代電池技術の実用化において先行実績を有する。
2026年3月に株式取得対価8,000百万円でマクセルサクラ株式会社(旧・村田製作所の一次電池事業)を子会社化。コイン形二酸化マンガンリチウム電池・酸化銀電池・アルカリボタン電池の設計・製造技術を取得し、技術開発加速・生産性向上・販路拡大のシナジーを獲得。
エネルギーセグメントの固定資産は86.2%増の16,052百万円に拡大した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期138,215百万円をピークに減少し、2024期以降は129,000百万円台で横ばい推移が続く。2026期は129,429百万円(前期比▲0.3%)と微減。
営業利益は2025期9,318百万円から2026期7,891百万円へ15.3%減少し、半導体関連製品の回復遅延・健康理美容製品への米国関税影響・原材料費高騰が重なった。一方、親会社株主帰属当期純利益は連結子会社持分譲渡に伴う特別利益(関係会社出資金売却益2,857百万円)の計上により8,260百万円(前期比+102.0%)と大幅増。
営業キャッシュフローは8,372百万円(前期9,836百万円)と減少し、投資活動では子会社株式取得7,402百万円・設備投資7,840百万円で14,505百万円の支出となった。
成長戦略
MEX26最終年度に向けポートフォリオ改革・成長事業強化・全固体電池事業化を推進
角形リチウムイオン電池の生産終了によるポートフォリオ改革を完了し、医療機器用・インフラ用一次電池の増産体制を構築。2027年3月期エネルギー売上高予想53,000百万円(前期比+24.8%)の達成を目指す。原材料費高騰への対応が収益性改善の鍵。
全固体電池の開発費増加(2026期エネルギー営業利益を圧迫)を継続しつつ、産業機器用途への量産納入開始と用途拡大を図る。MEX26最終年度における新事業の早期業績貢献を目標とするが、開発費負担が短期収益を圧迫するリスクがある。
2026年3月期よりマクセルサクラ株式会社を連結範囲に追加。のれん6,181百万円を計上し、固定資産の増加(前期比+18.3%)に寄与。新規連結による売上高・利益への貢献が2027年3月期以降の業績積み上げに寄与する見込み。
2027年3月期の設備投資計画は10,000百万円(前期実績5,044百万円の約2倍)。エネルギー・機能性部材料・光学システム各セグメントの生産能力増強を図り、売上高143,000百万円達成の基盤を整備する。長期借入金20,000百万円の調達により投資財源を確保済み。
2026年5月29日に6,292,200株(発行済株式総数の13.40%)を消却し、消却後発行済株式総数は40,664,000株となる。2027年3月期の年間配当予想は56.00円(前期比+6.00円)と増配方針を維持。配当性向30.8%を目標とする。
最終更新: 2026年7月19日

